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球い地球の表をめぐる水の一部が
立体の水槽に拉致された
左右にたなびく水草を移植し
静止した
とうめいな境界線まで
眼光のアフリカンランプアイが群れる
コントラストにまぶした ....
感覚は、何かがあることを教えてくれる。
それはその物が何であるのかは伝えないし、
その物にまつわる他のことを伝えてもくれない。
ただ何かがあることのみを知らせるのである。
(C.G.ユング ....
夜のドックから走り出す多機能な女
関節を裏側にまわしてステンレスのホイッパーを固定する
ふるえる卵黄と小麦粉がはねつく
すべりだしたパーツからコルク抜きが選択されると
シールドはしぶく
....
なにも映せない、一枚の歪んだ鏡の塔のようだ、鏡のむこうに空が抜けて、地面が抜ける、わたしと思う人(問い一)もさくりと抜けてしまうのに、わたしと思う人(問い二)の舌だけが粘り強く、鏡の縁を這う、たしかラ ....
南島の
国際通りでるつぼに会おう
安里から
牧志にかけての人だかり
沖縄三越の道向かいから 平和通りはかまぼこ型で
龍の捩れる ガマほどにあやしく
おいで おいでよ
ほの暗くゆるやか ....
やぶ【×藪】
草木や竹が生い茂っている所。
へび【蛇】
《「へみ」の音変化》有鱗目ヘビ亜目の爬虫類の総称。
やぶ-へび【×藪蛇】
《「藪をつついて蛇を出す」から》よけいなことをして、 ....
転がり
笑いにおよぐ手は
あなたの汀(みぎわ)に触れただろうか
いつしか愛は 大きく迂回する
あなたの的は
わたしたちの的であり
なのに欲しがるわたしの瞳はもろく
瑞々しい
....
指関節をなんど曲げても
言葉がどこにあるか
わからない
人類の要素のひとつ わたくしも
紙とペンで書いた言葉を 今は ....
朝ひとつ
文鳥を買う
老朽の小鳥店で囀るけたたましさに呆然として
毱のような歪んだ標(まと)を見上げた
アクリルを
内側を
痛めつけながら悲鳴(いのち)は
雛たちから剥 ....
だれのものか
だれもしらない
島の ちむは
たましいの遺産
戦世(いくさゆ)でも
混血でも
総決起でも
珊瑚あたまのガジュマルが
三線片手に汗かき鳴らして
愛しく ....
七千八〇〇万年前の先史時代の海で、プレシオサウルス(Plesiosaurus)は、赤子を産んで育てていたらしい、胎児の化石の写真でやっと記事になる、現代で
風に吹かれて なずんでいくから
....
好き?、きらい
(だからタイトルだけ/以下「ソレ」という)
いみもそうだし、鼻にかけたインテリ
考えた人もきらい
自然発祥させた風土ニッポンの言語体系もきらい
和訳なら誰だそんな勝手なことを ....
友へ
こころを寄せて
手紙をしたためています
わたしのうしろで書かれないものたちが
茶化して耳をくすぐります
フェルメールの筆は光の代用
ずっと見ていたかったのに
わたしは弁明しなけ ....
まんたもん
もう まんたもん やん ゆうたもん
みやてと まに もに たむいやな
よのやも やのまい ねをめたもん
たんなんね やんとんよ
( ねねねねね 笑 ねねねねね )
....
世界の食虫植物展
てのひらはそそと、ほたるのあかり
贓物をてらすと
くびれた腰の民族思想
わたしも生きものよ、
かずらを隠す種の保存が餌をうかがうふしだらな生足
挫いた関与が助けを求 ....
あ、義父さん
ハンカチを一枚お借りします
+ + +
初めて会うひとはわたしのすべてを見透かしたあとに
無学なバイトの若造が生活(いちにんまえ)を語るのかと息巻きながらも
そ ....
箍を外すとほうていがへいていしましたが霊気でぬれそぼりました
、箍を外すとらららん星団がシャチのあいだをながれていきまし
た、箍を外すとすでにありづかの収益構造ができあがっていま
した、箍を外す ....
むれる
あめの
おとが
ことばに
ちかく
、 、 、
おぼれ
なき
ぬれ
それはお ....
陶芸家の身(うつわ)はどうだい
いく筋も、寄せてはかえす指のとおりをつくってやった、朽ちるろくろのうえで、あたたかな心拍はいちどだけ濡れる、断層つづきの、ぬめる泥の顔で、柄でもないおかえり、兵馬 ....
高校生活のころ
湿気高い、と書く癖で
わたしの詩だと読みあてた人は
乾というキザなネームが合わなくておかしいと笑う
貴方には才能があります
がんばってください
一晩中ふるえてか ....
底ふかい
ながれる霧の
亡失のよあけに
サインのかげりがうかびあがると
ゑづは
狂いはじめ
つよくあしでまといの舌苔
怪訝と
したたりで
烏合を吐きだすつぶてに
そまる
....
岡ちゃんはフラれた昨日をネタにしてジョークジョークと高笑う
ねじり鉢巻キマってんのにモテねぇじゃんか
あらよっ もいっちょ
ソビエト連邦崩壊しても
コンベアの冷凍サーモン高々と積みあげ
平和 ....
微苦笑にはじまり
ひとりの陸橋では熱情も凍えた
たったひとつの決断に足元を掬われたまま
わたしの喉は脱落者たちの手であふれかえった
狂おしい
開放に訣別する自由を気取りはじめ ....
設えるより
解きほぐすようにして
わたしたちの地平は瓦解する
いたたまれない
この指先の感触
いまも憶いだせない
まっすぐな壁をつくり
(腕が通るほどの位置に)
すんだ窓 ....
「死刑」には
死刑たらしめる法と
死刑執行人
死刑場(およびその道具)
なにより死刑囚がいる
そのまえには判決
主体の認否を越えて客体の処断があり
主体は罪の罰が死刑となったことを
....
写真とは
干乾びた
製造工場の正門の
錆びたポストに居つく手紙の重さで
天を劈く煙突の
かたちを得たけむりが笑っているようなもの
めくれば
白い鍵穴もかすむ季節に
「どこにもいけない」 ....
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