立ち止まるひと
立ち止まらないひと

その違いってなんなんだろうね

わたしなんか立ち止まらないひとだと思ってたのに
こんなとこに5年間も立ち止まってしまっていて

指先器用でギターと ....
 
 
ははににたろうばが
えきのまえにすわってる
ちいさなリュックひとつで
このひとにも
かつてしあわせなひびがあったのだ
としったのは
わたしがこえをかけたからだ
それだけでわた ....
僕は家を建てた
母の、妹の、姉の骨を使い
寝る間も惜しんで
骨の尖と尖を
僅かに遺った肉と
精液を溶かしながら
丁寧に繋ぎ、白い家を建てた

これでもう寂しくないよね?
ずっと、ずっ ....
ひとは
寂しいふりと、狂ったふりが上手です
全員ではないけれど
大半は、そんな気がします


彼女は論文を書きます
自分が、自分に出した課題で
原稿用紙を何枚も埋めるこ ....
夜が暗いから 僕は首が伸びていく
伸びた首が 電線の周囲を回転していくので
僕を中心とした渦巻きが 昨日いた鳩の骸を齧りだす
愛しさが

つのるばかりに

気がふれて

萎えたる心

悔いる気もなし
あの星  揺れて  また  涙を  落とした

七夕が  過ぎて  願い事は  もう

燃えて  どこかへ流れてしまった

重ね重ね  うつらうつら

まぶたの裏で  小さな笹舟が
 ....
きちがいを
演じて笑うきみが好き
半ば無理矢理
唇奪う
寝床の中




遠く微かに


聞こえる犬の呼ぶ声





そこにも僕自身が

いるような
とくとくと心臓が鳴るポロシャツの色ごときみを思いだしている


頬杖をつくのをやめてどうせならぜんぶ教えてほしい道草


内側の傷つけ方が知りたくて今夜は床で寝ようと思う


 ....
きらきら目
死んだようでも
どっちでも
この世界に
在(い)るということ
秋の小憩

寒蝉が一声高く鳴きわたりどくだみ茶喫す秋始まる

秋となり夏の花々勢いを失いてゆく風の吹く昼

天高く白い雲間に光さし妻と二人の語らいをする
不必要な話はしない
ぼくたちにはもうあまり時間がない
飾りもときには必要だけれど
いまはそういうときじゃない

死んだ蝉が生き返ることはない
でも地面の下では
蝉の幼虫たちが生きていて
 ....
窓辺からずっと虫の音がしていた

部屋をくらくしてそれを聴いている

目を閉じているのか

目を暗やみに開いているのか

もうわからなくなるくらい

虫の音につつまれていた

 ....
布団の中から
天井を眺めている
眠ることも
立ち上がることもできない
この忌まいましい心身
そんな折り
よく人の言うように
木目の模様が人の顔になったりはしない
そもそも天井に ....
破裂する景色
真っ赤に真っ赤に
染まり
燃え墨カラス
夜の始まりを祝うように
鳴きあげ
横滑りに飛び通る
透明な風船を左手に
右手を誰かに引かれた少女
名残惜しく
振りかえり
夜 ....
暗がりを作る小さなものを
目をつむり見つめる
どんなかたちも妨げない
光の矜持がある


よびさます きざまれる
ふりまかれる こがねでもあり
みどりでもあ ....
 
 
母は毎日サンドイッチに
海をはさんで食べていました
そうすればいつか船に乗って
父が帰ってくると信じているのです

花言葉は覚えていても
花の名前は忘れてしまう
そんな母でし ....
冷たくなった朝が
空から落ちてくる

何か理解できないものが
パジャマを着て街路を走り続ける

軒下で洗濯物が干からびている
風景になることも出来ずに

右手で覚えている ....
1、
夜は
君をこわがらせないように
ゆっくりと夜になっていく

君は
君をこわがらせないように
ゆっくりと老いていく


2、
しろいくもに
しろいペンキがついている
 ....
僕は詩人の仕事を知っている
それは薄汚れた靴下の匂いを残したままそのままを裏返しに吐き直し
美術館でこの絵はどうも臭いと鷲のような鼻で素人にはその説明を拒み
賞味期限に剥がれた壁紙の図柄 ....
千切られた鎖



いつのまにか腐り

その先にあった契り








私の誇り



まるで軽い埃





白々と降り積も ....
配管図 時間軸のずれ
雨の日の秘密

フェティッシュの猫 凍える息
崩れ落ちる、その残骸

繰り返す痛み それは素粒子のように




きこえないふり 見ないふり

嗚呼なん ....
円形のものだけを集めるの
手当たり次第
だって終わりがないでしょ
新しいものだって
古いものだって
すべて円形
それで充分
そうして輪っかの上
いるだけで
何も必要ないでしょ

 ....


グレーを塗ると、きもちがいい
グレーを塗ると、きもちがいい


雨の降るふる
背伸びをやめる


禁断の実を食べたのでした

僕らはよく笑う高校生でした
僕らはよく悩む高校生でした

ああ、でも赤い実を食べたばっかりに
帆船の入った瓶のように
海は小さくおさまって
ポケットの中で眠 ....
 目には見えないが
 確かに巨人の朗読が聞こえる
 すぐ近くにいるときもあるし
 間遠いところから
 細々と聞こえるときもある
 詩や あるいは詩が

 巨人は聖書のゴリアテとは
 一 ....
鳴りものに そそがれる蜜
削がれる 鉢植えの暗闇

黒い雪崩に つかまる鳥の爪
横切る 銀色ワイヤー

透ける板 はずさないで
みたくないなら みないで
とめどなくながれるきせつに
おぼれてしまいそうになります

しずむこともできず
おなじようにもてあそばれるこいしに
うたれてはあざがふえていくのです

水面に浮かべた
ティッシュペ ....
世界は終わるのだ
と、高らかに宣言する少女の
耳元に 蝶の呼吸を
あてがう
溶ける息 ああ やわらかい
だれかがカーテンを開く
閉じきった窓の中には透明な壜と生殖器
暴力がにおう はてし ....
響さんのおすすめリスト(38)
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