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きのう爪を切った
生きていることを感じながら丁寧に切った
今朝、前髪が目にうるさい
しっかりと目覚めてから切ろうかなと思う

1ミリか2ミリで全然違ってくることは知っている
前髪を切ったら ....
ため息ばかりが出る
思いどおりにゆかないから
当り散らしたくなる
思いどおりにできないことたちに

ナンセンスはわかっている
自分よりも大きな岩は動かせない
自分よりも小さな岩だって
 ....
かなしいような夜が明け
せつないような曇り空
これからはじまる一日は
わたしに意気地を呼ぶだろか

たったひとりの夜が明け
たったひとりの曇り空
オーガンジーのカーテンは
きょうもわた ....
立ち去ったなかの死別のひとは
かなしみばかりを連れては来ない
思い出しては泣くことも
確かにそれは多いけれども

立ち去ったなかの死別のねこは
かなしみばかりを連れては来ない
思い出して ....
ここはもう戻れない金平糖の国
甘さを装って溶けることのない呪詛
が降り積もり降り積もり見た目ばかりは
綺麗だろう有り難かろうときょうも恩を売っている

色とりどりに騙されたふりをして
住人 ....
都営の新築は完了し
古い全ては閉鎖となった
わたしが愛してやまなかった
あのプチな小路のある庭も

二年後には公園ができるって
巷の噂は嬉しくはない
四季問わずとりどり銘銘に
花花好き ....
狂ったように咽び泣く
鳥を空を花を風を
思いたいと願うほどに
なぜにどうしてこうなったと歎いてる

理解を超えた偶然の重なりですよ
と誰かわたしをあきらめさせて
いまだに早春のさやかな海 ....
多摩川にて貸しボートに
ゆられるともなく
空いたコカ・コーラの缶は
転がるにまかせ

ふとここを
佐渡の流刑地だと思ってみることにする
みやこわすれに導かれたか
さきほどみたあの紫がよ ....
とってもうるさい上の階

上の階には飢えが無い

飢えが無いからわからない

・・・わけじゃなかった

知っていた

特にうるさいお休み日

お客がいっぱい集まって

ドン ....
とってもうるさい上の階

上の階には上が無い

上が無いからわからない

・・・わけじゃなかった

知っていた

特にうるさいお休み日

幼子ふたりとその父と

ドッジボー ....
LEDがかなしい
白熱球がなつかしい
かつては手許の60Wが
わたしの世界の太陽だった

壊れて久しいエスプレッソマシン
夜にはしらふで眠らなくっちゃ
憧れていたジッポーは
あまりに手 ....
あれはまぼろしだった
晴れ渡った夜の空
一つみつけた美しい輝き
とても嬉しくって
毎晩窓を開けて眺めてた
あれはほかの星とは違って
あれはとっても特別で
どこが
って言えないけれども
 ....
何度振り返ってもあのタンポポ
踏まれる場所に咲いている
アスファルトから芽を出して
どうしてもそこが良かったんだね

風からの問いに頷くように
そよいでもみたそうな
けれど地に這って咲い ....
どうしても転がってしまう
できそこないの
羊のぬいぐるみ
連れて帰って気がついて
でももう取り替えてもらうなんて
ありえなくて

きょうも昼間っから
転がってた彼女を
仕方ないなぁっ ....
潮騒かと思っていた
知っていてあえて錯覚してみた
実は樹の葉たちのささやき
の聴こえたあの
遠い部屋
知られないかなしみも
ささやかなうれしさも
みんな粗末だけれど整っていたあの
あれ ....
雀の寝床をみつけても
太陽起こしちゃいけないよ
雀はぐっすり夢のなか
お米がいくらも食べ放題

雀を昼間にみかけても
天気は気にしちゃいないから
きょうの糧には何を得た
それだけ案じて ....
梅の便りを公園は
おとなこどもに知らせてる
いやいやまだだという冬は
春遠からじと知らないで

そのうち自分のこころとは
うらはら泣いて泣きやめず
どうしてなにがかなしいか
問うても問 ....
あしたのわたしへ宛て名を書いて
あした行き切符に切手を貼って
翼持つきみにそらの航路を頼んだら
届くだろうか夢にみる涯まで

続きは全部あしたにまかせて
きょうをおおよそ終える頃
眠る枕 ....
眠れないならきみを思おう
どんな理由でもきみを思おう
目覚めたくなければ夢できみと会い
白日の木漏れ日はきみへのうたを描くために

なんでも良いんだきみを思いたい
窓辺にあるのがお人形でも ....
明るまない窓の外をみながら
早すぎた目覚めに舌打ちをする

一月の午前四時

常識を忘れた空腹が訪れるが
理性はそれを満たさないことを選ぶ

代わりに水を一杯手許に置いて

グラス ....
いま
言われたいことが
転がっていない夜
灯りは決まって
白色の町
自転車で抜けて
風も無い
向かいっ風も
追い風も
泣いていい理由ばっかが
ダイヤモンドの原石かのように
浜の足跡
とうに消え
浜のお城も
とうに無い

あの子も
あの子も
帰っていった
帰るべき胸へ帰っていった

母さんのシチューが
湯気立てる
初冬の台所

覗き込む
その ....
はざかいの風が
わたしの季節を
灯し忘れて経ってしまった
とりのこされて

きょうも
おとなりの芝は
あおく
まばゆく

中途半端な雨降りばかり
こんな夜にも
手ばかり冷える
 ....
首都高に陽は沈み
滞りのなく済んだきょう
帰り道にも屈託のなく
靴を脱ぎ捨てようなんて思わずに
橋を渡ることができた

今は部屋にくつろいでいる
五畳のわたしの聖域は
しっかりと夜の帳 ....
吐く息が部屋のなかでも白を語る
かじかんだ爪先に靴下を与えるでもなく

窓の外
早すぎた目覚めがかなしく
ひとりを悟る

{ルビ時間=とき}に負けて
遠のいてゆくあなたの微笑みは
ま ....
陽は沈み
わたしも 想いに沈んでゆく
白かった あの少女のワンピースに
色を重ねるみたいに

  おとなの
  ぬりえ
  おひとつ
  いかが

決して 一概に、一途だったとは云 ....
行方不明者たちの吹き溜まりに身を寄せて
風の声を聴いていた
あの日
この日

ふるえる 空に
差し伸べられる 幾千の手のひらを
知っている
覚えている

立ち寄っただけの ほんの
 ....
思いが波紋と広がり
弾けてきらめく
夜空に星座を探す夜は
そうして更けてゆく

ゆきずりに声かけて
無理にでも言わせたい

  おやすみなさい
  よい夢を

あてないから
お ....
冬の終わるところへ一緒に行きませんか

さやかな声に振り返れば茶色い子
翼がふるえている
寒さにふるえている

融けないままの樹氷の絵がみえる
、いつの間にかここは冬の国

もとっか ....
黒のお茶に半月浮かべて
トースターでパンを焼く
焼く順番で喧嘩になって
お茶の色で喧嘩になって
バターが切れたと泣いて
わめいて 子どもの朝が
船出する 半月が笑った
ただのみきやさんのもっぷさんおすすめリスト(114)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
爪を切る- もっぷ自由詩913-5-24
たとえばツリーを壊すこと- もっぷ自由詩513-5-23
- もっぷ自由詩613-5-23
- もっぷ自由詩513-5-20
金平糖- もっぷ自由詩313-5-17
プチな小路のある庭は- もっぷ自由詩213-5-15
諦観まであと3センチ- もっぷ自由詩313-5-15
紫時計- もっぷ自由詩313-5-15
もうひとつのスローターハウス- もっぷ自由詩313-5-13
スローターハウス- もっぷ自由詩513-5-13
みんな夜空の遠いとこ- もっぷ自由詩813-5-5
熱病- もっぷ自由詩613-4-30
靴とタンポポ- もっぷ自由詩1313-4-25
冬の終わりの彼女- もっぷ自由詩613-2-21
ごめんね上手- もっぷ自由詩513-2-18
- もっぷ自由詩713-2-1
春遠からじ- もっぷ自由詩513-1-29
カモメのこころ- もっぷ自由詩413-1-28
ラヴソング- もっぷ自由詩413-1-28
午前四時- もっぷ自由詩613-1-11
風の無い町- もっぷ自由詩812-12-24
初冬の台所- もっぷ自由詩712-12-22
暖冬未満- もっぷ自由詩612-12-16
サンクチュアリでの夜の、- もっぷ自由詩1012-12-11
- もっぷ自由詩1712-12-5
おとなのぬりえとシュレッダーとの相性- もっぷ自由詩712-11-23
日常の感覚- もっぷ自由詩512-11-23
今夜は空が澄んでいるよ- もっぷ自由詩6*12-11-11
そとのうた- もっぷ自由詩412-10-31
或る喜劇- もっぷ自由詩312-10-22

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