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歩みの内に散る色が
音を音に書きとめる
文字と文字と文字の間に
瞼と瞳を忘れながら


夜の窓の
二重の背
霧は霧を咬む
陰を 淡くする


午後とこが ....
はだか しずく
つたう指
描くことなく切り
なぞる指


動くもののない
冬の対岸
砂に埋もれた
こがねの音


自身の影をついばむ鳥
暮れから暮れへ曳か ....
無いものが
楽譜の床を舞っている
壁のなかに踊るもの
羽に逃れ 曇を巡る


夜の山のむこうから
横顔が昇りくる
黄色に巨きく
振り向きながら 巨きく


泡の ....
つまさき立ちの分だけ
人形は高く 人形は遠く
川の行方 径の行方
銀に銀に 昇るものたち


窓が入った袋のなかから
血まみれの手でひとつを選んだ
曇の多い午後
未だ ....
望まれてあなたの髪に入る冬



待つことも降ることもなし神帰月



呼べば降る呼ばずとも降る鬼火かな



骨の冬気付かず歩み骨となる



 ....
左目はいつのまにか
左目になった
今も
怪訝な顔をしている


花を折っても
花のまま笑む
悲しくて
誰も見なくなった


海が窓を切り
壁にしたたる
冬の ....
わたしは写実をつなぐ
紙に沈む点を見捨てる
森のむこうの森
水たまりにくちづける


紙を裂いたかたちたち
紙を裂いたかたちにつづく
涙を抄い抄われる手が
別のし ....
冬のあぶく冬の蒼
橋を洗い水を洗い
よどむ流れの背をつまみ
波を姿に押しもどす


膝の上
水の爪
氷そそぐ水
灯の下の無音


そこに封じようとするこころみ
そ ....
細くやわらかな毛氈が
鳥の道に触れてゆく
夜の上の朝
光にじむ日


猫の幻が五つ
壁の幻を視ている
街が眠るまで
会話はつづく


冬が招く冬の道を
影に刺 ....
鏡の裏に灯る鏡の
違わずに違うゆらめきたち
午後を夜にわたす道
満ちた花を踏みしめる道


窓のむこう
緑の雨
誰のためでもない
三重の檻


冬につらなり
 ....
灰と水と 光と音が
道の行方を消してゆく
午後のむこうには何もない
午後のむこうには何もない


蜘蛛の巣をたばねた
冬の雨の日
むらさきと黒の目の
水たまりを見 ....
灯から生まれる水が
夜の路を照らす
壊れるほどまぶしく
消し去るほどまぶしく


同じ速さで遠去かり
同じ間隔に並ぶ柱に
隠れては隠れては現われる
互いを互いに映し出 ....
ひとつの文字が
道のかたちに並び
燃えている
坂はゆるやかに
岩へのぼる


路地と声
石と石をつなぐ黒
火と空を映し
水は水の上を
歩みはじめる


 ....
黒い森の自画像
照らせない色を重ね
声を描いた
ひとつ上から落ちる真昼に


金と緑の暗がり
雨のなか とりあう手
星のありか 点と点を
十四までつないで

 ....
海のなか
鉄の手は結びあい
夜を吹く森のそば
街に灯は無く
山は燃え



褪せた冬をゆく瞳
橋から橋へ雨は渡る
枝が照らす道を
海へ海へ下りる


嵐が野 ....
手のひらや帽子に降りそそぐ
願われることのない星の色
杯ひとつに痛む片腕
夜を渡し 夜をこぼす


蛾と蝶のはざまの飾り
またたいてまたたいて夜となり
さらにまたたき
 ....
絵の具のにおい
月に触れる指
何処へもいかない


うたの行方は
異なる星
燃えおちる 燃えおちる


ひとりの内に ひとりは増し
さらにひとり
さらに緑
 ....
桃のにおいの手が
空を混ぜて
はじまる


闇のなかを見つめ返す
まぶたの奥の水があり
ひとつの葉に隠されている


海岸と夜
手のありか
通り雨


 ....
静かに明るい
夜の午後の朝
ひとつの曇から
すべてはすべてにはじまってゆく


花の窓に映る午後
通りには
黒い服の人々が立ち
じっと空を染めている


路地へ ....
無視される自由詩やめて短歌かな



だらだらと安心できる短歌かな



右目みて左目を見ず短歌かな



長すぎてどこが「短」だか短歌かな



 ....
樹と水と夜
波の下の島
森のはざまの道
しじま 明るく


緑の行く末
曇は曇を視る
すぎる狼煙
高く細い声


丸い角が沈み
翳りのなか浮かび
遠い縦 ....
subaru★さんの木立 悟さんおすすめリスト(21)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
降り来る言葉_LXIII- 木立 悟自由詩413-2-7
水へ_夜へ- 木立 悟自由詩413-1-30
冬と熱- 木立 悟自由詩513-1-25
夜と白_Ⅵ- 木立 悟自由詩312-12-16
冬とまばたき- 木立 悟俳句512-11-16
ノート(冬とけだもの)- 木立 悟自由詩512-8-23
ノート(羽音)- 木立 悟自由詩912-8-10
夜めぐる夜__Ⅳ- 木立 悟自由詩612-7-9
愚者の庭- 木立 悟自由詩6+12-3-25
黒い道- 木立 悟自由詩812-2-27
煌徨- 木立 悟自由詩712-1-19
戒厳令の冬- 木立 悟自由詩711-12-25
ふるえ_水彩- 木立 悟自由詩311-11-4
夜に離す- 木立 悟自由詩311-10-22
黙礼- 木立 悟自由詩311-10-18
夜と振子- 木立 悟自由詩511-10-10
いない_かたち_Ⅲ- 木立 悟自由詩411-7-28
いない_かたち_Ⅱ- 木立 悟自由詩811-7-21
ひとつ_うつろい_Ⅵ- 木立 悟自由詩511-6-13
たんたん- 木立 悟川柳211-6-10
ひとつ_うつろい_Ⅴ- 木立 悟自由詩611-6-2

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