玄冬の砥石を濡らす太き指





          {引用=一九九五年一一月二二日}
重爆撃機 が 胎児 を 投下する。
絨毯爆撃 される 肉塊 は、
思い思い の 姿勢 で 重力 に 従い
従順 に 自然落下 する。
透き通る 空間 に 散りばめられた 有機物 の 群れ。
 ....
家系図を背負い友人チャートを小脇に抱えその他知人隣人フローをポケットに押し込みカンニング用に隠しておいた必携人情化学反応辞典を取り出して赤線を引きながら人影に挨拶をしたら足元に犬がいて
ワン
とな ....
故郷のような
異国のような
そんなどこかの路地裏で
「こういうことか」と嘯きながら
もうすぐ彼は
終わるだろう

二階の窓を
閉め切って
眼鏡を外し本を閉じ
フィラメントの熱の下
 ....
生後四ヶ月の娘を朝の5時からあずけれるような
保育所をさんざん探してさんざん電話をかけたあと
少し詩を読んだ


被爆者のケロイドを体に負うことが
物事を理解することではない
とりだされ ....
ワールドアパート
酢酸
失われたハサミの片方のもう片方
イチローの背番号51のように
音も無く降る雨の形
ワールドアパート
共通しない扉で
耳を傾けるスパイス・ガール
俺の掌の ....
茨木のり子さんが、亡くなった。


高校生のとき読み始めた詩は茨木のり子、谷川俊太郎、吉野弘、川崎洋、大岡信・・・みな「櫂」の同人であるということをあとで知った。その「櫂」を茨木のり子氏とともに ....
ざざざざ
ざざざざざざ
ざざざざざざざざ
ざざざざざざざざざざざざざ
ざざざざざざざ
ざざざざ
ざざざざざ
ざざざざざざざざざ
ざざざざざざざ
ざざざざざざざざざざざざざ
ざざざざ ....
もう雨が降ると息が白い

プラットホームは痛いほど凍てついている

出来損ないの私の影を穿つ雨

午前六時三十分に青い電車に乗る人 他人の朝

水溜りよ青は無残に散乱する

どこへ ....
http://maps.google.co.jp/

たくさんの方がもう使っていると思うのですが、これは感動ものです。軽いし。
「サテライト」がある地域はさらに素敵。
僕はこれでいくつか詩を書 ....
トムソンはがぜる
がぜり続ける
健やかに育ち
育ち続ける梢と梢の
間からメニューを覗き
何という名のファミリーレストランか
ハンバーグを和風セットで注文する
まるで都会だねここは
 ....
歌いたい歌はもう歌われた歌ばかり




聞こえないものを聞き取る見えぬ耳

自民党巨人牛肉米国貴様

手と足をもいでもできるウォーゲーム

憲法にない奉公で自衛隊

台風よ ....
言うまでもなく潰瘍





腕痛めた 腕があるから痛い

服を畳み自分を畳みお休みなさい
 
夜の中で記憶を石にする

ひつじをかぞえるゆめのよう、に。

太古のこのわた ....
白い足首が氷の上で踊るように 
幸福という言葉がワードの上で踊る
幸福は輸入品だ 鼻の尖った人々が住むどこかの国からの
それは形而上的な言葉であるために実物を見たものは誰もいない

シロの頭 ....
夏を告げる鐘が鳴ると
少年たちの中で 天国が走り出す
ジガバチの奇怪な姿は
奇妙な収入を約束するが
キカイダーの端正な顔は
個性の平均化と罵倒されて
大いなる
リストラを保証される

初夏のよく晴れた日に
フニクリフニクラと
ゆらゆ ....
 雨に濡れて光る電車の中の床が
 消えそうになるほど
 綺麗に見えた/
 弾丸
 車窓を撃ち破って
 黒塗りの天使の額を
 貫通する


 後頭部くだけた
 液体の ....
左川ちか作品のアーカイブです!
全詩集が手に入らなくて泣いてた人は、読みに行きましょう。
そうでなくても行きましょう。

http://soredemo.org/archives_sagawa ....
毎朝、夜からの氷の瞳を持った三人の娘たちの夢を紫色
に染めてゆく、背の低い北風の話し声。彼女らの膚から
絹を解いてゆく、そんな静かな叫びを愛しているほどに
フラスコから床に零れ出した、夕暮れ ....
とにかく 走る 走る この大きな大通りを 前へ 前へ たまに通りすがりの人の顔を しっかりと確認しながら その人が今どんなスキがあるか想像しながら とにかく 走る 誰もこちらを見ようとしていない 誰も .... 散乱が止まらない新宿で
途切れない音量につぶった目の裏の
堆積を泳がせるかなしげな夜に
それは冷えきった街灯の指先だった
視覚のぽつりとした後
肌触りがしびれて遠くをめぐり
ぼくは静かで硬 ....
瞬く間に
ホームは行く
狼は走る
涎と舌を垂らし
加速する列車を追いかける
黄金色の眼光
離れ小島の青船
点々と帆を広げる
君が去ってゆくのか
僕が去ってゆくのか
フラット ....
8つのおとうとは
私が夕飯時になっても
食卓に来ないので怒っている

8つのおとうとは
私を呼んでも返事もしないと
私の部屋のドアを蹴り
「何か悲しい物でも、隠しているのか」
と問 ....
母国語を持たない人々の
差し出す別のコトバが
手渡されたそのとき
息吹の記憶をよみがえして
ひとときある音色をなす。
ピアノの上に跨って横から弾いてごらん
そう横から縦にショパンのエチュードを弾くの
指の動き早い早い早い
ねえどうやって弾いてるのねえちょっと見せて見せて
すごいよまるで曲芸だね
ねえわたしも ....
一橋から電通に入った友人に夢を託し
自身のコンプレックスを否定しようとした僕は
次の朝E75を南へと下った

音楽は韻のみの構成だった
言葉がききとれなかった
ヘネシーとケネディーは例外だ ....
上上下右上BCBA下上上上下AB
右右右右A右右AABB右B下上B
下下下上上下右左下左上右上下左
左右下上上下右左A左A上下BBBC下上B
BBB下BBBBBBBBBBB上BBBBBBBBB ....
サカナになってみたいけど
なれません

トリも むりです

ネコには なるひつよう
ないかもしれません

イヌになるのは
かなり いや

サルには
ときどき なってます
ほら起きなさい、と
布団をめくったら
息子が石になっていた
くしゃくしゃパジャマの真ん中で

小さな石だ柔らかい色の
まだ磨かれも割れてもいない
服着せようにもサイズが合わない
 ....
飯を炊く

明日生きていたら
チャーハンを作れるように


米を研ぐ

多分
その間は
米を研ぐことしか
考えていない


白くにごった水を
捨てる
白くにごった水 ....
黒川排除 (oldsoup)さんのおすすめリスト(76)
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