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あの人が欲しいと猫に頼んでも黙殺される血の日曜日
空色のホースの中をのろのろと運ばれていく真っ赤な金魚が
人のいない午後は眠くて寂しくてひよこを埋葬するにはぴったり
淡々と折りつづけ ....
着るほどに寂しくなりぬ夜寒かな
風ぐるまくるりくるりと目を回すロールケーキに巻かれて眠り
千年のあいだ噛んでたガムあげる兄さま姉さまご賞味ください
瀬戸物の茶碗が砕けてばらばらになりつつ地下を大冒険する
警官にやさ ....
星月夜廊下は長くのびており
久方の中なる川の鵜飼舟いかに契りて闇を待つらむ 藤原定家
新古今和歌集・夏歌・254番
技巧が前に出すぎるきらいのある定家の作品において特に難解な歌。
「久方の」は空や光などにかかる枕詞 ....
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彼女が死んで数世紀。その影響は長く後世におよび、もはや彼女を知らない人は皆無といえる。しかし具体的に何をやったかは知られていない。忘れられた偉大なる事績を記念するために伝記を書きたいがどうか、と ....
郵便が届く
土間には闇が煮凝っている
突然降り始めた雨が
突然止む
いつでもそのようにして
決定がなされる
封をした血
もしくは黒い布
もしくは蛇の地図
砕けた枯葉
ば ....
りゅうぐうのつかいを飲んでしまった
寒天のようだったから つい
つるつると飲みこんでしまった
せっかく遠いところから来てくれたのに
まさか飲んでしまうとは と
母屋の人たちは驚いている
わ ....
板が立てかけられているところに
通りがかって横目で見ていると
いい板だよ と呼び止められて
いい板なら とその気になった
でも板なんか買って
どうするんだろう
黒い油が浮いた板なんか
壁 ....