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梅雨時になると
もうそろそろかな、と思う

雨上がりの庭で
もうそろそろかな、と思う

君と
言葉を交わしたことはないけれど
君のことは
勝手にトモダチだと思ってるから

カエル ....
犬の眼をじっと見つめていると
黒々としたその瞳から
哀しみだけが
滲んでくる

犬は
なぜ自分が犬であるかを
きっと知っている
遠い昔
野生を
人間の為に捨てた存在
自由よりも不 ....
六月の花嫁が
投げたブーケが
放物線を描いて
確かな意志を持って
わたしのほうへ
向かってくる

『ブーケをキャッチしたら
幸せになれる』というフレーズは
もちろん知っていたけれど
 ....
一日の終わりに
脱いだ
ぬけがらが
いくつか並んでいる

命がけで
脱いだわりに
その佇まいは
くしゃみ
ひとつほどの
可笑しさを漂わせている

上手に脱いだ
ぬけがらは
 ....
眠っているなんて嘘さ
眠っている時は
みな死んでいる

でも
それじゃ怖いから
眠っていることにしておくのさ

子守唄は
眠りの友達ではなくて
死の隣人だったのさ

死を知って ....
子供の頃
古めかしい三面鏡が
部屋の隅にありました

木目模様の板に貼られた
三枚の鏡はそれぞれに
蝶番によってつながっていて可動式でした

普段は折りたたまれているのだけれど
ぱた ....
ぽっかりあいた
空洞は
ただ ひたすらに
まっている

「おかえりなさい」と
言う時を

夜の孤独は
しんしんと冷え
柱時計が時を刻む

ぽっかりあいた
スリッパの
空洞の ....
言葉なんて
なんの役にも立たない夜があった
抱き合った体温が
生きている今を
実感する唯一の術であると
感じた夜があった

舌と舌が出会い
いくつもの嘘を従えて
口腔内で生まれ出た言 ....
今朝も
様々な具材を乗せて
すし詰め電車が
発車していきます

季節は冬ゆえ
暗い彩りになることは
ご容赦いただきます

味は
休日明けゆえ保証します
たらふくご馳走を腹に溜め込 ....
やはり
マグロは天然ものにかぎるなあ
などと
食通を気取る人が言う

今時は
くるくる廻る寿司屋にも
天然ものが
マシーンで握られた
しゃりの上に鎮座している

人間こそ
全て ....
悲しみの蓋は
いつのまにか
ぱたり、と
しまる

しめようと 
やっきになっている時には
その蝶番を
がたがた いわして
頑として 拒否するくせに
ふと気づいたら
ことり、と
 ....
 見えなくてもそこのあるものは、実際のところ世の中にあふれている。見えなくても聴こえる。見えなくても、そこに存在する。決してオカルトではなく、純然たる事実なのだ。
 実家の家の前には、かつて小さな川 ....
南天の実は 何想う
小さな赤い実 何憂う

昨晚 闇夜が長すぎて
ふかづめ しずぎてしまったよ
剥き出しになった指先が
世間に晒され 泣いている

夏に実を結う南天はない ....
梅雨の晴れ間に射す陽光は、いかにも目に眩しい。この図書館の処々にはステンドグラスのはめ込み式の窓がある。陽が射さない日には、くすみ、精細を欠くその窓も、今日は冴々と色を発色させて美しい。ステンドグラ .... その海は
私の海とつながっている
嵐がくれば
たちまちぷつりと切れてしまいかねない
一本の麻のロープの
あやうさで
私の心とつながっている

その海は
もはや この地のどこにもない
 ....
バレリーナの背には
透明な羽がある

それは
一見すると
柔らかそうに見えるが
実は
アンドゥトロワと繰り返される
日々の鍛錬によって
美しい鋼になったその肉体と
同じくして
透 ....
ファスナーがいつも従順だと思ったら
それは思い込み もしくは 先入観みたいなもので
生地を喰うことがある
貞淑だった人妻が 
何を思ったか豹変し 
畏れをしらぬ 厄介なうえ 世にも面倒な 小 ....
心を探しにやってきました

吹き叫ぶ雪の心はどこにありますか
愛なんか信じた
己のしくじりを
怒っているのかもしれません

うつむいた水仙の心はどこにありますか
抑えても抑えても匂って ....
かがり火が灯る冬の夜
どこかで
誰かが泣いています

寒々とした出窓に置かれた
ピエロのオルゲエル人形
1ミリたりとも動くことはありません
ネジを巻かれたのは
いつだったか
もう思い ....
深呼吸したら
小さな虫まで
吸い込んで思わずむせた
むせて吐いた
吐いて笑った
笑い続けたら
可笑しくて
ついに涙が出てきた

ついさっきまで
悲しかったはずなのに

ほんとに ....
{画像=120107114152.jpg}

春になっても
その球根は芽が出なかった
「おばあちゃん、これ、フリョーヒンだね」

知ってるよ
フリョーヒンは時々現れるんだ
僕が働い ....
溺れる人が
泳げないとは限りません
泳げるはずなのに
溺れてしまうことは
よくあることのようです
また
溺れた人を助けようとして
しがみつかれて
共に
溺れてしまうと
いうことも多 ....
もしも今夜世界が終わるなら、参鶏湯を食べる

無人島に何を持っていくか、迷い続けてる

ああ、そうだ、小さいころ綿菓子屋さんになりたかった

どこかにきっとあると時々さがしてみるうちは、た ....
さあ、
詩を書こうと思ってひねり出す言葉と
太陽を浴びて
じわりと体温があがり
沸騰はしなけれど
静かに蒸発してくものを
理科室にあるような
ガラスで出来た清潔なフラスコに
再度集めて ....
特別切れなくてもいいんです
まあまあ切れればいいんです
私にとっての
刃物なんてそんなもんです
特別上等でなくてもいいんです
そこそこ切れればいいんです
それで
用は足りるのですから
 ....
【わいぱあ】を
最速にしても
効かない
激しい雨が
フロントガラスをたたいていく

きっとこんな風に
前後不覚になるほど
ぐちゃぐちゃに
泣ける人は
幸せなんだろうなあ

思い ....
君が唄う愛のうた
もう
歌詞さえ忘れてしまったけれど
確かに
君は唄っていた

窓辺のひだまりに置いた
鳥かごの中で
無邪気に
金糸雀が{ルビ囀る=さえず}ように

石造りの ....
けたたましい目覚ましの音で
新しい一日が始まる
レプリカントのスタートスイッチが入る
洗濯機がしゃべる
電子レンジがしゃべる
TVがしゃがべっているのは
今日の天気予報
くもりのち雨
 ....
針葉樹が生い茂る
森の奥深く
みづうみがあった
風もなく
濃緑(こみどり)をたたえた湖面は

同時に
境界


そこに映る景色は
さかさま
あたかも
そこに
もうひとつ ....
faikさんのそらの珊瑚さんおすすめリスト(29)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
勝手にトモダチ- そらの珊 ...自由詩18*12-6-22
MY_LIFE_AS_A_DOG- そらの珊 ...自由詩23*12-5-26
カサブランカ- そらの珊 ...自由詩18*12-5-24
ぬけがら- そらの珊 ...自由詩20*12-5-18
- そらの珊 ...自由詩7*12-2-7
三面鏡- そらの珊 ...自由詩10+*12-2-3
空洞- そらの珊 ...自由詩8*12-2-2
HELP- そらの珊 ...自由詩10*12-2-1
人間巻き- そらの珊 ...自由詩13*12-1-31
人間市場- そらの珊 ...自由詩8*12-1-30
あまのじゃく- そらの珊 ...自由詩9*12-1-28
アオミドロ(散文詩)- そらの珊 ...自由詩7+*12-1-28
三重奏- そらの珊 ...自由詩10*12-1-27
金魚(散文詩)- そらの珊 ...自由詩7*12-1-26
海と海- そらの珊 ...自由詩9*12-1-25
バレリーナ- そらの珊 ...自由詩7*12-1-24
我が愛しき小娘(ガーリッシュ)- そらの珊 ...自由詩8*12-1-20
- そらの珊 ...自由詩8*12-1-11
かがり火が灯る冬の夜に- そらの珊 ...自由詩16+*12-1-10
不幸気取り- そらの珊 ...自由詩11*12-1-7
百年球根- そらの珊 ...自由詩11*12-1-7
溺れる人- そらの珊 ...自由詩13*12-1-6
もしも今夜世界が終わるなら(自由律俳句)- そらの珊 ...俳句5*11-12-30
一枚の布のように- そらの珊 ...自由詩9*11-12-24
刃物- そらの珊 ...自由詩9*11-12-22
わいぱあ- そらの珊 ...自由詩4*11-12-20
愛のうた- そらの珊 ...自由詩11*11-12-18
沈黙恐怖症の恋人- そらの珊 ...自由詩7*11-12-9
みづうみ- そらの珊 ...自由詩10*11-12-7

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