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 幼い日
 ふたりで日向ぼっこをしながら
 影をみていた
 ぼくの黒い指先が
 少女の頬に触れようとする
 と 触れるその直前で
 影だけがふやっと膨らんで
 ぼくより先 少女に ....
 砂漠の向こうでランボーが
 蜃気楼に投網を打っている
 やつめうなぎが川底ではぜ
 永遠の焦げる臭いがすこしする

 
 酸素漂白濾紙をおりまげて
 にがい液体にわたしを落とし ....
    

水の{ルビ簾=すだれ}がそこかしこに垂れ下がっている夏の部屋に居て、ぼくはもうあの郵便配達夫が来ないことを知っている。ぼくの胸のなかには白い綿毛のようなほわほわした生命体がいつも棲みつ ....
そうして八月がやって来た
濡れた髪は山脈のゆるい傾斜をなぞるように戦ぎ
大地の荒々しい脈動を伝える両脚は
透徹した眼をもって立つことを求められていた

ぬるい渓流を走るわたしの血管
 ....
 

 一篇の詩をつづりながら
 多くの迷い道を選びきれないでいる
 夜 飼い猫の眼が光る
 かれも ぼくをみつめている

 散乱した独りずまいの部屋に
 椅子がない
 神棚のみずが ....
ただのみきやさんの白島真さんおすすめリスト(35)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 白島真自由詩15*16-10-2
喪失_- 白島真自由詩4*16-9-30
水の簾- 白島真自由詩616-9-28
天体とこころⅣ- 白島真自由詩8*16-9-27
生誕祭- 白島真自由詩4*16-9-26

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