{引用=スパゲティー讃仰フェスティバル参加謹呈}
 1

長いスパゲティーを食べた
まっすぐ、まっつぐ、どこまでも
スパゲティーというより、
スパゲティ―――――――――――――――――― ....
いろいろなことがあって、一度死んだような気持ちになったりしていたのだけれど、ようやく墜落するような気持ちの落ちも一段落ついてきた昨今。ずいぶんいろんな意味で空っぽになってしまった。空っぽには、何か詰め .... 見上げた曇天(そら)から
幾つもの雫が舞い落ちる
ぽつり ぽつり 雨音が地を黒く染めるように
僕もあなたを想う涙で濡れている

雨は汚れた町を洗い流し
明けた空は希望を運んでくるという
 ....
鯨は賢いから
殺してはいけないのだと
海の向こうでは騒ぎが続いている

賢くないわたしは
きっと殺されてしまうから
その前に沈んでしまおう
深く、深く
肺が潰れてしまうところまで
 ....
いつの間にか
背中の子どもは静かな寝息をたてていた
スーパーのレジ袋を下におろし
あたしは 一体どのくらいそうしていただろう

電柱には 黒い紙に 金色のマジックで
『キリストは必ず来る』 ....
LUCi
cicada
なつのせみたち
なんでそんなないてんだ
おれはかなしくもなんともない
セミはさ、
あれ、
したくてないてんでしょ
でさ、
あいつの声さ、ちょっとイイよね
と ....
背中が痛いよ
見上げればお月様
おなかが重いよ
だから
筋肉を伸ばしたり縮めたりするよ
今夜も
夜を着て

招けば水が湧きいずる
鏡に立木や鷲をうつしながら
わず ....
中学二年生のころ、
友達が、
雑誌の広告に載っていた、
身長がぐんぐん伸びる秘宝を、
1万円で、買った。
ドキドキしながら、待っていた。
虎の巻には、
毎朝、ジャンプしよう。
と書いて ....
あの人から知らせが届いた。
何度か二人で逢った事もある人。

「入籍したの。名字、変わっちゃった。」

バカヤロウ、世の中のバカヤロウ。

世の中は悪くないんだけども、そうつぶやいた。
かわいそうね
かわいそうね
きみはもういないのね
ぼくは天才だから

かわいそうね
かわいそうね
きみをみているとかなしくなる
ぼくは天才だから

高い山にのぼってね
そこか ....
前の街で
俺は淫売宿のいかがわしい玄関口で
夕立に打たれて濡れながら歪んだ
恐ろしいほどの雷は
地上の何物かを鷲掴みにしようと
空から腕を突っ込むが
本当に一握りの無辜の生命を食い物にした ....
ゲリラか。
なるほど。
奇襲で敵を混乱させる戦闘員。
なるほど。

首相夫妻は
何を言っているのか
自分たちでわかっているのか

首相にとって
敵とは誰か
味方とは誰か

こ ....
ペッシャンコの蝉が
歩道に転がっていた夏の朝
甘臭い生ゴミの袋の横に
カラリと乾いた屍一つ

カラッポの中身で七日間
うるさく喚いた命の遺したモノ
おい おまえそんな空しい姿になるため
 ....
‥ばかやろう‥ と言ったままの或る日
そのひとは入院して帰らぬヒトになってしまった 。
胸のなかに打ち込まれたまま
杭はいつまでも剥かれた棘のように
静脈を突き刺してくるその痛み  ....
大塚のベーカーズは静寂に満ちている。
パン屋とイートインコーナーが隣接するその店は、むかしロッテリアだった。

幼かった私は、子供のいない都会のファーストフード店で心ぼそかった。
ホームレスが ....
カミナリは奇跡だ

カミナリの数だけ奇跡があるんだ

さっきまでの天気がうそみたいになる

カミナリは奇跡だ

カミナリの数だけ奇跡があるんだ
恋すると 自分に言い訳が多くなる
恋すると 今日が終わってほしくなくなる
恋すると 明日が待ちどおしくなる
恋すると 涙がでる
恋すると 恋って字にどきっとする
恋すると

こ と い  ....
コツコツ堅い青空の上に
力こぶのように積み重なる入道雲
場違いな黒雲が二つ
空の低い位置を漂流する
小さくスキップして踊るピアノの音
きれいに言葉を剥がす車たち
音声もミュートされる歩行者 ....
神宮の花火大会へ行った。
どうして、
人ごみに吐き気ももよおすくせに、
そんなところに、行ったのかというと、
彼女に、浴衣を着せたかったから。
ちょっと黄味がかった、
トンボもふわりと浮か ....
たったいま
この詩をよんでいる
あなたがきらいです

わたしに言われて
どきっとした
あなた
名前はなんと
およびすればいいでしょうか
あなたの名前は
あなた
ではないはずなの ....
せっかくここまで来たのだからと
あなたは言う

あなたの言う
ここ がどこなのか知りたかったから
自分の姿を鏡に映してみた

ああ 知らないうちに
こんな姿になっていた

決して頂 ....

あぢ
なんか、快晴ではない
曇っていて
空気がじめっていて
あぢ
あぢい

君と別れるとさ
俺はもう
切なくて
切なくて

なんか、夏祭りらしいんだけども
俺、見学も参 ....
病み上がりのうえでの整列。
余所余所しい偶然のまえで
滑車の滑りを
いつも以上に強くしてやった。

足元をかすめた後は、後尾へ向かうだけ。

その行為の言い訳は
既に滑車の下敷きとなっ ....
夜風にあたって
許されたような気持になる

なんにも変わっていない
なんて言わないで

夜は更けて
時は流れて

始まりも
終わりもつながっているのなら
終止符みたいな星の点
 ....
悩んだときは
ブラッドオレンジに染まる
マンションの給水塔の上に立ち

三百六十度 この街の大パノラマを この眼で捉え
瞳を閉じて シャッター音を鳴らす

沢山のネガが出たら 
その上 ....
  夏のむこう、
  あの入道雲のあたりに



  ひとつくらい、
  ふたつくらい、
  みっつくらい、
  言いそびれてしまったことが
  あの入道雲のあたりに

 ....
ぼくらのいのちのかたまりが

こころとなって かたちとなって

やってくる

あしたにはちがうかたち

になっているかもしれないし

そのままのかたちをしているかもしれな ....
何かの工場でも移転したのか
住宅街の真ん中にあられた大きな空き地
その空き地を取り囲むようにはためく斎場反対の白抜き文字

いつまで運動は繰りひろげられていくのだろう

はちまちをした町会 ....
声からして叫ぶよ
君が好きだと
かいま見た愛の秘密
君の存在に託して鍵をかけた

待っているから僕のドアに気付いて
君の瞳に映る空を雲が通り過ぎる

風の旋律が緩やかに流れはじめる

硝子細工の脆いバランスでバレリーナのようにポーズをとって
鳳仙花がはじけるように笑う

そんな君を飽きずに眺めている僕 ....
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