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{引用=パラダイス通信}
カラカウア アヴェニュー
炎天の楽園を
ANAスカイツアーズ
藍染めのスカスカアッパッパー
バターン死の行進よろよろしく
孫の男子づれ
紅蓮日傘の婆さんが行く
 ....
夜は雨
どこからか雨
水を弾くタイヤの音
通りの向う
どこかで屋根を落ちる滴

私はここにいて
眠る人のことを思う
生き満たされぬ人を思う
又ここにいて
眠れぬ人のことを思う
燃 ....
 春の採点

平日
ちっとも忙しくない日
じっと座っていると
時が頭上を通り越して行く
一世紀ぐらいのストライドじゃないかと
それほど風圧を受ける
目の前の原で四歳の私が
一心不乱に ....
死ぬ時はひとり
病床で死に向け衰弱して行く
ひとり剥がされて行く
それは寂しいことだ
あらゆる愛着を諦めさせられ
消えて無くなるのを
是認させられるだけの日々
世界に別れを告げ
明日に ....
耳の穴に{ルビ鍍金=メッキ}をしたら
面白い音響効果が得られそうだ
例えば割礼ようの通過儀礼として
ある宇宙人には耳孔加工の文化がある

嗅覚細胞も、必ずしも鼻腔になくてよい筈だ
耳殻同様 ....
車庫へ還らぬバスは
停留所にも停まらない
ただ辻々で
わずかな客を乗せて行く
代金は要らない
誰もが代償を払っているから

今日は五人だけ乗っている
眼鏡を失くした男と
手紙を置いて ....
目を瞑っても嫌な事はそこに在る
目を瞑っても轟音からは逃れられぬように
耳を塞いでも恐ろしい事は起こっている
耳を塞いでも嗅覚は異臭をとらえるように
鼻をつまんでも根本事由はごまかせない
鼻 ....
落とせ落とせ
千年の井戸へ
滾々たる湧水の
骨を斬る清明に
落とせ落とせ
お前の孤独
それに語らすな
波紋に語らせよ
波紋を読ましめよ
訪ね来る甥姪ばかり伸び行きて輪転のごと新玉の侘び
年々に家は古びて絨毯も煤けまろうどはしゃぎごえ減る
黙然と高校サッカー観る兄の肩幅のみが去年と変わらず
嬉々と再た愚痴吐く姉の大病と幸を思えば腹 ....
こわがりさんに教えてあげよう
どんなに強く引っぱったって
うさぎの耳は取れたりしない
お星が空からこぼれぬように

ビニルのかばんにボートを入れて
雲母の国まで遊びに行こう
あんまり笑い ....
酒乱のゼブラは
いつも酩酊で店に来た
五十五歳
痩身で長身、顔は土気色
ギトギトの黒髪と銀ぶち眼鏡
三白眼が据わっている

「やらせなさい」
「無礼者、下がれ!」
初めて怒鳴られた時 ....
お前の墓はたれ建てる

わしも一度は参りたや

たれにも知られぬ偉人あり

その名も男ジョン次郎

ふるさと捨てて母捨てて

砂また砂の大航海

夢も希望も質草に

さすら ....
体重は二百キロを超え
母は
終日をベッドで寝暮らす
半身を起こすのは
朝昼晩の食事だけ

動こうと思えば動ける
膝を痛めて以来は這って行く
息を荒らげ汗を浮かべ
みしみしと座敷を圧し ....
青紫に霞む浅間山の遠望と
賑わう通りに開かれたテラスには
女がひとり食事している
背中でゆるやかにうねる髪に
藤色のつば広の日除け帽
白地に淡彩の花柄ワンピース
ひざ下の裾は四半円に垂れ
 ....
ドは横たわっている音
いつまでも重い音
太りじしのオダリスク

レは小さな女の子
たんぽぽ色で爪先歩き
笑ったね?無邪気なお目目

ミは若草のさざめき
さ緑の丘 駆け下りる若者
涼 ....
およそ百年前
大学二年の一人息子を交通事故で亡くした時
既に寡婦であった資産家の江古田夫人は
今度の悲嘆には到底耐えられないと思った
そこで息子のDNAを研究機関に預け
一年半後
スーパー ....
 春はGじゃん。卒業生の賞状筒携へてときめく去りぎは、風も温みて、
毛織物など{ルビ藍=いんぢご}の内にこそ重ぬれば綿の膝丈{ルビ袴=すかーと}ひらめきたる。

 夏はのーすり。日頃の腕立てすれ ....
悲しみは空っぽな鳥かごの中
小鳥は遠く離れて野原の地面の下
ひとりぼっちで目を閉じ埋まっている
柔らかな羽毛に包まれた小さな体は
土が含んだ夜露に濡れて

悲しみは流れ星の掠めた夜空にいつ ....
 根津は好きな場所だ。
 谷中、千駄木と併せて一括りに「谷根千」などと女性誌でもてはやされ
たが、谷中のように下町情緒よりも墓石の数が圧倒的なわけでもなく、森
鷗外が住んだ事でもわ ....
どんな棺も
青年の死には窮屈だ
母親の嘆きも
揺籃には大き過ぎる

白い菊も
その肌には不似合いだ
彼の愛したのは太陽や風
ロックンロールや女の脚

ああ、大きな坊や達
逞しい赤 ....
小春日和の土曜日
住み慣れぬ町を散策に出たアラジンは
ふと
今日は電車から見る一級河川に出てみようと
川辺の高層マンションに見当をつけ歩き出した
バス通りを渡り
古びた団地の中を突っ切り
 ....
渋谷で夕食にした
友人はペスカトーレのセットと生
私はアスパラガスとウニのトマトクリームを頼んだ
隣の若いカップルは今しも席を立つところ
突き当たりにはインド系のカップル
パキスタン人かも知 ....
 母さん

新しい父は死神ドア閉める
母さんが夜なべで証拠隠滅中

 父さん

超す前に見透かされるは父の高
父が曳く襤褸舟泥舟幽霊船

 両親

忍耐と諦念敷いた空巣箱
テ ....
{引用=祝婚歌2}

ラブを書く
2文字か4文字

ラブを飲む
ただの森永ラブ

ラブを食べる
痩せて肥える

ラブを着用に及ぶ
ブラの逆さま

ラブを歌う
他人が作った ....
Noniは1回笑った
Noniは2回笑った
いや、実は1回半だったのだ
0・5とは、淋しい内省なのだった
こうして人は気安い笑いの1つ毎にも
小さな頭蓋の中の
千数百グラムの己が脳みその
 ....
 室内楽

感銘という
陳腐な言葉で飾り立てられた
フリルとボウのブラウス姿の種馬が行く
題字ばかり大きい
ささやかな詩集を片手に
トム・ジョード役ばりの
理知的気品を醸し出す歩幅を以 ....
世界一のスナッチャーは
二三〇kgのバーベルを挙げた
もう眼球は飛び出す寸前で
ようやく視神経の束に支えられている感じ
体じゅうの筋肉は石より硬直して
針でも刺せば破裂しそうな感じ
ベルト ....
 夜の図書館

しじまに俯く図書館の内省では
神田川の源流もナイルであります
不心得者の高校生が夕方
不品行に忍び笑いを殺していた
地下の障害者用トイレも森閑と
そばかすだらけの司書の死 ....
ゆうべ
三時を過ぎた頃
辻々を葬列が通ったのを
お聞きになりましたか
気の早い病葉がかさかさと
先導僧の笏杖に道を払われ
仕舞い残しの風鈴がひと時
うるさく鳴らされたのを?

西洋で ....


兼好もパソコン閉づる月夜かな
チャリ停めて私も月とパソドブレ
休閑地パンパスグラス 南米かっ



まろまろと夢見る女ほどの月
夜の深さすいっちょ優しく刻みいる
こおろぎの ....
subaru★さんのsalcoさんおすすめリスト(78)
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