すべてのおすすめ
いま
おもったことを
もう
おもいだしている
はつこいしたとき
それはすでに
おもいでなのだ
きょうがおわれば
あすがはじまる
いや
そのすきまにこそ
....
雪が降るとき
音はするのだろうか
恋心が生まれるとき
人は耳を澄ますのだろうか
ついに実らないとき
空は 自分の深さに泣くのだろうか
女神さま、女神さま、
梅やら桜、れんぎょう、ゆきやなぎ
春のうちのまだ早いあたりと
もうそれほどは早くないあたりとの
まんなかあたり
咲き乱れるところの女神さま、女神さま、
ぼくは大きくな ....
採石場に行った
一面が雪に覆われて、水星みたいだった
使われなくなったプレハブの鍵を
壊そうとして指を切った
「絆創膏ならあるよ」と自分で言った
雪はまだ降っていて
すり鉢の底から ....
明け方、10人目の被害者が見付かった。
大雪で逃げ場のないホテルで、人々は各々の恐怖と
寒さに震えながら戦っていた。
10人目の被害者の名前は、坂上圭子。
ホテルにスキー合宿で来ていた女子大生 ....
子供達のいない公園は
時折り古代遺跡になる
すべり台は物見の塔
ブランコは祭り道具
砂場は野菜の洗い所
一つ一つが遥か彼方に
置いてきた記憶の欠片
回転遊具の中に入って
見上げ ....
愛ってやつは
○だったり□だったり、ときに△だったり
そんなもんだろ、なぁ
かなしい
そういったきり
うごかないきみ
ネジがきれたのだと
せんせいがいっていた
透明な絵本を
じっと見ている子供がいて
クレヨンを持って
かがやいた笑顔をみせる
(これは何色なの?
としきりに尋ねてくるので
答えに困って
好きな色で塗ってごらんと
うなず ....
紅く実った柘榴の実 ひとつ私にくださいな
秋が過ぎればもう一度 あなたの元へ帰れるように
出逢いも別れも温もりも 泡沫の夢であるのなら
秋が過ぎればもう一度 あなたの元へ帰れるように
監獄の廊下を
誰かが
嗚咽ともとれる息をしながら走る
何度も何度も
部屋となにかを
往復している
私は
まだ暖かい
冬の布団のなかで
ゆっくりと
何事かと考える
あなたとわたしが
ぶらぶらと
大都会コンクリートジャングルのなか
横断歩道を歩いていました
どこかへ急ぐ人並みに
飲み込まれそうになりながら
とぼとぼ歩くおばあさんに会いました
赤青黄色 ....
告白は私から。
惚れたのも私から。
初誕生日プレゼントも私から。
日にちの問題という発言は受け付けません。
一緒に歩くときのカロリー消費量も私が上。
俺の速度に合わせて歩けという態度 ....
ピキは犬ではないのかもしれない
犬だと思ってドッグフードまであげていたのに
買ってきた犬図鑑に載っているどの犬とも
その形状は一致しない
図鑑の犬はすべて四本足なのに
ピキは六本 ....
{ルビ陸=おか}にあがった魚たちは
使い古した鱗を脱ぎ捨てて
真新しい衣を羽織る
天から
愛情を受け取るための掌と
友に逢う為の足を授かる
ぎこちない足取りと覚束な ....
ぼくはぼくのことをかくとウソっぽくなるから
きみのことをかこうとおもうんだけど
きみはかんぺきすぎてやっぱりウソっぽくなるきがする
けっきょくどこのだれでもないひとのはなしがいい
....
「包丁」を振り回して僕の秘密を賽の目切りにしないでおくれ。
「まな板」に乗った僕は三枚以上に開けないよ。
いくら夫婦でも心の「模様替え」は必要なんだ。
だから,少しの過ちは「掃除機」 ....
一日に
二度の食事
少しの甘いもの
四十分ほど湯舟に浸かり
一本のチューハイか
グラスに二杯の安ワイン
十本の指を磨いて
文章を書いて眠る
一週間に
二度か三度性交し
新し ....
110305
よろしくお願いいたします
それではこれで失礼いたします
あたまをぺこりと下げ
先輩の部屋をあとにする
訪問するときは
緊張でなに ....
放課後のチャイムは出陣の合図,
仲良いクラスメートと共に名馬で駆ける。
いつもの公園に集まったら,
砂場は歴史の分かれ目,セキガハラ。
裏の木が捨てた枝も,僕しか使えない名だたる名刀,
面目 ....
産まれてからこれまで出会ってきた人の数と
同じように 別れてきた人の数が
いつか 等号で結ばれる
その時は誰にとっても等しく訪れる
(始まりの日が等しく訪れてくれたように)
私たちの ....
もしかして
CO2の削減が遅れているのって
僕らのため息が多いからじゃないか
人口もべらぼうに増えているわけだし
昨日
3円でレジ袋をお願いしました
クーラーの ....
うばえるものなら
おびえてみろよ
4回目の、本指名の女の子。
今日は東京マラソンなので、
近くの駅からタクシーで来たら、道に迷って、
遅くなったらしい。
いったい、ぼくらの、
生きている、息苦しさは、
どこから、生 ....
あの花のように
ただ雨に打たれる事が
あの花のように
静かに忍び耐える事が
許し難いことのように
そこに一筋の
情けなさを思うから
今もなお
欠点を無我に隠す
思いの果てない ....
わたしはCちゃんにわるいと思った
でも下手くそなところがわたしの
いいところだと思った
上手いひとにのせられて
するするすーすーいけたら
しあわせだし
一生って
言えると思う
....
僕の中で何かが決壊するとともに
完全に終わった
真夜中は爆発して
ウルトラマリンの朝が始まる
その青さったらなくて
スコールのように
目にじゃばじゃば入ってくるんだもの
原色の獰猛な ....
雪の降りた朝に
わたしは吸い込む
冬の鳴き声を
しっかりと逃がさないように
両の耳で
抱きしめる
冬の呼気を
愛おしいから
二度と離れるのはいやだから
この手は放さない
はこにはいって
きみはやってきた
とおいそらから
はこをあけるまで
そのすがたは
きみにもわからない
さしだしにんは
くうらんだった
そこにわたしとつまの
なまえ ....
神様の爪先からこぼれた水が
南極の氷になってアイスコーヒーを冷やしている
ふつふつと白く昇る泡が
46億年の想念とブラックホールを残していく
果てのない黒い海
....
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