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木枯らし( 男の子の言い分 )
いつもの通学路
冷たい木枯らし ふたりの頬を打つ
僕の指先 ポケットで凍えてる
触れようとのばした 僕の掌を
君が冷たく払いのけたから
ポケ ....
ひとつ ひとつの
哀しみと
ひとつ ひとつの
喜びを
透明の結晶にして
華のように
星のように
この躯に降り注げ
言葉にならないコトバを
小さく折り畳んで
胸の ....
私は道についてよく考える
別にどうってこともないような
つまらないことをいろいろと……
フェリーニの「道」という映画を
レンタルビデオで観たことがある
ジェルソミーナという 頭は弱い ....
紅いやら
黄色いやら
騒いでるんじゃない
山の中に勝手に入ってきて
ジロジロみて
写真撮って
弁当食い散らかして
ゴミだけ残して帰る
観光客たち
俺は
おまえらに怒って
....
あたし ハイヒールの
似合う女になりたかった
白い開襟シャツのブラウスと
黒いタイトスカート
BLUE NOTE クール・ストラッティングの
レコードジャケットみたいな
美しい脚の女に憧れ ....
たとえば
人は誰かを捨てるとき
オブラートに包んで
口に入れる
ゆっくりと嘘が溶けていくように
胃の腑に落ちた
真実の味が
逆流して口の中に溢れだしたとき
その苦さに顔をゆがめ ....
眠い……
最近 眠くて仕方ない
どうしたことだ
やらなければならないことは
山ほどあるのに……
それでも 眠い
眠くて 眠くて 堪らない
朝方の二度寝でこんな夢をみた
....
虹の始まりが
何処なのか分からない
虹の終わりが
何処なのか分からない
出所もなく 湧きあがる
雨上がりのイリュージョン
七色の光のスペクトルを
キラキラと反射させて
....
夜ふけの町を
自転車で走っていると
住宅の庭から
金木犀がほんのりと漂ってくる
ああ 甘くてよい香り
若い頃 東京に住んでいた
渋谷 荻窪 吉祥寺が大好きだった
私は男と漫画を描い ....
我が家では去年の秋から
家電品が壊れるという【 連鎖 】が始まっている
最初に洗濯機が壊れた
スイッチを入れても作動しなくなった
もう7年は使っている
そろそろ寿命だったのかな
洗濯 ....
恥かしや 後で見つかる 誤字脱字
本になり 修正できず 涙の日
またやった 読みなおしても 見つからず
鳥取砂丘を見ると
頭の中でハミングしてしまう曲がある
{引用=月の沙漠をはるばると
旅のらくだが行きました}
異国の世界を唄った
この童謡が小さい時から好きだった
よく「月の砂漠 ....
恋人よ
その唇に
甘き吐息を重ねよう
永遠の時は
数えられないけれど
砂時計は刹那を刻む
明けない夜
ふたり魚になって
白い川を泳いでいく
愛染の
罪は深まりつつ
快 ....
最近ついてなくて……
電話口で友だちにぼやいていたら
私の運勢を
四柱推命と六星占術で調べてくれた
それによると
来年から運気が上昇するらしい
今までの努力が認められるというのだ
....
強烈な腐敗臭がする
淀んだ汚いドブの水に
長い間 私は浮かんでいた
そこから見える空は
暗雲に隠れて 鈍い光を放つ
偽者の太陽だった――
這い出そうとすれば
誰かが足を引っ張って ....
私に優しいあなたは
私じゃなくても優しい
それが悔しくて
唇を強く噛みしめる
ひとり占め出来ない男は
心を{ルビ蝕=むしばむ}む
胸が苦しいの
肌が紅く染まっていく
女の身 ....
あなたに感謝状を差し上げましょう
ありがとう!
宝石のような言葉で
私を輝かせてくれる
あなたは素敵なペテン師さん
ありがとう!
負けず嫌いな私は
いつも敵を作ってしまう ....
街頭の政治家ポスターに
黒いマジックで「うそつき」と
オデコに書いた者がいる
ほうほう なるほど……
いかにもポスターの男は
嘘つきそうな顔である
ニヤけた善人そうな笑顔が
まさにペ ....
雨の日の憂鬱の原因が
洗濯物が乾かないせいだと
今、気付いた
湿っけた洗濯物が
部屋中に吊るされて
うっとうしい
ベランダに干された洗濯物も
いつ乾くか分からず
さらに絶望的気分になる ....
汚れちまった悲しみに……
中也の悲しみは
なんだったんだろう?
彼は孤独人
人を欲っしながら
人を拒絶していた
誰にも理解されない
運命を受け入れた
その引き換えに
神から創 ....
誰にも触れられない場所に
花が咲いていた
切り立った崖の中腹
そこには
誰も登って来れない
誰も降りて行けない
そんな場所に独りぼっちで
花は気高く咲いていた
小鳥の囀りに ....
窓辺に置かれた
一輪ざしの切子硝子
複雑な光のプリズム
瞳の中の幾何学模様
ああ なんて楽園
だってわたしは
凡庸な人でしかない
透明の硝子は見る角度で
その色や輝きも違ってく ....
一緒に生まれてきたはずなのに
生きていた痕跡が何ひとつ残っていない
私と同じ遺伝子を持つ {ルビ方割れ=かたわ}
誰の脳裏にも浮かぶことのない
母が亡くなった 今は……
私だけが知っている ....
{画像=120412064801.jpg}
多くの季節を生きて
わたしは幾度も春を迎えてきた
そして 毎年
いろんな桜と出会っている
真新しい制服に身を包み
新たな出会いに心躍ら ....
{画像=120402105232.jpg}
いつの間にか
遠くまで来てしまったと
振り返ってみたら
――そこは知らない街だった
懐かしい駄菓子屋さんがあった
買ったばかりのお ....
僕らの脳は杏仁豆腐で出来ている 甘くて軟らかい
ねぇ 顔文字は象形文字の進化型なんだって知ってたか?
火を発見したのはネアンデルタール人? どうでもいいけど
なみなみ注がれたコップの水は運ぶより ....
{画像=120519182939.jpg}
こんな記事を新聞で読んだ
アフリカ・ギニアの森で
野生のチンパンジー11頭に
普通の餌「アブラヤシ」と
普段は手に入らない旨い餌「クーラ」 ....
{画像=120321141924.jpg}
「おはよう」
春風が挨拶をする
足元のプランターに
....
{画像=120307070503.jpg}
こちらの作品は「詩誌AVENUE」様に向けて創作した短詩です。
写真は写真素材 FREE PHOTO 1.0 emrank 様よりお借りしてます ....
母ちゃんと旅に出る
鞄に歯ブラシ、着替え、切符と
最後にわくわくを詰めて チャックを閉める
朝一番のバスに乗り込んだ
母ちゃんと座席に並んですわる
乗り物酔いの薬あるよ
切符は持ったか ....
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