時の器に
夜がすこしづつ満たされていく

眠りついた月の横顔

埋もれた砂時計の砂丘は、はだしのぬくもり
天よりふる砂を見つめては
閉塞されたガラスにふれる



砂の音はや ....
たった1年で
大人になった猫は

春には泡立つ光の匂いを
丹念に嗅ぎ回りながら
ひとつ歳をとり

夏には風呂場のタイルの上に
長々と寝そべりながら
ひとつ歳をとり

秋にはふ ....
赤い感情と青い記憶とを
つむいで
むらさきを織る
夏の恋

ひざまでの深さのつもりで
いつのまにか飲みこまれている
息継ぎに顔をあげるたび
水面にゆれる ほほえみに似た光を
肺にかさ ....
私にもかけてかけてかけてかけてかけて
塩塩塩塩塩


あなたと一緒に
溶けていたいの
真夏の夜に
溶けていたいの
このわたくしは






塩が一番いいの
 ....
わたくし 妖怪 おもてなし と申します
わたくしの体のほとんどの部分は 水なのでございます
人間の水分量は六割だそうですね 人って よくそれで生きておれますわね

たわいのないことを地獄 ....
つくづく
惜しい
つくづく

よしずも扇風機もスイカも
歯が立たなかった
暑いがらんどうのような
夏が逝く

つくづく
惜しい
つくづく

不安と疑念と我慢を
素肌に貼 ....
 わがままなあなたのReは愛しても
 まだ足りないと盗みいるひと


雨の夜は朝がこないとテレビのなかの猫たち
雨でも散歩はできるよね、と
傍らのちいさな犬はぽつり
おやすみが言えなくな ....
茜の空と群青の海

私は その{ルビ間=はざま}に行きたくなりました

赤紫の{ルビ間=はざま}は 空でも海でも陸でもなく

名の無い存在で

寂しげのような 楽しげのような

{ ....
傘をさせ傘をさせ傘をさせ傘をさせ傘をさせ
このやろう

雨だ雨だ雨だ雨だ雨だ雨だ雨だ
雨よふれ


傘をさせ傘をさせ傘をさせ傘をさせ傘をさせ
傘をさせってんだこのやろう


 ....
お前の頭の中はスポンジ穴だらけ


瞳孔がひらいて
よだれたらして
ヘラヘラ笑いっぱなしで




隔離隔離隔離隔離隔離病棟


人類みな人類みな不平等



 ....
ようこそ、バードランドへ
螺旋階段をネジのように
巻いて巻いて降りると
忘れていたオルゴールが軽快よく鳴り出した

休まる音色が耳に割り込んで
握りしめてた拳が 段々と緩やかに開いて
掌 ....
夜の火を口に含んでうがいかな


非のかけらどこまでも否の非のかけら


凧いつつ揚げつづけているひとりかな


目も耳も氷の如く陰はなつ


ただ軽い死に ....
夜中になれば静寂の火が灯る
何もかもが去っていき
あるものが忘れられる
時計の規則正しい針の音が響き
時折救急車のサイレン音が割り込んで
誰かを連れ去っていくのだが
私の背中を刺すものに出 ....
夕暮れには不思議な魔力があって
どういうわけかふいに門が開かれて
僕の王国に淋しい旅人を連れて来るんだ

旅人はしばらくは荘厳な夕日に見惚れているが
我に返ると皆決まって故郷に帰りたがる
 ....
空いてます
ぼくのとなり

とても広くて
あなたのわがままはすべて叶います
来ませんか
ぼくのとなりへ

ちょっと高くてこわいし
階段もないけど
その右手も 左手も
ぼくに差しの ....
白雪の姫がめでたしってなったのは嘘です
白雪の姫がめでたしってなったのは嘘です
灰かぶりが幸福を手にしたのもほんの一瞬
そんな世界
一部上映
だからめでたし

醜い醜態知らないの?あ ....
膝の上の猫
まるで愛おしい生き物でも見るような目で
わたしを見てにゃーと鳴くの

通り雨降る、夏の午後

その視線を
すり寄ってくる体温を
振り払いたくてそっぽを向いた

うっとう ....
背中が痛いよ
見上げればお月様
おなかが重いよ
だから
筋肉を伸ばしたり縮めたりするよ
今夜も
夜を着て

招けば水が湧きいずる
鏡に立木や鷲をうつしながら
わず ....
ピアノたんたかたん
ぼくはひけないしうたえない
楽譜もよめないまま
ここまできちゃったのです

のぼりつめたの?
おちぶれたの?
ここがどこだかわかってる?ふりをして
とおくをみつ ....
すみれの花時計で十四時から二十三時までの十七分間を
世界で一番きれいだとうわごとくり返しながら
豚のように運ばれてゆく

荷馬車を降りれば
なまぬるく甘い夏に抱かれるのだ
息を詰まらせ汗ば ....
ひまわりばたけをぬけたさきに

りんごのきがあって

きのまわりをさんかいまわると

みぎてにりんごがおちている


ひまわりというゆめ

ひだりにひまわり
みぎてにりんご ....
                110709



牛10頭分のすじ肉求む
血を抜かれ吊り下げられた解体中の牛の姿に
無罪判決を聞く検察官の寂しさを重ねてはなりません
頼りのお父様も定年 ....
夜/地球の裏側の太陽の動きを意識するように
気にかけたり抱えてたりする/日々のなだらかな稜線のつらなり
そのいくつかは自意識の成分でできていて
ムヨウの苦しみだったと気付くとき
素敵な夜だね ....
光は闇を奪おうとするね
本物の夜の明るさじゃないね

スイッチを切れば消えてしまう僕を隠して


闇は光を飾ろうとするね
明かりを常に中心に置くね

スイッチを入れて光ろうとする僕を ....
月の見える筈の窓で
曇り空を見ている
今にも雨が降りそうな
曇り空を見ている

かつては男だったし
かつては女だった

その人が見上げている
窓は 空は


月の見える筈 ....
こちら地球 きこえますか
月がとても美しいです どうぞ
こちらガイア きこえます
月がとても恋しいです どうぞ

日本と呼ばれていた辺りに船を止め
現在 周辺を巡視中です
まだ  ....
{引用=見えないどこかで
血をわかちあって
自ら肢体を埋葬する様が
今日の君を物語っていた

冷たい肌に触れる
うすい膜に包まれている
心髄は?
心髄は?
無重力の彼方

枯 ....
幾重にも重ねられた
朝霞の様に
私は青く塗られた
何かが蠢くカンバスに
薄く薄く白を塗る

決して無理をしては
いけない
分厚く塗り込めば
いずれ割れ、剥がれ落ちる
薄く薄く白を塗 ....
宇宙式の貨物船にのって
オールトの雲のなかを航海している
太陽から1.47光年離れても
まだお前の重力圏内にいる

まったく、すごいやつだよ
お前ってやつは

RC2052年18月03 ....
乾いた大地に
夏の厳しい日差し
しおれてしまった花に
水をひとしずく下さい

*

空っぽになった部屋で
なくした希望を探す
仕方がないと言いながら
耳障りなため息を吐く

* ....
mortalisさんのおすすめリスト(68)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
時の砂丘- 月乃助自由詩22*11-9-25
ふんわりとした接点- nonya自由詩23*11-9-24
なつ、むらさき- 橘あまね自由詩14*11-9-18
- ぶらっく ...自由詩2+11-9-17
おもてなしぃ妖怪- るるりら自由詩22*11-9-16
つくつくぼうし- nonya自由詩19*11-9-14
夢猫- たま自由詩27*11-9-14
はざま- subaru★自由詩22*11-9-13
あんぶれら- ぶらっく ...自由詩211-9-13
スポンジ大作戦- ぶらっく ...自由詩311-9-11
ようこそ、バードランドへ- subaru★自由詩12*11-9-9
ノート(夜漠)- 木立 悟川柳211-9-7
夜光虫- 乱太郎自由詩20*11-9-3
夕暮れ王国- 未有花自由詩23*11-9-2
- たま自由詩37*11-8-28
愛でたし- 宇宙姫自由詩211-8-27
愛猫- 三奈自由詩2511-8-22
夜を着る- たちばな ...自由詩1911-8-9
リハーサル- ゆうと自由詩411-8-9
すみれの花冠- 三原千尋自由詩911-8-8
ひまわりというゆめ- Seia自由詩411-7-22
停電の夜に- あおば自由詩5*11-7-9
月のうらにかいていく- フミタケ自由詩511-7-8
フィラメント- 1486 106自由詩111-6-30
月の見える窓- Seia自由詩311-6-24
こちら地球- Seia自由詩411-5-29
ただの青さ- ゆうと自由詩3*11-5-6
白を塗る- プル式自由詩10*11-4-19
オールトの雲をぬけて- たま自由詩16*11-3-29
悲しみ- 未有花自由詩23*11-3-3

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