すべてのおすすめ
し ま い 湯 に 黴 の 香 ほ の か 手 足 伸 ぶ
盂蘭盆会三句
仮 住 ま い 我 に は 詣 る 墓 も な く
夏 つ ば め 塔 婆 の 高 さ 測 る よ に
抱 ....
赤い糸切れて結んで春隣
鬼やらいリップクリーム貸したげる
早春や秘めた想いをチョコに載せ
まぶた閉じ2月の睫毛恋してる
菜の花忌司馬遼読んだことがない
春遠し十円ハ ....
頭痛
倦怠が成層圏から降ってきた
うっすらと頭痛呑み込むパスタかな
氷床の軋む音する頭痛かな
頭痛飛び地球を巡り海に墜つ
雨
生まれ ....
寒鴉ココロの隙に嘴を
笑えないギャグを飛ばして滝凍る
大寒に愛を深めて寒からず
冬深し電車が走る日の出前
狩人が狩人を狩る月曜日
たい焼きをナイフフォークで食うマナー
....
自由気侭に家事放棄
笑って誤魔化せ実能力
外弁天の内弁慶
明朗快活腹黒々
矛盾してこそ育つ自我
暴いて欲しくて隠してる
そもそも隠すほどの爪 ....
松納めお屠蘇気分がまだ抜けぬ
毒物を吐き出すように手鞠唄
重ね着もどうせ脱ぐんだストリップ
寒風を吸い込み君は離婚する
新海苔を水着代わりに写真集
職無くし有難味知る粥施 ....
愛不足 爪を噛んでるクリスマス
娑婆に出て10年ぶりの冬景色
かあさんを庇い刺されたサンタさん
落とし穴落ちて出られぬ冬の浜
凍空に生きる方向見失う
鴛鴦が互い ....
ただいま正月おかえり新年
抱負は毎年変わらず 無事
蟹を食べ始めるまでは賑やかでした
虱潰しに暇潰す
初笑いとの根競べ
初の雑煮に既に飽き
....
失われた星座暗謡家の歴史は
壊れた受話器垂れ下がる電話ボックス
あれはオリオンガラスの窓の植物園
残酷なる希望駅にて・キネトスコープ
女子だけが視聴覚室冬の雨
奇術の日スリーサイズを当てましょう
お弁当冷やしますかと雪女(コンビニ店員)
結界の外に出られず冬籠もり
クリスマス前から除夜の鐘をつく
....
お互いの娘の墓に柿落葉
リストラをされたと言えず日向ぼこ
君の咳止まらないのが心配で
未成年けんちん汁で乾杯を
鴨川に八百万羽の都鳥
セーターをほどいたもので首くくる
....
咳ひとつ腸捻転の賑はひかな
仏壇の裏にはまた仏壇がある
墓地の裏にあるキャバクラへ行く
イブの夜 ひとりで歩くラブホ街
エアコンの温度を下げる雪女
焼き芋屋装っているストーカー
寝酒して寝ゲロを吐いて寒い朝
殺し合い 雪合戦に見せかけた
駄洒落言い死にたく ....
冷静沈着というよりは枯木死灰だ
天衣無縫というよりは無知蒙昧だ
多面的というよりは気まぐれだ
ひたむきというよりは妄執だ
奇抜というよりは悪ノリだ
繊 ....
針くだく魚の血潮の銀河かな
手の甲で遠去ける度みどり湧き
さわりゆく棘のままただ融ける雪
夜を剥ぎ夜を接ぎ足す光かな
振り仮名が ....
天に飽き天かきむしる鱗雲
おまえには冬しか居らぬしるし刺す
鉄を裂き鉄かつぎあげ冬を打つ
とどめからとどめに至る永さかな
仮 ....
海螺廻(ばいまわ)し 今日は昨日の倍廻し
嫌な奴みんなポアする後の月
ご主人が檸檬の汁を注射する
艷女と Adagio散歩 体育の日 ※艷女=アデージョ
薄紅葉 社長 ....
廃バスの窓に無数の烏瓜
絶対不変の法則発動人死なず
神意の賜物石胎星座十二車種
第三帝国脆弱な夢ナイチンゲール
瓦礫に染まり記憶を忘れ紐育の薔薇
灰色都市世紀初頭に頭打
緩慢な死へとあなたの炎の ....
無数行列ファクシミリ白紙吐く四月
滔々と糖度計りの白亜紀子
林檎飛語次女長女化石化姉妹
跳ね車三女を斬首生まれながら老婆
カンカンと鐘打ち鳴らしゴルゴンの首
{引用=箱舟の乗り合い名簿の吾が名消し}
河童の鋏青い大学ノート横切る
カブトムシ うずくまり居る 雨もよう
2011.06.20
空晴れて町に溢れた人消える
コチドリが呼びに来るチチチこっちだよ
午前五時オオカナダモはまだつぼみ
新しく朝日に光る蜘蛛の糸
降交点目掛けて月が駆け下る
大気圏光学現象コンテスト
薄雲をものともせず ....
あんぱんの黒色革命に怯える夏
子午線で縄跳びをしている少女たち
電磁波を避けつつ齧るラムネ菓子
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