すべてのおすすめ
雨がたくさん降って来て
空も窓も塞いでしまうから
わたし達
砂漠の夢を見ていましょうよ 
と女は言い
男と一緒に目を閉じます

でも、雨の音がするね
男が言いました
わたしはもう流砂 ....
お父さんの部屋は半分おなんどで
机の横にさびたバス停がありました
お父さんが3年前
会社の近くのがらくた市で買って来ました

私と妹は大喜びしました
お母さんは
「何考えてるのよ、こんな ....
四月
夜来の雨が軒を叩いて
やんだかと思うと強まって
千の靴音を撒き散らすと
再たふと空のどこかに引っ込んで
猫のように耳を澄まして
南の果てから吹く風の
雄々しい声を聞くようで

 ....
エイプリルフールに嘘もつかず通勤電車の千の目玉の泳ぐなかO・ヘンリーの短編を読んでいる貧相な美少女の内心は化粧広告と拾い読みの愛の言葉がガスを吐き出す夢七色のドブ川にはあらで、清楚なカレンダーを書き込 .... その兵隊は綺麗な目をしている
義眼さながら澄んだ一対
まばたきも忘れたかのように
永続の晴天を映しながら
それは自分をしか見ない
時々彼は女の役目もする
そんな時さえ目を閉じない

本 ....
女というものは
化粧を落とした顔がすっかり輪郭を失っている
写真の中では既に
枯れ傷んだ花弁のように色褪せて
寝室の鏡に映る素顔は男の目に見せられない

女というものは
安物スーツにハイ ....
あひるは腰かけていた
石のおいろはみどりいろ
あひるはそこへ腰かけて
誰かが来るのを待っていた
誰かが喋り声を出すのを
じっと待っていた
しんしろの太陽は黙っていた

これらの人を知っ ....
鳥肌実の美しい右翼
小田実の美しい左翼
何でも良いが信念ならば
身・銭切るべし幻想にはな
本買う程度の小銭でなしに
街宣車買え
対戦車砲撃て
腹かっさばいて噴水になれ
生恥の身投げて人 ....
移ろいにつき従うなら
時ではなく
私は風について行こう
それはいつも流れており
地上を巡り行くから
私は世界を旅するだろう
決して行き着く事なく旅するだろう
過去を嘆く事もなく
未来に ....
月が紅くなったので
酒がすっかり不味くなり
呑み屋はどこも缶コロリ
夜目裏新聞そのよにあります
月が紅くなったので
白のノラ猫いなくなり
ひん剥き出された肉のよだ
白鳥アヒルも見なくなり ....
むかしむかしある所に
哀れなおんながありました
たいへん貧しく生まれたので
おんなは
人に何かをもらうことしか
考えませんでした
自分は哀れな身の上なので
情けをかけてもらうという心得で ....
その夜半、電話が鳴った
冴え冴えとした月光の前庭を
一本の意図が貫いた時
女は不快な胃もたれの中で横たわり
じっと目を開けたまま
太陽の午後と雑踏の音楽を想っていた

女は喪服にアイロン ....
{引用=進歩は昔話を撲滅する}
 あんたの事は食わしちゃる
 あたしが部屋で何しとるかは
 詮索せんといて
 覗きでもしたら出て行くきね

女房のオツーはそう言って襖を閉め
日がな何事か ....
ふと雑誌の広告を見て
コーセーという化粧品会社の存在を忘れていた自分に
ちょっと驚く
長らくpdc(ポーラデイリーコスメ)を使って来たからか
いずれ価格帯のせいだろう
ドラッグストアやスーパ ....
雪前は冬が温む
低気圧の湿気が降りて
虚の体積は収斂する

降る雪は音を引き上げる
積もる雪は世界を聾する
雪は聴力を催眠する

未明
耳を澄ます
動物として耳を澄ます
(1.意 ....
スー・チーは全くかしこい
十七歳のおばあちゃんなのに
この冬から
おとがいを同居人の鼻の頭に擦りつけて
痒みを解消する手管を見つけた
たまに唇を舐めてくれるようになったのは
やっと同類と認 ....
ラッシュアワー
千本足の林立の狭間
スーツケースからはぐれた
よそ行き幼児が泣いている
わめき声は動物じみて
朝を病んだ善男善女の苛立ちを
憎悪域にまで掻き立てる
半ばは勤労地獄に子を詰 ....
娘は
今日も一日家にいた
年を取るのは嫌だ嫌だと言いながら
母親は水ぶくれの手で
何種類ものクリームを塗ったくっている
客の食べ残しを載せた皿を今日も洗う為
にせ鰐皮のバッグは椅子の上
 ....
金もナク仕事もナク
展望も若さもナク
妻子には捨てラレ
責も任も負ハズ
誰にも期待さレズ
東にも西にも行カズ
誰を労ふ用もナク
暮しの足は大丈ブ
家計一人このオカズ
雨にも当たラズ
 ....
体臭は毛布のようだ
男臭い布団はそれだけで暖かい
男にとっては逆だろう
遠い子宮の記憶を辿り
疲れた胎児は体を丸めて
全てを忘れて眠るのだろうか
女の体の匂いの中で

私には子宮より
 ....
 讃辞

あなたのセーターは暖かそうだ
あなたの体は温かそうだ
あなたの体温は優しそうだ
心が優しそうだ


 犬

霧雨がそぼ降っている
門灯はあかあかと
門扉は堅く閉ざされ ....
冬の季語は陽だまりの猫
私は三匹の寝子の母親だから
人間だけどまどろんでしまおう
北風の中を歩いたところで
ろくな事はないよ
みっともないほど着膨れしてても
身ぐるみ剥がれた樹分でみじめだ ....
近所の子らが小銭を握って
フルタのチョコやオレンジガムを買う
細野商店はおばさんがやっていて
娘と息子がひとりずつ

近所の子らが大人になって
いつやらクリーニング代理店になり
細野商店 ....

タトン
タタ
雨が大気にあふれ出す
地は吸い込んで
水流が闇にあふれ出す
ヒトはみな小動物
家のなか
葉陰の小鳥たちの夜を案じ
明朝の我が身を気に病む
石くれになる傘の中

 ....
歩かなければ足がしなびる
使わなければ腕がなまる
戒めてないと腹が出て来る
触らせてないと胸がしぼむ
エッチしないと尻が垂れちゃう
言いなりなるとガキ出来ちゃう
月イチで卵出しては傷んでる ....
みな年を取って行く
かわいい女を妊娠させ
若い女をエスコートしても
みな年を取って行く
無邪気な芸術家を気取っていても
また年を取って行く
二十五でやっと大人の仲間入りをし
三十で自分が ....
 皿洗い考

寂しい匂いを嗅いだ
消え去った時間に取り残された自分がいた
私は前進して来たのではない
ここに留まったまま置き去りにされたのだ
今も私は振り返るのではない
背後には何も無い ....
マサカリ担いだ金太郎
今日はどこまで行って来た
どんなオイタをして来たの
熊を何頭ぶん投げて
何頭負かして泣かせて来たの 
お前の腹がけひんむいて
お尻をぺんぺんしてやろう
まるまる太い ....
東の際に光が触れる
神の指先であるかのような
白く燃え立つ黄金だ

すると慄く暗黒の軍勢は
ぞよめきながら西方へ退却を始める

明け渡された海底の虚は
水圧の頚木を解かれ
藍から青へ ....
蒼然古色霜夜の廃城
その回廊を音もなく飛び歩く
惨劇の後の静寂は、ひたと夜闇に寄り添って
風ばかり、眠れる草木をあやしている

石は変わらず乾いてそこに在る
お前は
どのストーンヘンジか ....
ただのみきやさんのsalcoさんおすすめリスト(85)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夢の行方- salco自由詩7*13-4-21
バス停- salco自由詩27*13-4-11
- salco自由詩9*13-4-7
四月- salco自由詩6*13-4-1
少年人形- salco自由詩7*13-3-25
誰が食わせてやってるんだ式- salco自由詩10+*13-3-22
みどりが丘で- salco自由詩16*13-3-18
思想碑- salco自由詩4*13-3-8
慰藉- salco自由詩11*13-3-6
色変期(しきへんき)- salco自由詩5*13-3-3
砂をんな- salco自由詩18*13-2-26
喪服- salco自由詩10*13-2-18
鶴の恩返し- salco自由詩31*13-1-22
オバサン覚え書き- salco自由詩10*13-1-17
消失点- salco自由詩6*13-1-14
相性- salco自由詩11*13-1-9
貨物- salco自由詩11*13-1-7
ウェイトレスの娘- salco自由詩11*12-12-16
文句しか垂レヌ- salco自由詩8*12-12-14
- salco自由詩11*12-12-10
修辞- salco自由詩8*12-12-5
北風- salco自由詩5*12-11-27
細野のおばさん- salco自由詩9*12-11-15
水の夜- salco自由詩11*12-11-11
Die(ディー)_Hard- salco自由詩5*12-11-4
法則- salco自由詩7*12-10-29
皿洗い考- salco自由詩4*12-10-25
金太郎- salco自由詩5*12-10-22
夜明け- salco自由詩4*12-10-15
おゝ、フィーリア- salco自由詩5*12-10-8

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する