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街を歩くと
人がいる

海を泳げば
魚がいるし

空を飛べば
鳥がいるけど

街には人がいる

たくさんの箱の中に
住んでいるし

たくさんの道の上を
流れているし

 ....
あなたをぎゅっと絞り上げると
悲しみや後悔がぽたぽたと滴を垂らした

僕は舌を突きだしてそれを受けとめ
首を反らして飲み込んだ

夜のバーは光の島
僕はそこに流れ着いた遭難者
あなたと ....
願うって怖い
意気地なしだと思われても

やっぱり 願うって 怖い

世界があまりに美しいと
自分がその一部だということが
信じられなくなってくる 嬉しくなってくる

世界があまりに ....
雲一つない青空に
紙飛行機が舞っている

一つや二つじゃない
それこそ無数に

たくさんの白い翼が
たくさんの願いをのせて
思い思いの方角へと

ゆっくり 漂う

涙を孕んだ雨 ....
世の中ザラザラしている
そうは思いませんか

{ルビ肌理=きめ}が粗くなった
そうは思いませんか

優しい親は珍しく
子供は大抵怯えてる

賢い教師も見当たらず
子供は大抵迷ってる ....
君はテーブルに頬杖をついて
文字の積み木で遊んでいる

利き腕の人差し指で
柔らかい母音を
戯れに曲げながら

暗い藍の色で出来た゛う ゛の文字は
うつむいた気持ちの音
 ....
風には名前がない
そんな重たいものを 引きずってはいない

風には身体もない
そんな窮屈な箱に 押し込められてもいない

捕まえることも 飼いならすこともできない
たとえ押し留めようとし ....
頭がボーっとする
鼻かぜらしい

長椅子に背をそらして
胸の奥から息を吐くと
白い蒸気がもくもくと
汽船のように立ち昇る

僕は突然
大洋の中にいる自分に気付く
月夜の海を航行する ....
社会のルール
糞くらえ

鉄格子の棒さ
俺たちを
道理の檻に閉じ込める

社会の常識
くたばりやがれ

草刈り機の刃さ
可能性を
まとめて無為に帰する鎌

俺は虫の居所が悪 ....
青空の下で歌いたい
防音壁に囲まれた
カラオケボックスの中でなく

往来の真ん中で歌いたい
国会議事堂でも歌いたい
処刑場でも歌いたい
葬儀場でも歌いたい
教室でも歌いたい
職場でも ....
この部屋は四角い
建物も四角い
紙は四角く切り取られ
電車は四角く走っている

土地は四角く区切られて
名前は四角く囲われる
レンジは四角く温めて
テレビで四角くものを見る

君は ....
ねぐせはなおさない
あんまりなおさない

はねっかえりの天然パーマ
したいようにさせておけ

校庭に 生徒を整列させるように
頭皮に 髪を整列させるなんて

そんなのナンセンス
ナ ....
檻の中にいる時より
人の中にいる時の方が

君はずっと孤独だ

誰かと語り合っている時より
一人で黙っている時の方が

君はずっと雄弁だ

誰かに褒められている時より
誰かに見捨 ....
正しさってなんだろう

正方形の角が 誰かの頬に食い込むとき
その痛みが 真四角の正しさを証しするのだろうか

正しさってなんだろう

まっすぐな線をまっすぐに歩くことが
そんなに尊い ....
生きるのがかったるい
起きるのがかったるい
そう 何もかもが かったるいんだ

筋の読める映画
見え透いたスローガン
愛は押しつけがましく微笑み
悪は歯を剥いて唸りかけてくるが

俺 ....
まっさらな紙が一枚
夜空から舞い降りてきて
ふと立ち止まる 君の手元に横たわる

゛私を汚してください
 あなたの言葉で
 その指先の綴る
 文字の連なりで゛

日々
わだかまる想 ....
誰もが腹を立てている

作り笑いの下で
沸騰するいら立ち
火にかけた薬缶の様に

そしてここに
社会を舞踏室に例えた洒落者がいた

両開きのドアを押し開け一礼と共に
シャンデリア煌 ....
君が気に入ってくれるような変人になれるよう、努力するよ 詩は暇つぶしだと言ったら
あなたは怒るだろうか?

だけど 考えてもみてくれよ
暇のない人生というものを?


詩のなかで

説教を垂れるのもいい
悪態をつくのもいい
泣き崩れる ....
張りつめた白いより糸の上で 踊るピエロ
たくさんのクラブを 放り上げたり 掴んだり

しながら踊るピエロ
ぜんまい仕掛けで
突然動きが早回しになったり
逆回転になったり

退屈はしない ....
雨粒を指先で弾くと
光が砕けた
それは夜を背景に
風の中に散っていった

相席した男がふかす
煙草の煙を呑むと
しなびた思いが伝わってきた

今のこの悲しさも
明日には忘れているの ....
顔が見えない君の姿が雨の中 走り過ぎていくよ

ドアを閉ざして立ち並ぶ高層ビルの間を なにも構わないで

豹のように身体しならせて 行き交う獲物達をすり抜けて



先が見えない不確実 ....
あるところに
色を嫌うレンズがあった

それが愛したのは形
そして光と影の
バランスだけ



そのレンズを通して見ると
総ての花が おしゃべりをやめた

春の日差しの ....
誰にも届かない言葉を綴ろう

僕は 夜の井戸に吊るされた{ルビ剣=つるぎ}
永遠の愛を探し求める 一匹の蛾

その羽は古い靴下のように 穴だらけで
沈むことのない夕陽の その逆光に透けて
 ....
かっこつけるなよ
近道が知りたいだけだろ

かっこつけるなよ
身体が欲しいだけだろ

楽して生きていたいんだ
泥をかぶるのは御免だ
ババを引くなんていやだ
若いままでいたいんだ
責 ....
女って 大好きだ

女を喩えるなら
血の滴るような野薔薇の朱

生真面目な緑に身を固めた
この暗い原野の世界を点々と彩る
秘められた また明かされた 情熱の色

その両目は 傷つきや ....
私たちの身体を、何に喩えようか

それは、壺のようなものだ

そして私たちの心は、そこに収められた光
神は陶工となって、今日も壺つくりに精を出す
午後の陽射しが差し込む、埃っぽい作業場の一 ....
愛していると言わないで
そいつは僕を窒息させる

愛していると言わないで
がんじがらめにされてしまう


いつも いつも
あなたを気にしちゃいられない

いつも いつも
笑ってば ....
文鎮が
ふうわり ふわりと宙に浮き
驚く書生の顔前を ナマコのように漂って

原稿用紙が舞い上がり
驚く書生の目の前で 舞子みたいに踊りだし

万年筆が身悶えし 書生の指を逃れ出て
ぽ ....
文字が空から降ってくる
あられみたいに降ってくる
だけど地面は乾いたままで
溶けることなく積み重なる
文字、文字、文字、文字…

文字が空から降ってくる
僕らの周りに降ってくる
それは ....
ただのみきやさんのまーつんさんおすすめリスト(175)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
お散歩の効用- まーつん自由詩6*13-1-21
遭難者- まーつん自由詩8*13-1-19
願うって- まーつん自由詩5*13-1-3
カンバスと紙飛行機- まーつん自由詩10*13-1-3
ざらざら- まーつん自由詩9*12-12-13
文字は繋がる- まーつん自由詩9*12-12-13
風の名前- まーつん自由詩312-12-8
海の誘惑- まーつん自由詩6*12-12-5
転落者- まーつん自由詩3*12-12-4
鼻歌礼賛詩- まーつん自由詩3*12-12-3
しかくいせかい- まーつん自由詩11*12-12-2
もじゃもじゃ主義- まーつん自由詩8*12-12-2
ずっと、ずっと、ずっと- まーつん自由詩6*12-12-1
正しさってなんだろう- まーつん自由詩12*12-11-30
おっさんのブルース- まーつん自由詩8*12-11-25
いちまいの紙- まーつん自由詩11*12-11-17
誰もが腹を立てている- まーつん自由詩512-10-4
努力- まーつん自由詩6+*12-10-1
暇つぶし(あるいは、暇のない人生)- まーつん自由詩11*12-9-28
ぜんまいピエロ- まーつん自由詩4*12-9-27
ダンサー- まーつん自由詩7+12-9-25
A_Beast_In_His_Heart- まーつん自由詩2*12-9-25
色を嫌うレンズ- まーつん自由詩10*12-9-25
約束の朝- まーつん自由詩412-9-23
全ての花が灰色に見える- まーつん自由詩4*12-9-11
女って- まーつん自由詩9*12-8-9
光の壺- まーつん自由詩912-7-27
わがまま- まーつん自由詩10*12-7-23
お天道様の呼び声- まーつん自由詩16*12-7-12
文字が空から降ってくる- まーつん自由詩13*12-7-4

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