そよ風が四月を渡ってゆく
ぼくの探し物は君に決まっているだろう
公園のブランコに座っていた
同じリズムで揺れていた
ツインテール

いつか大人になってゆくんだけれど
しろいブラウスの胸が ....
廃屋になる少しまえ
きみょうに やねがかたむきはじめた
それは ただのきっかけだったが
終わりまで止むことの
許されない
狂ったアリアだった
ちょうつがいが蝶に戻って飛び立つころ
えんき ....
言葉、とは
不思議なものだ

スリッパだと覚えれば
スリッパ以外の
なにものでもなくなる
寒い冬
人の足をあたためて
踏みつけられているくせに
そのいでたちは
ほんのり可笑しみを含 ....
初々しいと言えば
きこえはよいが
あのころの私はとても無知だった

結婚して初めて過ごす夫の実家でのお正月
おせちに「くわい」を炊くという
新種の宝石のような
淡い水色でつやつやの丸い物 ....
よくばりになると
しあわせは逃げていく
くらべると
しあわせは逃げていく
おいかけると
しあわせは逃げていく

手の届かない
遠いところへ
逃げていってしまったと
思っていたら
 ....
葉書は、
白い壁の長方形の紙の家
うすい、
厚みしかないためにひとりで立つこともできない家
寝転がったまま まだ見ぬ遠い街を夢みているのだろうか
小さな窓がある
そこに灯されるのは あかり ....
晴れた日に口紅を買う

いろいろ遠回りをしたけれど
やっと自分に似合う色をみつけた

女はもともと紅い口紅をつけて
生まれてきたのに
日々の雑事に追われて
いつのまにか
それは色あせ ....
遠い星を見つめて
丘のうえ爪先だちで
手を伸ばしてみる

遠い
遠いんだと実感する
掴めるものは何もない

墨色の空/新月の空
星はこんなにも
たくさん瞬いている

風が吹いて ....
不景気で酒も女もやめました ゆっくりと昇る、長い長いエスカレーターに
静閑と座すドーベルマン
傍らの階段を
人間は忙しなく駆けていく

考える獣よ
お前は顎をあげ、頭上を見据え
エスカレーターの流れるままに
どこ ....
100円で買える幸せポテチかな 身を動きもせず 見続けている 浮かぶ月

歩くのを辞めれば

聞こえてくるだろう

 彼女の歌声が

痛みや苦しみ そんなものは

はじめから 知らなかった

はじめから  ....
期待しないように
どうせだめだって想っていれば
傷つかない
そんな壁づくりにいそがしい

なんにもしない夜
できないわけじゃない
のも いいわけ

明日にゆけないと
それはそれで困 ....
田舎だからといって
素敵な虹が出ないわけではない

田舎だからといって夢がないわけでもない

田舎だからといって人っ子ひとりいないわけでもないのだ

田舎の虹が素敵なように田舎の恋 ....
しんしんと
雪も降りそうな秋の夜
想い出すのはなぜだろう

星から吹く風に包まれて
山は変わって
夜は澄み
心は切なく
香りは優しい

叶わなかった恋ばかり
美しいのはなぜだろう
おっちゃんも45歳になったからハラ切る準備始めないとね 旅の途中で
人間という乗り物を選んだ時
わたしは
翼を捨てた

翔ぶ力を失うことと引き換えに
それに見合うだろうと
思える力を
もらったはずだった

後悔はしてないが
時々背中に ....
片足で立っていればぐらぐらする
次の一歩が決まらないから
足の下の景色を
ちゃんとみようとおもった

むかってゆく方向に
風がふけばいいのに
どうしていつも前からふくのだろう
試されて ....
詩を書いた
それを読み直していた
季節が過ぎる
公園のポプラの木も窓の外で揺れている


水上バスが波を立たせてドックへと向かう
隅田川が流れる
今日から僕は 失業者 茅場町で
 ....
ポケットにベルリンの壁しのばせて見えない壁はどう壊すの?と

永遠に君が異国に住もうとも隣でぼくは息をしている

ゆく雲が片割れならばつかまえて終わりにしよう鬼ごっこ

空だって境界線を描 ....
出がけにかがんだ拍子に
傘立てをひっくり返してしまった
ありゃりゃ
傘の柄がポケットにしがみついている

学童用の黄色い傘
自転車通学している
中学生になった子供のものだったが
そうい ....
秋遊び初めて作るモンブラン あのね

君は誰より優しくて
かっこよくて
面白くて

私だけのヒーローなんだよ


誰になんと言われようと
どんなに遠くに離れていようと

大好きな
私だけのヒ ....
指を折り数えた
波がない
気付き難いしあわせ

遠い場所に行けば
すぐに人は見えなくなり
空はもっと遠い

ふてくされた約束を
取り戻す
からくりのない場所で

 ....
おまえも ころもがえするんだろうと
犬に話しかける

ええ そろそろ冬毛が生えてくる季節です
けれど 私には長袖も半袖もありませんし
化繊や木綿や絹だとか
細かな品質表示はもとより
陰干 ....
水面に浮かんだ 反響する光

閉ざされた 闇の中 語る人は消えた

横たわっているのは 君の姿


引き金に 指を添えて

さまよう言葉 指揮者の合図


凍りついた 泡沫 ....
治りかけの小さな傷は
ちょっと痒くなる

我慢できなくなって
その周りをおそるおそる掻いてみたりして

治ってしまえば
こんな小さな傷のことなど
きれいさっぱり忘れてしまうだろうに
 ....
なんでもない詩人たちがけっこう好きなのです
ごく私的でもよいのです
ときに詩的でさえなくとも

ぼくのちっぽけな世界をあたためてくれる
ひとひらの言葉たちがたぶん
ぼくがなんとなくたいせつ ....
教会に行く小径で
野ぶどうを摘んだ
手のひら
いっぱいにのせた
紫色の小さな実
食べるわけではないのに
文句も言わずに摘まれる優しい実
あの頃の
わたしの宝物だった

欲張りな少女 ....
川辺を駆ける
風に吹かれながら
息が上がる
汗が滴る
生きている実感が湧いてくる
とてもとてもとても
気持ちがいい
そんなに知るべきことも多くない
澱んだ水を流しさること
ちょうど今 ....
三田九郎さんのおすすめリスト(52)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
愛しのツインテール- 梅昆布茶自由詩1013-4-27
アナザー_ドア- そらの珊 ...自由詩1713-1-19
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しあわせ- そらの珊 ...自由詩2612-12-23
紙の家- そらの珊 ...自由詩21*12-11-27
ポム・ダムール- そらの珊 ...自由詩14*12-10-31
流れ星をつかむ- kauz ...自由詩17*12-10-28
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小さな幸せ- ペポパン ...川柳4*12-10-22
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野生本能- 朧月自由詩312-10-22
田舎の虹- 梅昆布茶携帯写真+ ...1512-10-20
秋風- うみこ自由詩6*12-10-17
市ヶ谷短歌1- 花形新次短歌112-10-9
肩甲骨- そらの珊 ...自由詩20*12-10-9
風は前から吹いている- 朧月自由詩712-10-9
書いた葉は黄色い- 番田 自由詩212-10-9
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淋しい傘- そらの珊 ...自由詩14*12-10-7
秋遊び- 北大路京 ...俳句412-10-5
ヒーロー- ジュリエ ...自由詩112-10-5
コンタクト- 中山 マ ...自由詩312-10-5
ころもがえ- そらの珊 ...自由詩16*12-10-5
凍りついた泡沫- nia自由詩212-10-4
メモワール- そらの珊 ...自由詩33*12-10-3
所属しないうた- 梅昆布茶自由詩28+12-10-3
野ぶどう- そらの珊 ...自由詩20*12-10-2
川辺- 黒髪自由詩2*12-9-28

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