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花がやわらかに息を吐き
夜明けの雨に凍えても
時は鳴りやまない
まつ毛のさきにふれる空は透けて
彗星のように種が流れていく
肌にすべる水滴にくちづけ
花びらを射ち落として
雨は死 ....
光が生まれるまえ、
闇は何という名前だったろう
かじかむ手でまだ温かい
鞄の中の弁当をさわると
始発の鉄道が低くささやく
それは母かもしれない
太陽が帆をあげて
シャツの内側の漁港を照らした
さえぎる言葉のない純粋な心臓を
切り裂くように 糸を縫うように 流れる光
家々の屋根が風に吹き飛ばされ
海辺のように 透き通る空に 舞 ....