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そして私は見つめる
いま目の前にいる君を
すでに失われたものとして
いまこの時の君のあざやかさを
そのままに胸に灼きつけるには
幻とするよりほかないのだから
これ以上
近づいては ....
夜空いちめんに
きれいなさびしさを散りばめて消えてしまったのは
君だったんだね
始まらない世界と
終わってしまった世界ばかりが
僕らのまわりに転がっていたけれど
君はそれらのあいだを軽 ....
透明な祭壇の上で
君は羽化する
私はただ見あげ見つめるだけ
君は羽化をくりかえす
私はただ見つめつづけるだけ
君はそのたびごとにちがう羽をひろげて
雨の羽
砂の羽
....
君は踊る
薔薇を 菫を 雛菊を踊る
揚羽蝶を踊る
木洩れ日を 気ままな風を踊る
君は踊る
虹を 青ざめた夜明けを 葡萄色の黄昏を踊る
波を 湧きあがる雲を 嵐を踊る
君は踊る
....