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もしも
あのとき
楽園にいたのが
いぶと
いぶ
だったなら
僕が
こうして
アップルパイを
食べることは
できなかったのだ
と
ナイフを手に
血が滲む
背中に生えた
角を ....
こんにちは と
差し出された名刺には
箱庭とだけ書いてあった
鞄の中から取り出した
石に草木に川に橋、
さらには水車小屋までも
あれやこれや説明しながら
砂を敷き詰めた顔面に
....
机の上の図鑑はいつも
同じページで広がっている
そのひとことが
また
言えなかった
日が落ちてから
こんにちは を思い出して
これで正しいのだろうかと
図鑑を開いて調べてみる
さっき思い出した
こんにちは は
ありがとう だった模様
明日は忘 ....
カカシの頭の上で
いつも泣いていたカラスが
首をあげる
揺れる視線の先
輝く円盤の中に仲間を見つけ
嬉々として向かっていった
が
違ったのかもしれない
....
思い出す
最後の呼吸
は
吸っていた
良かった
まだ生きている
僕の猫しりませんか
行方不明です
指名手配にします
探してください
どこへいったのでしょう
わかりません
どうしていなくなったのでしょう
わかりません
僕が何かをしっていそうです
そ ....
高架の上を幾つもの魂が
赤い光を灯らせて
帰るべき場所へ向う
高架の下では
ダンボールの中でちいさな魂が
仲間に入れてくれと
か細い声で歌い続ける
弱く
さらに ....
アスファルトの上を
一匹の蟻が
一匹の蟻だったモノを
引き摺って行く
突然の
雨
は、上が ....
空を泳ぐイワシに憧れて
いつか空を
そう想い続けてメダカは死んだ
夕暮れ時、縁側に
雨を告げる風が吹いて
未来への道を歩いている
時々、過去へ向かって歩いてみるけれど
自転の速さに負けてしまう
何とか逆らってやりたいと立ち止まってみても
やっぱり未来へ進んでしまう
諦 ....