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反復する呼吸
少しの重さ
ありふれたことなのに
落下傘だ、と
二人して笑った

微熱の名残りに
わたしちが寝転んだのは
芝生の庭だったかな
覚えたての呪文のように
何度も
 ....
ある日、あなたの背中に
窓があるのを見つけた
開けてみると
普通に外の景色があった
眩しければ鳥になるといいよ
とあなたが言うので
わたしは鳥になって
空へと飛びたつしかなかった ....
わたしの部屋にいた蝶々が
飛べない蝶々が
ある日、自分でドアを開けて出て行った

かわりにあなたが入ってきて
二人で話をした
楽しい話をたくさんした

けれどそれはきっと夢で
 ....
亡びたもののあかるさが満ちる夏の庭
もう誰も時刻を読むことのない白い日時計
茂みに囲まれた小さな池

茂みをざわめかせていた風がやむと
あちこちの陰にひそんでいた気配たちが
(それが何の気 ....
雨が降っている
雨だと思う
すべてが細くなる
無い言葉
はずれた草花
消えていく庭は
町工場のところで
途切れてしまった
ノートの中にある
わたしの罫線
罫線に隠している
 ....
灰青色のかなしみが
時計の針にまつわるので
空気が気怠さを増してゆく部屋で

六月の似合うそのひとを
あなた という二人称に委ねないために
窓外に滲むあじさいを
しずかにただ眺めていた
 ....
 カメラを構え
 しんと静まる
 あの感じ

 シャッターが切れる直前の
 無限に近い感じ

 出来上がる
 誰にも見せられない
 風景にしてしまった
 取り返しのつかない
 圧 ....
(星との約束通りに秒針をへし折って、
文字盤から数字を攫った)

(曲線は人の奇跡だよ)


13番目の椅子の心地は
座った者にしか知らされない
私が歌うもの
消えてゆくもの
 ....
宮本輝の泥の河を閉じて雄太は病室をでて用をたしにいった。
点滴をしたまま廊下を歩く中山さんとすれ違って雄太は顔も向けずに頷くような挨拶をした。
雄太の胸にすっと冷たい風が差し込んだ。
雄太は用を ....
ぎっしりとデスクの並んだ職場で、社員たちは互いに協力しながらてんでに仕事をしていた。データを入力したり、書類を作成したり、文書を印刷したり、メールを確認したり、同僚と打ち合わせたり。私は職 .... もうじき。あなたより。十年、トシ上になる。おれのほうが、大先輩だぜ。あ。ずいぶん若くして。死んだのだな。ふるさとの、丘のうえの。砂の吹きだまりに、消えた父よ。肉体がないから、いつまでも。そばにいてくれ .... こどもの手をにぎって
「あたたかいね」と言う。
「つめたいね」と言われる。

わたしが「あたたかいな」と感じたら
あなたは「つめたいな」と感じている。

いつもそうやって温度差があり
 ....
わたしはかなしみに愛されているんだ
と確信した夜があった
抱きしめてください
とわたしは言った

かなしみはそっとわたしの許に降りてきて

降りてきて

隣に寄り添って理由をたずねて ....
ほかでもないあなたと
どうしようもなくなりたい
雨の日に雨だれを数えながら飢えていくのもいいし
乾いた日に蟻をつかまえて拷問するのもいい
湿った毛布のなかで賞味期限の切れたひき肉みたいに絡 ....
ふるえる

不安な夜だった

救いについて考えていた


あなたの幸福になりたかった

理不尽にはなりたくなかった


ふるえる

不安な夜だった

救いについて考えて ....
郵便受けに
ときどきは
うれしくないこともない便りが届いている
待っていたものではないけれど

一番欲しい手紙は
決して来ない
相手はもう
亡くなって随分と久しい

もしもらえたな ....
言葉はいつも
私の手を すり抜けていく
それは 一体 なぜだろう
間違った道を 歩いてきた
言葉を 選んでは
同じ失敗を繰り返した日々

だけど 愛は 決してそんなものではないだろう ....
無為に過ごしたければ
ホッチキスを何も閉じず
ただひたすら

カシャコン

鳴らせばいい

鳴らせば鳴らすほど
無為は過ぎていき
床には無残にも
何も閉じられずに果てた
ホッチ ....
今夜、どうしても、
佐野元春が見たい、
と引きこもりの友達が言った
何年も歯医者に行けないので、
ぐらぐらになった奥歯をかみしめて

中学生のころは、
ぶきっちょなぼくの代わりに、
 ....
雨の一粒ひとつぶは
空気を孕んでいて
引力にひきよせられて落ちるときに
真ん中に窪みができる

屋根から
下がる糸の鏡に
することもない子どものものおもいが
写しとられる

傘から ....
{引用=







とても固い結晶が
流水よりも早く融けるのを見た

蒸発したあの人の姿は
あの人以外の誰も知らない



釣竿を垂らして
静かな時間と彼方に見 ....
隠された寝台で
黒衣をまとい 彼女は眠る
やがてその眠りに霧が立ち籠め
その中で 鬱蒼とした森林と
銀と透明にきらめく都市とが
ゆっくりと近づき
そして静かにまじり合う

 ....
 野に咲いていた
 赤い花を
 むしんにむしっていた娘に
 わたしは言った

 かわいそう
 花さん、いたいいたい
 白い花さん、いたいいたい
 赤い花さんも、いたいいたい
 ....
春がその鋏をもって髪を切り落とすことで
年月はまるで少女でした

幼さ故に軽々しい
その唄声は温い雨
弾むような花の手を
この手で掴む術もなく

彼女は舞台袖から飛び出すと
馬を駆っ ....
魚たちは
丘に打ち上げられ
濁った空気を吸っている
けものも
けだものも
身を潜めて眠っている
鳥たちはどこか遠く
姿を見せない

灯りのない街を
明るい部屋で夢想する
シ ....
 
 
深夜、電話が鳴っている
誰もいない、何もない
とても遠いところで

そんな気がして目が覚める
電話はどこにも見つからない
安心して再び眠る

夢の中で電話が鳴る
受話器は ....
{引用=
誰かが朝を呼ぶたびに
ひっそりと佇む夜は震えて
おびえる仔猫の背骨は軋む
もう少しだけ闇を含んだ唇で
触れられていたら
いたんで汚れた指先も
傷付けることはなかっただろう

 ....

夫があまり鋭く見つめるから
わたしはしだいに削れてゆく
夫と婚姻関係を結んでからのわたしは
もう余程うすっぺらくなったらしい
強く手を握られると
きしゃり と指ごと潰れるから
か ....
 福田つねあり の つね の字が難しくて書けないから、ネットでもひらがなにすることにしてるんだけど、ここで、つね の字を見事に変換して見せると、知的気取りが発生して、他人に害を与えるので、あえてひらが ....  
 
真水で栞を作っています
本がすっかり乾いてしまったから
水に住む生き物や底に沈む石ころが
あれば良かったのですが
誰に許しを得れば良いのかわからないので
最初から無理な話でした
 ....
佐倉 潮さんの自由詩おすすめリスト(57)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
エーデルワイス- たもつ自由詩624-9-30
不在- たもつ自由詩17*24-3-23
とあるわたし- たもつ自由詩7*23-11-20
夏の庭にて- 塔野夏子自由詩14*23-8-7
落書き- たもつ自由詩15*23-8-3
あじさい- 塔野夏子自由詩12*23-7-5
カメラ#2- soft_machine自由詩5*23-6-28
EMIT- 衣 ミコ自由詩4*14-12-21
彷光- 吉岡ペペ ...自由詩414-8-19
- 葉leaf自由詩614-5-4
poetarot(法王のカード)保存版- みつべえ自由詩414-2-2
手の温度差- 凍湖(と ...自由詩16*13-10-17
わたしの部屋- もっぷ自由詩1212-10-10
- はるな自由詩1212-9-16
ふるえる- 吉岡ペペ ...自由詩4*12-3-28
立冬砂時計- 小池房枝自由詩411-11-14
間違った信念- 番田 自由詩411-11-6
空白ホッチキス- 灰泥軽茶自由詩211-10-24
佐野元春- はだいろ自由詩511-10-1
雨の溜め息- 殿岡秀秋自由詩711-8-15
空についての四つの短編- 石田 圭 ...自由詩2311-6-13
最も深い夜に- 塔野夏子自由詩3*11-5-11
つくりものめいた、花- 石川敬大自由詩15*11-4-26
春がその鋏をもって- 瑠王自由詩9*11-4-14
しなやかに朝を迎えたい- いとう自由詩2311-3-14
目覚め- たもつ自由詩511-3-5
旅路- 高梁サト ...自由詩7*11-1-20
dissimilation.- 吉田ぐん ...自由詩4911-1-6
クリュ_対_ムネストラ- a自由詩210-12-28
童話(栞)- たもつ自由詩410-12-21

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