すべてのおすすめ
奇妙な縁があって、X JAPANやミレーヌ・ファルメール、マリリン・マンソンらの音楽を聴きなおしてみています。そして思うのは、彼らの創作する作品というものは、今ではすでに過去の再構築だけを目指してい ....
額に、頬に、指先、肩に、下腹に、クリームをすり込みながら、世界が嘘になった時のことを考えている。もしくは一時本当だった世界のこと。いま飾ってあるのは、八重咲きの小さいオレンジ色のすかし百合、白に赤 ....
正直なところ、たしかに生活することは悪くない。湯を沸かし、布を洗い、床を磨き、花を飾る。娘の髪を梳き、夫の靴をそろえ、ときどき、外で花を売ることは。
どうしても今日死ななければいけないのに。とい ....
Birthday Cake
1.Clockwork 105s Orange
2. Birthday Cakeless
3. Smoking Gun
4.Heart of Gold
5. ....
先月末に、大学を卒業してから勤務してきた会社を退職しました。最後はグループ会社の経理をしていたのですが、丁度グループ子会社の再編が始まりバタバタしました。やっと落ち着いたところで退職できました。
....
世界は暑くなりすぎだね。っていうあなたの涼やかさ。シャツのなかに風を飼ってるみたいで良い。
そうだねってわたしは言うけど汗でべたべたになった手がすべってつかまってられない。わたしは季節をすべりお ....
まちに心をゆるすのって何日目くらいだろう。300日とか、500日とかそのくらいかな。冬の洗濯物のにぶい色って、(…)。休日は気がゆるむからたいてい体調がわるい。
むすめはソファで寝ている、なんか ....
私は中学を出て、友人の家を転々としながら生きていた。時たま家に帰ったけれど、親は何も言わない。マンションの台所のテーブルやそこらには、たっぷりの食事やおやつが大量に何日もそのまま置かれ、腐って匂いを ....
未来では僕の一生は黒歴史だ
墨汁で真っ黒に染めた問題用紙ぐらい黒い
でもその黒さが誰かに伝わればいいな 今のあなたや、未来のあなたに
僕に「生きていけ」って言ってくれたひとたちのように、あなたに ....
夏はなんだかすごくさびしかった。これまではそんなことはないのに。さびしくなるのは冬か秋か春と相場が決まっている。
いろんなものが取れかけているわたしは、また色々のことを思い出す。思い出したり、考 ....
中島恭二(島中充)
プロローグ
気が付くと四角い格子の箱に入れられ菫の花に囲まれた駅前広場にいた。衣服を脱ぎ、こげ茶のタイツをはき、海水パンツをはき、広げると蝙蝠のようになる ....
娘はまだわたしのようには言葉をもたない。けれど、言葉なしの接触はつねに限りなく真摯であって、そのことはわたしを何度も打ちのめす。そのときわたしは、わたしでしかなく、同時にわたしである必要はないのだ ....
昨晩の月は絵に描いたような朧月だった。
まるで大きなオブラートに包まれたように
柔らかで幻想をまとった月だった。
粉薬にオブラート。
昔、ありましたよね? 紙の箱に入ったうすい半透明の、 ....
退院の日は花冷えがした。うちにかえってきたら隣家の夫婦がやってきて、それから、いとしい宝籤は(宝籤は母と父が飼っている黒い犬だ)、尻尾を―先端だけがほんのわずかに白い尻尾―ちぎれそうに振って鳴いて ....
現代詩フォーラムという場所に限定していえば、ここに投稿されるいわゆるネット詩と呼ばれているものは膨大な数が毎日投稿されている。
タイムラインはよどみなく更新される。一日開かないだけで、ひとつの詩は一 ....
二月末には毎年わたしの誕生日がある。ことしは、実家にいるので、そして妹も帰ってくるというので(姉は仕事のため帰ってこられないのだという)、安心してホールケーキが買えるわねと母が笑った。
妊娠のためと ....
コンビニエンスストアで売っている、ひと口でたべられるゼリーは、ふたのビニールを開けるときにぜったいになかの汁がとびでてくるので、指がべとべとになってしまう。だから夫はそれを食べない。
夫のいない ....
泣きながら歩いた日はひもじくて、自分の体から精子の匂いがした。
似合わない色を着て、どうしてこんなところまで来てしまったんだろうって思っていた。
花は季節によっていろいろ違う。椿とかたんぽぽと ....
連休、休みを取って旅行へ行った。知らない街や知らない海べを歩いてきた。
夫と。
夫は、ほかの男のひとたち(あるいは男のこたち)とあらゆる点において異なっている。どこにいても、いつでも夫はわたし ....
水でした。
わたしは息をしました。
水の中でした。
水の中でわたしは息をしました。
実際の話です。
あるいは、
想像上のはなしです。
息でした。
はじめに見たものは、無数の ....
さくらも雪柳もなんだってああもこぼれるように咲くんだろう。
かたわらでぼとぼと落ちている椿の鮮やかに腐れるさま。
きょうも海が見えている。花曇り、ぼうやりとした稜線。
手を閉じたり開いたりし ....
季節はどのこもきまぐれだから、ちょっと近づいてはため息を落として見えなくなってしまう。噴水の見えるベンチへ腰かけて見れば、滑稽な銅像のうえをすべっていく水たちのなめらかなさまよ。ほんとうはわたしは ....
ニシヒガシの親子は木の根っこにつかまってぶるぶると震えていました。
寒い、寒いよるです。
ニシヒガシの親子の薄灰色の毛は、どおん、という大砲の音が、木の根をつたってくるたびにかすかに立ち上がります ....
偉大なもの。時間、鳴る体。体温,天気、あらゆる液体の性質。またいつの間にか伸びた髪の毛を黒く染めた。これはもしかしたらひとつの儀式のようなものかもしれない。酒好きの男に恋をしていた十八ヶ月のあいだ ....
安いワインに合うつまみばかりくわしい男のひとのことを好きだった。朝といっても良いくらいの深夜にいつもちがう場所でお酒を飲みながら、ぽつりとそういうことをつぶやくので一度など缶詰と大きなライターをコ ....
実家にはいま父と母が住んでいて、いまは、黒い子犬も住んでいる。
母が名付けた、「宝籤」という意味の名前を呼ぶと、尻尾と耳をすこしふって転げてくる。それも、この二週間でずい分としっかりした。
宝 ....
友人からのながい電話を受けていると、耳もとで言葉がばら、ばら、と雑音のように崩れていく。夜。夫は仕事のあとに飲み会があると連絡をくれた。冷めてしまったスープ、かたくなったパン。きのうやっと出してきた、 ....
1)たくてんが消えた夜
「さるソハ」 (ひんほうにんの家)
老爺: このくそ母あ、汎飯に猿ソハ足す奴かあるか。
老破: くそ死屍い、人並みに枷い手から聖托言いな。
中年嫁: お示威ちゃ ....
ちいさながじゅまるの鉢植えを夫が買ってくれた。土曜日、駅のよこにある小さな、閉店間ぎわの花屋で。つめたくて、青い、「2」という数字がかたどられた陶器に入っている。
植物の方が、動物よりもなじ ....
いつもMDのラフマニノフは家に帰ると鳴りっぱなしで乾いた道と渇いた人にちょっと疲れた心をなぐさめてくれるのだが。
現実派ではもともと無いのではあるが独りの家計はあらためて可処分所得の少なさをしっかり ....
もっぷさんの散文(批評随筆小説等)おすすめリスト
(44)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
ポピュラー・ミュージックは文学たり得るのか?
-
朧月夜
散文(批評 ...
4*
21-12-5
メモ
-
はるな
散文(批評 ...
6
21-11-17
メモ(正直なところ)
-
はるな
散文(批評 ...
14
20-9-21
Birthday_Cake
-
ツチヤタ ...
散文(批評 ...
2
20-3-15
退職の日に_/_旅立ちの日に(最終版再投稿済)
-
beebee
散文(批評 ...
9*
18-9-22
みてもいいしみなくてもいいのこと
-
はるな
散文(批評 ...
4
18-7-5
日に焼けた床、むすめのクロゼット、葉っぱをむしるのこと
-
はるな
散文(批評 ...
5
18-2-16
うみのほね
-
田中修子
散文(批評 ...
7*
16-12-26
黒歴史!
-
水宮うみ
散文(批評 ...
2*
16-11-18
ことしの夏は_のこと
-
はるな
散文(批評 ...
6
16-8-31
公務員に成れなかったコックローチ_
-
島中 充
散文(批評 ...
3*
15-10-9
娘のこと
-
はるな
散文(批評 ...
4
14-7-8
夜更けの紙相撲_五月の羽
-
そらの珊 ...
散文(批評 ...
13*
14-5-16
満足
-
はるな
散文(批評 ...
5
14-4-23
【HHM2参加作品】「旅立つということについて」小林青ヰ
-
そらの珊 ...
散文(批評 ...
8*
14-3-25
ホールケーキ、2/22のこと
-
はるな
散文(批評 ...
3
14-2-26
りんごのこと
-
はるな
散文(批評 ...
10
13-7-2
油と身体
-
はるな
散文(批評 ...
2
13-6-13
旅と旅行のこと
-
はるな
散文(批評 ...
2
13-5-6
4/24
-
はるな
散文(批評 ...
5
13-4-29
眼科のこと
-
はるな
散文(批評 ...
6
13-3-30
家のこと
-
はるな
散文(批評 ...
2
13-3-7
ニシヒガシと親子
-
はるな
散文(批評 ...
3
13-2-16
12/30
-
はるな
散文(批評 ...
3
12-12-30
日曜日の夜
-
はるな
散文(批評 ...
3
12-11-18
犬のこと
-
はるな
散文(批評 ...
5
12-11-16
カーペットのこと
-
はるな
散文(批評 ...
4
12-11-5
たくてんか消える
-
salco
散文(批評 ...
5*
12-11-4
がじゅまるのこと
-
はるな
散文(批評 ...
6
12-10-16
生活者のうた
-
梅昆布茶
散文(批評 ...
21*
12-10-6
1
2