「送り火ピアニシモ」
あとら
高架の上を幾つもの魂が
赤い光を灯らせて
帰るべき場所へ向う
高架の下では
ダンボールの中でちいさな魂が
仲間に入れてくれと
か細い声で歌い続ける
弱く
さらに、弱く
歌はやがて
聞こえなくなり
赤い光の行列を
遥か下に見下ろしながらちいさな魂は
帰るべき
場所へ
自由詩
「送り火ピアニシモ」
Copyright
あとら
2004-08-17 22:06:17