廻り廻ってさようなら
季節はまたも去って行く
やがてはわたしも去って逝く

寒くなったね

それでも今夜はまだ
震えながらも網をかけて

待っていましたよ
今夜はまたすらりとして
 ....
自信を
もつことはできないけど
もってもらうことはできるんじゃないかな

認める ってこと
応援の言葉はいえないけど

いってらっしゃい
たったひとことが
背中を押してくれることもあ ....
{引用=



 掠れた息をつくように
 ベッドにそっと
 言葉にならないものを吐いたとき
 その言葉にならないものはすぐ露のように朝の陽にきえた

 あの日のあの雲にはもうであえな ....
浴室にこおろぎがいた

おまえ、どこから入ってきた?
こんなところにいたら
いずれ泡にまみれて死んでしまうよ
ここは地獄のお湯屋だよ
どこの世界にも
ちゃんと生きているつもりでも
なぜ ....
{画像=120911010820.jpg}


ベランダから花火に興じる親子が見えた

遠くで見る花火は寂しい

家族で花火をすると必ず
兄弟で取り合いになる花火があった
必ず最後に ....
いつまでたっても電信柱のようにたっています
恋は百万遍すどうりしてほかの誰かをむすんでます

それでもけっこう嬉しかったりするのですが
もうちょっといい脇役にもなりたかったりして

ギ ....
釣り堀に釣り糸をたらす
濁った水面をぼんやりながめる
浮きが ぴくぴくと動き
ぷくん と沈む
のろのろとひく

たらりと針だけが透明な糸についている

ばしゃん
音がするほうに
ば ....
田舎はかびくさい
亡くなった人のバイクが道筋に置かれたまま
それになにも言わずに暮らし続ける
庭の木は森のよう

思い出の中にもどされ
教室の落書きみたいに
なぞられる
そんな存在にな ....
幸せの反対は
なにもない ということ

うれしいことも
くるしいことも
なにもなければ 私は
生きているのだろうか

見覚えある花が綺麗に
咲いているのに 思い出せない
名前をいい ....
 
あたまのうえは
どこからそらに
なるだろう

あめふりぐもの
さかいめは
どのまちゆけば
みえるだろう

こたえはいつも
かぜのなか

つかめどもつかめども
てのひら ....
いのちの西側に
あなたからの呼び声がきこえる

ようこそクーパー

金星に宿るピアノの旋律

わたしは幸福な者たちに包(かこ)まれて
とおいとおい場所で眠っています

ジュゴンが息 ....
そして私は見つめる
いま目の前にいる君を
すでに失われたものとして

いまこの時の君のあざやかさを
そのままに胸に灼きつけるには
幻とするよりほかないのだから

これ以上
近づいては ....
「言葉を洗う雨」
                木の若芽

雨よ わたしの中に降ってきて
雨音で雨を詩えるように
この雨は言葉をみがき洗う雨

雨が土に降る音で 雨が土を歌ってる
雨 ....
瞳と心を閉ざした 若人の前で 
観音開きしながら お茶らけて観たら 

きっと 白い目で見られるコト 
請け合いだけれど 

一瞬でも良いから 
落ち込んだ気持ち 忘れられるなら 

 ....
固く強張った叫びの表面から
水が剥がれる
一枚の皮膚のように
音もなく
樹齢千年の眼差しに救われて

水は
季節の波紋を揺すり
懐かしい演奏を軸とする
流れと
陽光の到着を待ちなが ....
ときおり四つんばいになってみる
なにか思い出すかしらんと

きしきしからだが鳴く
ないはずのしっぽがふるえる

あたしってちっぽけだにゃん
まわりがとても大きく見えて

痛んでくる腕 ....
僕はドアを閉めた
僕は肩をすくめた
僕は言った
僕は待ち続けた
僕は妻に電話してみた
僕は自分の荷物を下に落とした
夜空には何万という花火が上がっていた
僕は怒鳴った
僕は自分の手を見 ....
夢が夢で
僕が まだ
子供だった頃
ベンチの上


無意味なほどに
遠い日へと
心を運ぶ
言葉は乱暴だ


僕の話が
理解できないから
話しをすり替えて
君は言う
 ....
水没した廃墟が見える
かつてここは津波にのまれた
多くの人が流され
水に沈んだ

月日が流れた
記憶も流され
悲しみも流された
人々は日々の生業に忙しく
街は活気に溢れている

 ....
ふたつのばかが錆び付き始める
頬は垂れ窪み
背骨は歪み
関節はキシキシと鳴き
時は残酷に醜い塊を仕上げてくれる

垂れ窪んだ頬に流れるものを、あなたは両手で掬う
歪んだ背中から落ちるガラ ....
長い時間がつくった
岩の固まり、山のもようだった

それはとても静かな時間で、
隣にいる人が誰だったか、ふとわからなくなるくらいの
年月の詰まったギザギザ

波の穏やかな水面のまん中にあ ....
あなたの夜に入り込んで 眠り続ける

腐敗した 薔薇の花を 投げ入れた 失われた影に

安らかな苦痛と 砂漠への愛を 

目の前が 次第に 赤く染まっていく


何度となく 惑ろんで ....
  手を振って離れた
  あの夏の暮れどき
  街の声にまぎれた
  当たりまえの毎日



  息をのむほどに
  あなたの黒い髪は
  ただ静かだったから
  赤、
 ....
電話を待っている

便利になったものだ
子機を取りにいかなくても

いつも電話はかたわらにある

包み込むような
文学的文章を書く人は
どんな声をしているのだろう

そう思いなが ....
気持ちのいい風に吹かれて
汽車は南を目指して行く
広がる青い穂波に心はときめいて
懐かしい君の声が僕を呼んでいるような気がするよ

君と作ったあの秘密基地はまだ残っているかな
蝉時雨の中駆 ....
 
あなたへ直線をひけないので

円をかく

今日も円をかく


 
夜空いちめんに
きれいなさびしさを散りばめて消えてしまったのは
君だったんだね

始まらない世界と
終わってしまった世界ばかりが
僕らのまわりに転がっていたけれど
君はそれらのあいだを軽 ....
透明な祭壇の上で
君は羽化する
私はただ見あげ見つめるだけ

君は羽化をくりかえす
私はただ見つめつづけるだけ
君はそのたびごとにちがう羽をひろげて
   雨の羽
   砂の羽
   ....
あの人は風だった
緑の髪をなびかせ瞳の奥に、あれは
夜明けの光をたたえて 水のようにやわらかい
あの人は風だった
わたしを見つめて笑う 流れる雲を空を映して


あの人は草だった
やさ ....
歌を聴いて
映画を見て
美しい自然に触れて
素晴らしい芸術に出会って
誰かを心配して
努力が実って
幸せを実感して
絶望に悲観して



人は死ぬまでにどれだけの
涙を流すの ....
結城 希さんのおすすめリスト(105)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
廻り廻ってさようなら/月と蜘蛛- ただのみ ...自由詩30*12-10-19
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