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わたしのやる気が逃げて行った
元気や根気も一緒のようだ
荷物をまとめ
手に手を取って
わたしのやる気が逃げて行った
追いかけることなどできはしない
途方に暮れて
薄闇の
終わりとも ....
春がやさしく微笑むと
白く積もった嘘が融け
ぬかるんだわたしの心を
悲しい泥水となって流れ下る
ひび割れたアスファルトの肋骨
空に頭を踏まれたままの道あるいは時間か
仰向けに開いた記 ....
アパートの暗い階段を上って行くと
二階には嵌め殺しの窓があり
そこだけがまるで古い教会の天窓のよう
純粋に光だけを招き入れていた
迷い込んでいた一羽のすずめは
幼子の震える心臓のよう
....
――なんの欠如を
怖れているのか
踊りたいから踊るのだ
何が悪いか阿呆ども
元来人は踊るもの
踊って歌って
笑って泣いて
怒れるものが人なのだ
鳴 ....
雪に埋もれたまま青く影を落とし
家々は俯き黙祷する
気まぐれにも陽が歩み寄れば
眩い反射が盲目への道標
抱擁されるまま
冷え切った頬が温もり
辺りに耳が開かれるころ
頭の後方 梢 ....
あなたはいつも雨降りで
子猫みたいに濡れそぼち
そのくせ強く匂わせる
刃物を当てた乳房のように
ぼくの真顔の疑問符も
蒼く滲んでインクのよう
何時のころから遺書めいた
ことば遊び ....
月は 水底から仰ぐ小舟
雲の向こうをかろやかに滑り
だが本当は流されているのは雲の方
月は自分の道を行くだけだ
きみは 月のように生きるのか
風に流されることもなく
....
一巻の蝶がほどけ
色と熱を失った記憶の羅列が
瞬きもせずに四散する
錐揉みの燃える落日に
ことばには満たない鱗粉が
乱反射しながら霧散する
重力が半減したかのように
その長すぎる ....
陽射しは澄んだ冷気を纏い
静かに微笑んでいた
病床から起き上がる母親のように
すると蒼白い時と仄暗い人の群れで編まれるはずの朝が
心なしか ふと暖色に染まり
視線は飛翔してはまた憩う 小 ....
季節の車輪を転がしながら
時代の坂道下って降りて
さあ年の終わりと始まりのテープが切られました
あなたの目にはどんな時代が見えますか
世界は灰色にもバラ色にも染まります
....
何のことはない
君自身が落し物なのだ
たとえば君が左のエレベーターに乗る時
右のエレベーターから降りてくる
すれ違ってばかりの斜に構えた運命が
今日も君を捜してい ....
冬は突き放すような抱擁
軽くドレスの裾を振るだけで
白い吹雪が真昼を閉じ込める
冬は火傷するほど冷たいキス
サイドミラーの氷を指先で落とすと
風の中 君の声が聞こえてきた
子どものころ ....
友よ 教えてくれ
いったい何処へ行くのだろう
君とは長い付き合いだ
離れてはいても仲間たちと繋がり合っていた
私は決して孤独ではなかったが
すぐ側にいた君と親しくなるのに時間はかからなか ....
霙と嵐と雷鳴で
十一月の夜が揺さぶっている
手のうちなんざ知れたもので
瞳は渇いたまま空を切る
初雪が覆った小さな棺
添い寝をしたくてもできなかった
小さな棺がゆらゆらと
時の浪間を ....
ラジオで誰かが言っていた
「小さなことからコツコツと」を
「小さな琴から骨骨と」なんて変換していた翌日
ご近所でお骨発見のニュース
家族すら知らないうちに家の中で骨になるのなら
たぶん友 ....
きみのことばは
秋の冷たい雨のようだね
仄かな愛の燃えかすを
ひとつ ひとつ 丁寧に
つまむように消して行く
夏の陽射しに彩られた
一輪の記憶が今しがた
明け ....
契約社員の給料は安い
だからアルバイトも必用になる
午前四時前 朝刊配達に出かけると
山のふもとの住宅地
時折いろいろ見かけるが
エゾシカを見たのは初めてだ
角ある雄と雌のつがい
街 ....
廻り廻ってさようなら
季節はまたも去って行く
やがてはわたしも去って逝く
寒くなったね
それでも今夜はまだ
震えながらも網をかけて
待っていましたよ
今夜はまたすらりとして
....
まるで舞台セットのよう
蛍光灯の光が融け込んで
透き通った 小さな庭園で
水草ゆれて
ふわりと
紅金色の着物も褪せた
年増女が二人
よもやま話 ....
秋とは肩を寄せ合い歩きたい
約束なしで出会っては
流れの渦に留まり続ける
紅葉とイチョウの落ち葉のように
ゆっくりと語り合いたいものだ
何一つ声に出すこともなく
....
万物が一つの花ならば
誰が愛でてくれようか
蕾のままに枯れて逝く
誰が涙を流すのだろう
....
ロマンチストはどの時代にもいる
ここにも一人
彼はインチキ古物商と素人骨董愛好家の一人二役だ
誰もが経験するようなありふれた出来事を
時を超えて微笑みかける
運命という名工の作として ....
大海原の真ん中で
立ち泳ぎ
途方に暮れて日も暮れて
せめて目指すべき陸地が見えたなら
それが遥かに遠くても
そこに向って進もうと
いのちの限り泳ぐだろう
だが今 四方八方
....
何かを失うということは
あまりにも日常的なこと
そしてそれが二度と戻らないことも
人が自ら行おうとする
生活に必須なこと以外の多くは
これらの穴埋めや消失感の緩和のため
それが ....
こわれたラジオの部品とか
いろんなガラクタくっ付けて
こさえたぼくの宇宙船
飛ばないことは百も承知さ
けれども心は飛んで行く
誰も知らない惑星へ
わたしたちは飽きもせず
あちらこちら ....
小さな子供のやわらかな髪を
指でやさしく梳かすように
風は愛撫する
幼いころから見慣れている
名も知らぬ野の草花を
市営住宅が建ち並ぶ
隙間の小さな芝生の上
心地良さげに ....
読みつかれて ふと
雨音に包まれて
物思いに耽る蛙と
草むらに潜む
文庫の中は
土砂降りの文字
連なり意味成し物語り
意識下に滲み濾過されて
何を読みたいわけでもなく
....
焼却炉に捨てられた明日
すくいあげた夏の横顔に
毛繕いを済ました嘘が
気だるく黄昏る
あなたと壊疽した月曜に
遠い過去からの絵葉書が
陰気な紙ふぶきとなって
豊満な口もとを埋め尽くす ....
石で打たれるような
犬に追い立てられるような悲しさに
居ても立ってもいられなく
ただただ早く帰りたかった
日没に向ってひたすら走り続けた
貝のように固く握りしめている
決して手放し ....
窓を開け放ち
空気を入れかえる
朝の訪れを遮ってだらりと垂れ下がる
色褪せた思想を派手に揺らし
この胸を蝕み患わせている
積もりに積もった誇りや死っけを吹き飛ばし
....
灰泥軽茶さんのただのみきやさんおすすめリスト
(103)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
茫
-
ただのみ ...
自由詩
18*
13-3-24
この春を何と呼ぼうか
-
ただのみ ...
自由詩
28*
13-3-21
嵌め殺しの窓
-
ただのみ ...
自由詩
24+*
13-3-6
自由舞踏派宣言
-
ただのみ ...
自由詩
23*
13-3-2
永久の瞬
-
ただのみ ...
自由詩
27+*
13-2-24
雨の鳥籠
-
ただのみ ...
自由詩
19*
13-2-6
孤高の旅人
-
ただのみ ...
自由詩
21*
13-1-26
残像
-
ただのみ ...
自由詩
22*
13-1-19
稀有な月曜日/あたたかいもの
-
ただのみ ...
自由詩
21*
13-1-9
2013年_新年に思うこと
-
ただのみ ...
自由詩
24*
13-1-1
気休めという天使に足を踏まれた聖夜
-
ただのみ ...
自由詩
19*
12-12-26
幼馴染
-
ただのみ ...
自由詩
23*
12-12-19
存在と錯誤
-
ただのみ ...
自由詩
28*
12-12-5
正気の沙汰
-
ただのみ ...
自由詩
20*
12-11-18
小さなことからコツコツと
-
ただのみ ...
自由詩
21*
12-11-11
冷たい雨
-
ただのみ ...
自由詩
22*
12-11-8
もみじ悔いたし鐘は無し
-
ただのみ ...
自由詩
21*
12-10-25
廻り廻ってさようなら/月と蜘蛛
-
ただのみ ...
自由詩
30*
12-10-19
水中戯曲
-
ただのみ ...
自由詩
20*
12-9-27
秋の気持ち
-
ただのみ ...
自由詩
19*
12-9-23
____________夕日のように微笑んで________ ...
-
ただのみ ...
自由詩
26*
12-9-18
ろまんちすと
-
ただのみ ...
自由詩
16*
12-9-5
遥かな灯
-
ただのみ ...
自由詩
16*
12-8-26
遭難者の筆
-
ただのみ ...
自由詩
13*
12-8-14
ガラクタ宇宙船
-
ただのみ ...
自由詩
23+*
12-7-31
夏のこどもたち
-
ただのみ ...
自由詩
24*
12-7-24
雨読物語
-
ただのみ ...
自由詩
34*
12-7-19
希望の詩
-
ただのみ ...
自由詩
20*
12-7-9
空っぽの手のひら
-
ただのみ ...
自由詩
21*
12-7-5
いつか世界の窓が開かれると
-
ただのみ ...
自由詩
15*
12-6-30
1
2
3
4
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