すべてのおすすめ
プリントを落とし
小さい彫刻刀を握る
傾いているのは体ではなくて心ではなくて時計の針
何もが引力を持ち始める
つま先の下でどよめいている川音
水が果てへと呼んでいるのかしら
流 ....
水槽の
底でひかっている石を
無断で拾いあげてみる
だれか、子どもの
たからものみたいなひかりかた
今朝見た
ふたつの夢の話をする
いつまでたっても終わらない
ゆるいカーブを描く用 ....
実際に星がまたたいていたのなんか
いつのことなんだかと
君がかたむけるアップルジュース
滴ってくのっぱらに
溶けていくスカート、水色
ライト、オールライト
そう ....
表情の中を魚が泳ぎ
わたしたちは
知らない名前まで
食べなければならなかった
表情の人は会釈をすると
良い色のうちわをくれた
その夏は
たくさん扇いだ
(2006.6.9)
まるで邪魔だというように
飴細工のこの脚を
らんぼうに折り曲げて
けがれのない白肌に
小さな毒ひとつ
残していった
あのかた
消そうとこすったその跡を
今になって
人差し指で ....
遺さずに
消えるものはない
指先で
痕をなぞると
血の滲む感触
知っている
拒んでいる
肌の震えは
接する場所を
浮き彫りにして
揺れる
境界
けれども
破れることなく
....
硝子の心が割れるのは
世界で一秒間に人が死ぬ数よりも
多くなくてはいけない
硝子の心が割れた時
大人が子供のふりをするように
幼く感傷的であってはいけない
汚れちまつた紙幣並びに硬 ....
ミッフィーはイラストのウサギです
ミッフィーはウサギで野ウサギではありません
ミッフィーはイラストの野ウサギでなくイラストのウサギです
ミッフィーのイラストは野ウサギでなくウサギでイラストです
....
もういやや。
もういやや。
もういやや。
もう・・・ 。
(ここで突然、私が
英語を喋り出したら面白いのにな。
何かに取り憑かれたみたいに
知るはずもな ....
どこまでも青い空を
久しぶり見た
アスファルト
国道のずっとずっと先の
向こう
遠いむかしの空が現れる
プールで
肌を焼くのが夏休みだった
甲羅干し
白い肌で黒髪のお姉さんは
....
ガランとした病院はすきだが
それに甘んじて
おしゃべりに花を咲かせている
若い受付さんは
いまどきのヘアメイクだから
すきじゃない
お医者さん
私はいま
....
{引用=
若さと馬鹿さが
衝突し
行き場のない
痛みだけが
残った
燃え尽きることは
できず
すべてを終わらせる
ことも許されず
アスファルトに
散乱した ....
砂浜になぜか
まるのまま打ち上げられたりんご
いつからあるのか
りんごはなかば透き通っている
食べたらひどくだめそうなのに
僕はそれを舌にのせる
のを逐一 想像する
おいしい ....
窓の外の風景には
たった一つ不満がある
それが
微妙に精神に作用していることを
気づかないふりしている
瓶入りの蜂蜜は
少し濁り始めていた
匙を入れて掬い出すと
想像以上に金よりも ....
人を殺すのは
言葉と沈黙と
ナタと細い針と
1パックのインシュリンや
わずかな水や
砂漠
山
何でもどこでも凶器
笑われていろ
泣いてやる
勘弁してやる
許されない
開き直 ....
さむいふゆの日
ちいさな水たまりにはった氷の
スケートリンク
滑りながら待っていた
幼稚園の教会オルガン教室
それは楽しそう
だって幼なじみさんにんで
オルガ ....
けれども
身じろぎもせず息をひそめて
眠ったふりをとおす
それがきみのためになればいいのだけど
夜が終わるのを待つあいだ
カーテンの裾からもれる淡いひかりに
痙攣するまぶたでこたえなが ....
なんで千切れてるのかな
バス停に蝉のからだがおちてる。
きっと、
もう何回も死んだのだとおもう
リーディングしているときは、
「どうかあなたに触れさせて」と手を伸ばしてる気持ちになる。
....
ことばの枯れた井戸を掘ってみる
夜空のように星星が輝いていた
ぼくは夢を見たのではない
ことばの星は無数にあるのだ
掘削機はいらない
....
なんだろうねえ
きっとねえ
たおれるねえ
わたしは
うたがっても
どこまでも群青は
消えなかった
ひにくって
躊躇もしないで
にんげんのその肌の
かんしょく
....
今回の台風で人が死にました
前回の台風でも人が死んだにもかかわらず今回の台風でも死にました
僕は事前のニュースで、前回の約4倍の規模の台風が来るというのを聞いた時点で
「今回も何人か死ぬだろうな ....
はやあしなあなたのあいする、
そのタオルよりも吸水性のある笑顔は
どこまでもわたしを泣かせて
追いつけなくなってしまうの
手をかざして
逆光、の、なかの君が、
昼休みのジェラシーをしず ....
振り向くと沖に知らない人ばかりになってこわい
貝の表面についてる回虫みたいな模様がこわい
高波が何でも持っていこうとするからこわい
クラゲが知らないうちに沢山わいてこわい
あが ....
リリイは寝そべって
太陽を見ていました
暑
い
夏
の
日
(でも平べったくないよ?) ....
おさないたましいが
いつまでも浮かんでいた とき
すべてが凪いでいた
まっさらな夏の日
あさい角度でそそがれる
いまにも壊れそうな
まひるのほしのひかりが
あたためすぎた布団から ....
においには
名前がないから
きみに伝えることは難しいねぇ
切なさにも
名前がないから
言葉にすることは大変だねぇ
すごく大切なものを忘れてしまって
忘れてしまった悲しさだけが残っ ....
苫小牧の少女が一篇の詩を書き上げる頃
渋谷の未成年たちは今日の居場所を探す
小さなハコで鮨詰めになって揺れながら
沖縄の夜の珊瑚礁を思う
糸井川の漁村の少年は
明日の朝の漁を邪魔 ....
困ったことが起きていました それを急いで箱に入れてしまいました
そうするより他なかったのかな、知恵もなかったし、
ふむ、、
で困ったら、むしょうになんかこうねじってみたくなり
ねじりま ....
昨晩 幽霊の子が部屋に来て
コンピュータの前に座り
しばらく居座っているウイルスと
何やら会話をしていた
書きとめようとしたが
いつのまにか眠ってしまった
目が覚めると
....
朝起きたら
田中だった
田中くんおはよう
よう田中
あ 田中君だ
田中の言うことなら間違いない
田中さんこれ受け取ってください
下駄箱で告白までされる
本当の事を云 ....
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