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夜明け
繰り返される 割れ を
完璧なものにするために
うしろむきにとぶ

じゃあじゃあ流れつづける時間
それ わたしのだよ
ひねる うねる たおれる
それ

音よりさきに
 ....
ひとつも
うまく言えない気持のする
2月
ぼうと立ったまま

こころのなかで
頁を繰って
見つけます
いとしいかわいいやつら

あなたはもうあなたになりましたか
森の手前でと ....
群れからはずれた ひつじがいっぴき
光に打たれて たっている
かなしいでも
誇らしいでもなく
ひつじがひとり たっている
まるく くらい 影をおとして
ひかりがひつじを 打っている
 ....
朝で、
きみの床に光が当たっている。

しずかな街は
すこしずつ意味を手ばなして

もうすぐ、見られるようになる。
わたしたちの床にも
光の当たるところを、見られるようになる。
 ....
愛をまに受けて 焼けていく
わたしをみて
かける言葉がなんにしろ
それさえも まに受けてしまう

見える ほとんどすべてのものは 焼け
ドーナッツの穴だけが
残った
猫の寝息は
眠りの根
夜もよろめく四つ脚お化け
可愛い蛙は冠おろし
月をまるめてまたあした
おおきな鉄の
かばんは
おもい
かばんのなかには
かばんのかたちの
空間が
ひとつはいって
いる

よってたかって
見つめられた
少女や
きれいに
彫られた蝶などが
ま ....
もうそろそろ忘れそうだ
ビールみたいな笑いかた
肌をとおして香る骨
影の落ちる鎖骨の深さ
忘れそうだ
わたしが
どうしてあんなにかなしかったか
夜で、道は乾いている。
わたしたちは不足のないつめたさを、それでもまだ足りないと言いながら
物語を探している
足のない椅子とか、
黒鍵だけのピアノとか
白鳥の子でも、アヒルの子でもない、 ....
書きおえてはじめて
それが詩だと気づくように
死んでしまってからやっと
恋だったとわかる
いつもおそくて
墓を掘るのも一人きり
でもいいや、
塩の塔はきれいで
鳴らせるのははみだし ....
いつのまに窓があいたのだろう
生きものみたいに絡まった衣服を
わたしのものと、
あなたのものに
分けるときにはじめて
からだが千切れるように感じました
いつかもここへ座って空気を吸っていた
ななめに流れる道路、さかりをすぎたさるすべり
ひらかれた場所に座ってみわたせば
蒸発するいくつもの過去
花はまだ
文字をしらない

文字をしらない花を抱いて
庭に二人ぶんの影を落とすと

わたしもまた、
文字をなくして
おそろしいくらいのすべてに
抱いてもらえます
青い本、カーテン、壁。
ゆで卵、液晶、ローラーコースター
交互にする指輪、遠い者同士の接吻
からだを折ると、すこし生きやすい。

思いだすのは、ちいさなこと
泣いたら泣いたぶんだけ体が ....
一対の鉄塔が
街をはさんで見つめあっている
(病気のような時間帯)

頭痛もちの少女が
おぼえたての寂しさを抱きしめて
影をうつした空へ飛びおちていく
うその家は
嘘でできている
三叉路が三つもある
うその家

みんなはそこで
笑ってもいいし
笑わなくてもいい
キリスト像を切り刻んでも良いし
仏壇で眠ってもいい

あなたには ....
(数字が壊れている)

夏で、いつもより心臓がゆっくりうごいている。
わたしたちは逃げてきた、盗んだものをぜんぶ
忘れるために。おもいのほか空気はおもたくて、
指が濁ってる。天井を塗る途 ....
絶対に汚れない脂がありますか?昨日わたしは夢を洗いました。重なる木箱と転校生の匂い。わたしはつねにわたしではありません。(過去ではそうだった)血のにおいに負けました、そのボールは満たされているんだ .... 与えられた絵具の
いちばん暗い所を指さして
言われたことが
愛でした

あんなにためらいなく混ざりあったから
すっかり忘れていたけれど
紫は
海と血で出来ている

ずい分時間が ....
暑い日は
とりわけやさしくなって
あなたがしてくれたように
わたしをみつけます

汗ばむ生えぎわに
しがみつく指さきに
世界はまだまだやさしくなって
わたしはきちんと
失っていく
だが それは
扉から入ってくるとは限らない
ノックもしない

都会にもダイバーがたくさんいる
海べのようなプラットホームに
打ち寄せる通勤電車に

開けられた窓とか
流行のスナッ ....
みんなうたわなくなった
夜も 朝も 雨の日も
すっかりあかるくなった
鼠はいなくなった
もぐらはとっくに死にたえた
人びとは 健康であった

ギターもピアノも自動で鳴らされる
楽譜 ....
なんということもなく
また夏が来た
穴のあいた籠をしょって
わたしたちは
懲りずになんども出会ってしまう
水が跳ね落ちたさきで
またもう一度跳ねるように
だんだん
ちいさくなりなが ....
ため息のような光をむすんで
いくつかの夜に糸を張った

いまやそれはつめたい手のように
こぼれおちる影をやさしく拾っている
あなたの黒い長い髪がうたうたび
わたしの胸はいちいちこまかく傷つきました

海岸のガラスみたいになめらかにちいさくなっていくわたしを
拾いあげて陽に透かして
その美しい呼吸を一瞬でも止め ....
一滴のくらやみが 明るみに落ちたとき
わたしは黙っていてもわたしでした
愛などのことばも必要なしに

光を一粒あなたがとってみせたとき
はずかしく右往左往にばらけるわたしを
つぎはぎの ....
ふるい扉は頑丈で
坂みちをふさいでいる
その手前で三角にすわって
少し音をきいていた

あかぐろい、(でもやさしい)
まるい(でもつよい)、
おおきな、あかるい、時折白い、
響いて ....
0が1を
たべつくして
朝になっても
明るくない

うすく凍りついた水たまりを割ると
世界の底で
あなたがスープみたいに眠っている
みてあのこまだ
舟なんかつくってる
とさされたゆびを
はじから折って編み込んでいく

わたしはかなしかった
夜でも朝でも
ま昼にはいっそおそろしかった
からだじゅうに溜まった水が
 ....
音は雪に食べられてしまい
部屋は
かえって生きものの息づかいでみちている

台所の戸棚のなかで
じゃがいもの芽が伸びてゆく
張りつめた胸の皮膚のしたを
薄くなった血がめぐっている

 ....
ただのみきやさんのはるなさんおすすめリスト(267)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
割れ- はるな自由詩615-2-23
- はるな自由詩1315-2-4
群れからはずれた羊が一匹- はるな自由詩1115-1-17
- はるな自由詩915-1-5
やけのこり- はるな自由詩414-12-8
可愛い蛙のうた- はるな自由詩314-12-5
鉄のかばん- はるな自由詩514-11-29
ビール- はるな自由詩514-11-26
引力- はるな自由詩514-11-24
塩の塔- はるな自由詩514-9-11
生きもの- はるな自由詩914-9-11
蒸発- はるな自由詩614-9-4
庭2- はるな自由詩614-8-3
やすらかな不安- はるな自由詩514-7-29
鉄塔- はるな自由詩814-7-27
うそのいえ- はるな自由詩614-7-17
数字- はるな自由詩814-7-16
プラグ- はるな自由詩614-7-8
- はるな自由詩714-7-4
暑い日- はるな自由詩614-7-2
ノック- はるな自由詩614-6-24
みんなうたわなくなった- はるな自由詩914-6-22
- はるな自由詩314-6-21
影を拾う- はるな自由詩514-5-27
海岸- はるな自由詩914-5-16
くらやみ- はるな自由詩914-5-1
助走、逆流- はるな自由詩714-4-26
スープ- はるな自由詩1114-2-26
破裂- はるな自由詩414-2-24
じゃがいも- はるな自由詩12+14-2-15

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