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握りこぶしに八割の水分
寝具に横たわり
タンクトップも脱いでしまって
タオルケットに巻かれてしまえ
コットンが素はだかを優しく撫でる
身体感覚が昇るからうつぶせを楽しんで
ひと ....
六月の風
どこかにする
子どもの遊び声
落ちてくる手にあまる垂直な陽射しは、
すべての影を限りなく縮小し 見放し
あるがままの姿を投影してくれない
公園の木陰に一人ぽつねん
ベンチの女が ....
四つ角に生まれた風が
光になって踊っていました
六月の紺碧 空の下
オークの木のどの枝たちも みな夏に呼応して
新緑に色づく
私は、これが最後だと思うのに
あなたは、いつも明日を口にす ....
海の向こうから来た手紙
躊躇わない見慣れた文字が、
心に触れるのです
確かに
生きる意味があるように
昔を思い出す、力が湧いてくるような
元気でいらっしゃるのですね
少し怒りっぽい
....
空き部屋になって久しい一階奥の角部屋
いっこうに入居の気配感じられなくて
郵便受けはチラシとかで溢れている
ポスティングするのが仕事なんだろうけど
声をかけたとしても臆すること無く
ほん ....
{引用=からだの奥から
たらたらと
わたしが滴り落ちていく
産声とともに泣いた日の
わたしの初めの一滴を含んだ雨で
シーツを洗いたい
足跡にそって
てんてんと広がった池を
みじめな ....
手を引かれ歩く。
懐かしい匂いのする君
その面影は記憶の水底
私が潜水夫になって強く握り返すと
つないだ手には水たまりができて
空の色を映す。
薄暗い緑の茂みの奥までくると
....
かつて潔く閉じた手紙は風を巡り
伏せられていた暦が息吹きはじめている
朽ちた扉を貫く光は
草の海を素足で歩く確かさで
白紙のページに文字を刻みはじめ
陽炎が去った午後に、わたし ....
どんな蝶でも蜜を求める花に
好き嫌いがあるように
あなたの望む花と
わたしのなりたい花には
どうしても相容れないものが
あるのかも知れない
たとえば地味目なおんなのひとがいて
百人のおと ....
にわか雨は窓ガラスを叩く激しさで
海辺の汐臭さをわたしの部屋まで連れて来た
波音のひたひた寄せるテーブルで
いつか拾った貝殻の擦れる音色がする
ハンガーにかけたわたしの白いブラウス
温もりの ....
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