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みず玉の瓶のむこうの夕立と 風をとおした君の目元と
君は右僕は左を濡らしつつ ちいさな傘をでようとはせず
ためいきを午睡の風に結び付け生温いまま季節交わる
水溜りにかがんだ君のう ....
切なさをあつめてひらく夏椿
青梅の香りにも似て初恋は
後悔と勿忘草の淡い色
酢漿草の種が弾けて夕暮れる
赤色を零してなお紅ばらの花
寂しさの数だけ蒼く紫陽花が
....
雨の日はお弔いをする
恋のような後悔のような
小さなもののお弔いをする
つけたゆびのあとはうすあお桃いろはなほの不在をつらぬき通し
おだやかな寝息はうみをつれもどしくち元にふるいはなをかざる
つぼみさへかたく締まつてゆめを見る足音とほくはるは逃 ....
すこやかな寝息としろくなめらかな腕 みだれうつぼくの欲求
水を抱くように おもいだしている 髪の毛 指先 かさなるため息