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美だと ひけらかす者は
美の何者でもなくて
美が うぬぼれない存在だと
言わしめてくれる
{ルビ他人=ひと}を美だと
アッケラカンに言い切る度量が
美なのか
それとも
たわ ....
あの日以来
飛ぶことが怖かった
離してくれないと
地上のせいに僕等はしていた
黄昏てばかりの僕等を
ずっと見つめていた夕陽が
かわりに沈んで
会うたびに膝を突き合わせて
会うた ....
眠りの舟は行き先を天に託す
私は知らぬ間に
川のほとりに
抜け殻を置いて
サラサラと流れる小川を
一人 小舟を漕ぎ始めた
春風に押されて
もの欲しげに
小舟を見下ろす
タンポ ....
今でも あの場所を流れています
高速道路の車列が整然と
途切れない 地平線のように続いて
形にならない声を
無差別に浴びて打たれ
そして 流れ 流れていく河
大きな河の膝の青タンを ....
譲れる花 ゆとりある胸中
譲れない花 窮屈な嫉妬
晴眼のように 総てが見通せる
不思議な胸中
邪魔な信念が総てを遮る
不可解な嫉妬
譲れる花 お人好しな花
譲れない花 揺るぎ無い ....
この爪を折っても
しぶとく生えてくる
この爪を折っても
歳を取れば 記憶は遥か彼方
この爪に火を点せば
僅かながら この灯りで
道に迷うこともないと口にすれば
痩せ我慢だと隣人は ....
逆立ちしてみれば
総てが180度 別世界であります
たった一人 逆さまな様は
見ず知らずの者から見れば 滑稽であります
この視線で眺めれば
ぞんざいな気の流れが
清浄な気の流れに見 ....
東京よりも冷たい 氷の陸地
夜もしんしんと深まって
冷え切った雪が
我慢出来ずに
{ルビ懐=ふところ}に落ちていきます
散らばった日本語が
冷たい雪で{ルビ埋=うず}もれます
私一人 ....
十二月某日
この地はまだ吐いた息が白くならない
気温はこの時期にしては穏やかである
相反して 福岡の繁華街は喧噪としている
次から次へと
多系統の行き先を掲げた市バスが滑り込み
....
月曜日
突き刺す気嵐の中
若い女が ビールを振る舞う
突き刺す気嵐の中
マネキンの片手に数羽の鳥が止まる
火曜日
隕石が飛び交う真夜中
若い女が アイスを振る舞う
隕石を避けて生き ....
若葉は青臭くていいと
老いた葉が
羨ましげに
鑑賞している
尖っていた葉は
あなたを守るため
傷つけるためじゃない
でも 遠ざけたのは
青くて頼りない葉だったから
そ ....
海沿いを走る列車が
波飛沫を浴び
潮風を{ルビ喰=く}らってサビまみれだ
通りすがるたびに
このリビングに{ルビ軋=きし}む音が
クロスに跳ね返ってこだました
生活の一部となった音 ....
瓜二つのようで
瓜二つでない
一卵性でも二卵性でもない
この双生児
心理学者さえも説き伏せぬ
けれど
一番傍にいてくれるのは
一緒に泣いてくれるのは
手をつないでくれるのは ....
faikさんのsubaru★さんおすすめリスト
(13)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
美
-
subaru★
自由詩
12*
12-3-7
夕鶴
-
subaru★
自由詩
17*
12-1-28
午睡
-
subaru★
自由詩
27*
12-1-17
なぐられ河
-
subaru★
自由詩
24+*
12-1-8
譲れる花_譲れない花
-
subaru★
自由詩
18*
11-12-21
爪
-
subaru★
自由詩
12*
11-12-18
十二月十二日の水
-
subaru★
自由詩
19*
11-12-12
雪が降り始める頃
-
subaru★
自由詩
12*
11-12-7
「ね」はあげたくない
-
subaru★
自由詩
14*
11-12-5
マネキンの若い女
-
subaru★
自由詩
16*
11-12-1
柊と人
-
subaru★
自由詩
17*
11-11-27
廃線
-
subaru★
自由詩
24*
11-11-10
同情と共感
-
subaru★
自由詩
5*
11-2-22
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