淡いピンクの花びらを
淡い期待を込めてちぎる
届くかしら?
届かないかしら?
春の石段に散る桜の様に
踏まれて汚れて粉塵と化すか
最上の運命をたどっても
曲水を流れる花びらの様に ....
すみれの花時計で十四時から二十三時までの十七分間を
世界で一番きれいだとうわごとくり返しながら
豚のように運ばれてゆく
荷馬車を降りれば
なまぬるく甘い夏に抱かれるのだ
息を詰まらせ汗ば ....
騒がしさの中に、静けさがある。見える声と、見えない声がまじる。
出かける人たちや帰ってくる人たち。生きてる人たちが遠くへ行き、死んだ人たちが遠くから帰ってくる。
生きてる人と死んだ人が、見えないど ....
42℃の
アスファルト
を
ながめながら
冷えた部屋で
毛布
に
くるまり
92℃の
コーヒーを
飲む
そんな
かんじで
幸福が
だんだん
遠ざかっていく
....
夏の底では
夜が冷える
縫い合わせた理性では
この泥濘は超えられぬ
凍ったラムを
コーラで溶かす
溶けきる前に
罵倒しに来て
凸凹のこころは
少しずれた
凸凹を探し
おたがいの
凸凹を埋めたいの
かもしれない
そうじゃなければ
この胸の
ざわざわは
何?
恋でもない
愛しさでもない
同情で ....
百合のつぼみが白く垂れている
セミが電気設備のような音をたてている
葉が揺れている
オレンジと黒の蝶が羽根をやすめている
影が揺れている
緑がひかりで黄ばんでいる
....
倦怠感と働くことを考えて薬を止めてみたけれど
辛くなって。
だから
今日はちゃんと
薬を飲んで
眠ろうと思います。
闇に想えば
どうか
あなたを愛す
夢を見れますように。
わたしは
だれ
だったかな
忘れたくないのに
薄れていく
赤々としていたのに
薄くなり
桃色になり
白になり
無色になって
鋭い刃物に
怯えて
色も体温も
....
人は過ちを犯しながら
成長してゆく
偽りの仮面に
秘めた笑い声
自分の首を絞めて
快感を味わう。
自分の胸に短剣を
突き立ててみる。
戻れないあの時
夢の為に生きていた
あ ....
ふざけてばかり
まともな事を言わない。
人が嫌がることばかり
理性などない。
愛の汁を吸い
大きくなる。
命が軽い
人を不幸にする。
酒に酔い
それでもトカゲの様に
生きて ....
いのちにいろがあるとしたら
なにいろでしょうか
たいようみたいにあかいのかな
おそらみたいにあおいのかな
ゆきみたいにまっしろなのかな
もりみたいにみどりなのかな
いろいろないろを ....
予定を踏み込んだため
機構が前上がりになってしまった。
何かの感触で
一連の動作と出来事が、後退りとなる前に
どうにかして機構を前向きにしなくては。
そうだキャスターがいい
キャス ....
どんぶり一杯の葉
あなたはそれを
毎日食べているので
肌がうっすら
緑色に変わってくる
緑色のままで
接客も料理もする
時々、糸を吐き出す
雨の日には川辺に佇んで
君はいつも微笑んでいた
横顔に纏わりつく細い髪の先へ
指を伸ばせば大気は凝って
堅く透き通っていく指先
眸の奥へと逃げる想い
澄んだ硝子玉のよ ....
僕らは夢を掴むために本当に努力をしているのだろうか
「成功する鍵は時間だった!」「書くだけで夢が叶う手帳」「聞くだけでシアワセになれるCD付本」など
夢を叶えるためのノウハウが書かれた本が巷に ....
緑波立つ
一面田の面
太陽真上に
正午の沈黙
見時葉の月
一よう多様
大気の底で
焦土の地が沸く
あの夏の日々
われを失う
瀕死の乱心
あの夏の日々
割れる脳内 ....
平成23年8月6日
旧暦の七夕イベントでにぎわう鴨川
視界を遮る北辺の山々の
はるか上空まで入道雲が立った
3本ほど 並んで立った
昭和20年8月6日
「今日も暑いのぉ」 ....
君に
言いたいことがあったけれど
誰かが言ってしまったから
もう何もない
日が翳る
電車が騒ぐ
来なければよかった
高さとは
ピントが合わせにくいものだ
望遠レンズの先にある
高さの下に言葉を置いて
その先に括弧書きするように
灯台の思いを置く
大きなものが
身近に引き寄せられて
....
寝息が聞こえる
私は 未だ許せずにいる
朝、人々の鏡を見ていると
俺の額が割れそうになる
神様が化粧をしているのを見るのと
人々が神に虐殺されているのを見るのとどっちがいい?と
女神が俺の頬を撫でながら聞く
俺 ....
原爆投下59周年
奇しくも長崎原爆記念日の午後
福井の美浜原発では2次冷却水循環パイプが破裂し
高温蒸気の直撃を受けた4人の作業員は顔が真白で
体内の水分を瞬時で奪われ炭化よろしく硬直し ....
人工湖に仕立てられた
用水池から漏れだしている
名前だけは一人前の川がある
堤防にそよぎはあるものの
せせらぎはない
はぜのかげもない
それでも むかしのおらのよう ....
でんわのくにではきょうもみんながくらしています
くろまるじいさんに
....
挽き肉になって朝日にきらきら光るのは
猫の死骸か
それとも恋?
秋の日の朝風をきりながら自転車がゆく
それを見て
ときめいた!
挽き肉になって朝日にきらきら光るのは ....
しくしく
しくしく
彗星が泣きます
太陽からの風に吹かれ
白い髪をなびかせた姿に
人々は怯えました
小さな砂粒に過ぎないのに
何千倍もの姿に拡大され
魔女のように天を駆ける
....
奈々子さんが亡くなった。交通事故死らしい。
奈々子さんは、人懐っこく暖かい笑顔が印象的な清楚系の美人さんだった。
彼女は兄の友人で、私が最も好意を抱いていた女性であっただけに
彼女の死は ....
逃げ場をなくした熱気が
重く澱んでいる夜の底で
線香花火に火をつけると
涼やかな光の飛沫が
覚めやらぬ地面にほとばしる
しつこく素肌に絡みつく
湿り気を含んだ風の端に
弾き出され ....
虹が美しいのは
雨のあとだから
虹が美しいのは
光の さしこみ
すると
虹に向かう力は
その盾は
どちらさまの
しわざなの?
広島はいつも晴れ
八月六日 ....
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