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亡びたもののあかるさが満ちる夏の庭
もう誰も時刻を読むことのない白い日時計
茂みに囲まれた小さな池

茂みをざわめかせていた風がやむと
あちこちの陰にひそんでいた気配たちが
(それが何の気 ....
灰青色のかなしみが
時計の針にまつわるので
空気が気怠さを増してゆく部屋で

六月の似合うそのひとを
あなた という二人称に委ねないために
窓外に滲むあじさいを
しずかにただ眺めていた
 ....
隠された寝台で
黒衣をまとい 彼女は眠る
やがてその眠りに霧が立ち籠め
その中で 鬱蒼とした森林と
銀と透明にきらめく都市とが
ゆっくりと近づき
そして静かにまじり合う

 ....
心臓がわりに林檎を胸に嵌め
黒い帽子をかぶって初冬の街を歩いてゆく
佐倉 潮さんの塔野夏子さんおすすめリスト(4)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏の庭にて- 塔野夏子自由詩14*23-8-7
あじさい- 塔野夏子自由詩12*23-7-5
最も深い夜に- 塔野夏子自由詩3*11-5-11
散歩オブジェ- 塔野夏子自由詩3*09-12-17

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