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家族を失うことは
心の一部が切りとられるということ
腕の一本麻酔もなしに切り落とされたと思ってみれば
その痛みの激しさと
後々続く消失感が
少しは想像できるでしょう
だけど心は人の目に ....
やっとのことで仕事を終えて
疲れをしょってバスから降りて
暗い夜道
白い吐息
せかせかと
すると小学校横の歩道を
女が一人こちらへ歩いてくる
――この寒空に網タ ....
あるところに一人の男がいた
男は理想を見いだせない革命家であり
大義名分をもたないテロリストだった
彼にはため込んだ多くの武器があったし
破壊活動のためのノウハウもあった
それらが彼を一つの ....
たまりにたまったドロドロを
吐いたり書いたり出し続ければ
少しはすっきりするものです
だけどやっぱりドロドロは
またまた心にたまってふえて
苦しくなって苦しくなって
吐いて出さずにはいられ ....
いつものように仕事をしていた
アパートの郵便受けに貼られた
よくある 空室 の文字をなぜか
一瞬 そら室 と読んでしまうと
ドアの向こう せまい間取りの境界が
ぼんやりしてきて 真っ青な空 ....
傷だらけの携帯電話を見ながら
明日のことを思いめぐらす
不利な戦いになる
このまま今日が続くなら
偶然とは理由がわからないだけの必然
真夜中に白い氷が降りはじ ....
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