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同行二人 つれづれの空
あたらしい道
いざ行かめやも
同行二人 耳許を
かけすが一羽すれちがう
同行二人 木漏れ日は
形を変えてまた消えて
同行二人 道端の
名もなき花に立ち止まる ....
よいこのみなさん
もう 帰る時間ですよ
じこにあわないように
みんなで気をつけて帰りましょう
耳慣れた防災無線の放送に今日ももう終業か、と時計を見ると
まだ4 ....
世界が僕を閉じるから
僕から
世界を閉じた
空より降る縦線
時計の動く気配すら
奪われた
沸いた湯が白い粒になって広がっていく
見ていた
見ていた
ああ
全部満たしてしまえ ....
遠い日
私をすこやかに育てなおしてくれた人よ
今
あなたの真似事をしています
背負ってしまった陰を呑み込んで
人知れず水鳥の如く足掻きながら
あなたは
微笑むことを忘れません ....
たぶん今頃あなたは
見知らぬ女のために
木綿豆腐を切り分け
お出汁にすべりこませる
積算書にメモ書きをしてみせた
やわらかく白い指先で
一方残業を終えたばかりのわたしは
娘のお迎 ....
ただ頷いて微笑うのはおりこうさん
泣きながら問い詰めるのはおばかさん
ひとつ問題があって
ものわかりのいいひとの粒子は
少しずつ崩壊している
淋しさをこじらせると
言葉すら思い浮か ....
梅雨の合間の抜けるような気候に責任はない
ただ
普段よりは眩しい昼下がり
向かい合うその人を連れ出したことには
ふわふわとした意図しかなく
上ずった笑顔と屈託のない笑顔を並べて
....
見上げた
遠い青は
海のものなのか
空のものなのか
わからない
そもそも
ここは海なのか
それさえも
忘れてしまった
浮上する
どこを
目指して
まとわ ....
穴が開いたコップは
そのままでは使えません
ところが
その事実を告げると
大抵のガラスは大いに憤慨し、嘆き、喚き散らすのです
そして
綿くずだの
粘土だの
ビニールテープだの
と ....