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あの日の空は青かった
夏が終わろうとするほんの手前
夕暮れ迫る束の間の時刻
受話器の声が世界の音を奪い去る
....
すべてが寝静まり
寝返りと寝言の中で
やかんを磨く
あしたはどんな一日に
なるだろう
油で汚れ焼けた ....
ゆきのひつじが
はらはらと
いっぴき、にひき
ねむれぬよるに
ふりつもる
はるをまって
....
毎朝冷たい風に吹かれながら
洗濯物を干すその手は
ひどくかさつき荒れていた
誰よりも早く起き
米を研ぎ、味噌汁をつく ....
下駄をはく爪さき紅くはにかんだほら朝顔がしじまに惚れた
かなしみのかなしみの声聴こえたら痩せた背中の骨なぞらえる ....
横たわる男のひげは春を待つ
閉じられた青白いまぶたの奥で
なにを夢にみるのだろうか
弥 ....
それは夜ごとにうごめくいっぴきの沼でした
わたしが瞼を閉じるとき闇の中で目を覚ます
....