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孤独な家である
夜になると
独り言のように明かりがぽつんと灯る
人の気配はするのだが
玄関がない ことりともしない
死んでいる ....
孫の走り寄ってくる靴音にも
萎縮する心がある
可愛い絵模様の靴の音なのだと言い聞かせてみても
すぐに戦中の行進へと
画面が切り替わってしまうのだ
あの時代の靴音は
平和の扉を無理や ....
夕方になると
家の中の丸いテーブルに
収穫した夕日がたくさん並べられた
トントンとまな板で
取立ての収穫を刻む音は軽快で
一日の話題は素朴だが
夕日色に包まると砂糖の香りがした
夕日 ....