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涼やかな頭皮だ
わたしには無口だ
いたるところに夜が来ても
朝の尻まで知るよしもない
哺乳類の腹
蒼と金
次の日へゆく
彩雲はゆく
午後の道と鈍
....
この箱庭を平和な場所にいたしましょう
雪の下には
クロッカスの球根を植えて
春がくるのを待ちましょう
小川を作り 犯した罪を流してしまいましょう
この箱庭を王国にいたしましょう
くさむ ....
無限に逃げ続けられるだろうか
螺旋階段を下る夢
最下層で光を浴びる誰かを
必死で呼んでいた
君が泣いていた日
「心に空いた穴が塞がらない。」
僕は左手で
君にネジを押 ....
握る拳のひとつ
力を
力を
みなぎらせ
踏出す脚の一歩
遠くへ
遠くへ
つながらせ
ささやきを叫びにして
この存在を
主張するのもおこがましい
さみしさを晒け出し ....
今日 僕は
するだろう 何かを
する 何かを
人は 何故 歩く
中で
時の
似たような 書けばいい
詩を
ポイントを いい 入れれば
いい 広めようとすれば
ない 意味は
詩を ....
せつなさと呼ぶにはうす汚れ
虚しさと呼ぶには大げさすぎる
そんなありふれた感情は ....
夢を見たのは僕で
明日を見たのは君だった
現実だって本当はわかってた。
はらはらり
粉雪が手の上で溶ける
それぐらいの時間で一番大事な何かが変わった気がした
粉雪みたい ....
描かなくなった人の家
しあわせな闇
そこで良い人は
良くなってゆく
記憶に刺され
死にながら歩く
美しいとは
死んでも言わない
近づくと冬
離れると冬 ....
僕に詩(うた)を下さい
書き損じの紙切れ
池に舞い落ちた木の葉
真夜中の月の海
僕は何処かに置き忘れているのかも
駅の遺失物の棚
旅先のホテルの一室
ツンドラの森に
いつも
....
光と闇の狭間に見える
人物の陰影
突然漆黒となる闇の陰に
ペテン師の陰惨な微笑と
神の不条理な愉悦が
垣間見える
その反対側の光は
捕縛側の甲冑の黒の光沢を際だたせ
キリストは捕縛 ....
人の死が一層悲しくなる季節がやってきた
他人には聴こえない声が生まれてくる
とすれば 私は私の記憶に疑心を残したまま
季節を飛び越えなくてはならない
夏が終わって秋が始まるという一小節は
....
あまり器用ではない指先で黄昏時の風景を繕い始めると
粗野な一日が少しずつ整理されて見え隠れしてきます
落穂拾いのように身を屈めた姿勢は屈折した姿 ....
罰 自然 罰 カタルシス
罰 自在 罰 カタストロフ
預言黙示書辞書辞典
考古古科学 汽船 水蒸気
ナチス以後 緑葬 微生物学 水族館
巨人痕跡 胸像翼 ディケーの斬 ....
さよなら君よ
君と出会った
私は白髪が増え
共に頭を薄くし
良いも悪いも過ごした
よく白い草原の上戯れたね
先に逝く君へ
許して欲しい
時に粗野な態度もあった
....
ほら
やわらかな終わりがきたよ
やさしい
天使の顔をして
私は
急に思うのだ
三途の川の水面にも
低く高く
トンボの群れが
乾いた
秋を告げるだろうか
ワシは
車を ....
君が放った白い空に
黒い機影が映ります
それは爆撃しにきたのか
それとも救援物資を運んできたのか
分からないけれど
ただ機影だけが
近づいてくるのです
かつて私の中に
雲一 ....
かいていのえきで
でんしゃをまっている
ホームにはだれもいない
ときどきだれかくるけれど
いつもきまって
うえのほうにうかんでいく
このごろは
でんしゃもくるようにな ....
千年を巡ってたどり着く真昼
孤独に鳴るシンバル
居眠りする太陽
大きなあしなが蜂が
買い物帰りの
バイクの音を鳴らしていく
高い木の上で揺れる
一枚の古びた葉の付け根から
葉先に向 ....
友へ
こころを寄せて
手紙をしたためています
わたしのうしろで書かれないものたちが
茶化して耳をくすぐります
フェルメールの筆は光の代用
ずっと見ていたかったのに
わたしは弁明しなけ ....
旅立ちは賑やかだ
大皿に盛り付けられた笑顔と
色とりどりの激励の前で
あくまでも清々しく感謝を歌い
覚悟の靴紐を適当に結んだら
潔く見えるように出発しよう
旅立つ者の不安は誰も ....
緑道公園の木の上で
最後の蝉が鳴いている
ジリジリ・・・
ジリジリ・・・
今にも力つきそうな声で鳴いている
その声は一瞬一瞬過ぎるごとに
確かに弱々しくなっ ....
掘り起こされた土は
持ち上げようとする僕に抵抗するように
重く
何をすればいいのか
何を蒔けばいいのか
高鳴る鼓動と絶えだえの息を整えながら
僕は鍬に寄りかかる
産まれる前の記憶 ....
朝の浜辺を散歩する
夏休みの終わりに
金髪の青年が2人、遊び疲れて
またを開いてぐっすり寝ていた
ある意味遊ぶということは
若人の仕事でもあり
大人と言われる{ルビ年齢 ....
緑波立つ
一面田の面
太陽真上に
正午の沈黙
見時葉の月
一よう多様
大気の底で
焦土の地が沸く
あの夏の日々
われを失う
瀕死の乱心
あの夏の日々
割れる脳内 ....
僕の孤独な情念の炎が
語るべきことばの切れ端たちを
のこらず灼いてしまうので
僕の口からこぼれだすのは
いつも色違いの灰ばかり。
灰ばかりです。
両手の手のひらいっぱいに
灰を差し出 ....
高さとは
ピントが合わせにくいものだ
望遠レンズの先にある
高さの下に言葉を置いて
その先に括弧書きするように
灯台の思いを置く
大きなものが
身近に引き寄せられて
....
{画像=110806230826.jpg}
ホームに止まった電車の窓越しに見える
同じく所在なく立つ隣人を想う
二本の平行した線路上に交わる事なく
二人は未来永劫交差することは無い ....
六十六年まえの今日
セミが朝からの暑気を鳴いていた
あのひかりや
爆風や
炎熱の地獄のなかに
どうしておれはいないのだ
六十六年まえの今日
いまのおれのよ ....
雪づたいに屋根に登れる
大雪の林檎畑は真っ白け
ペンペンと枝の先が雪の上に見えるのみ
どこに木があるのかもよくわからない
横に伸びた枝が雪の重みで裂けて
林檎の木が全滅してしまう
父は ....
{引用=
古びたクローゼットを
覗き込むことは
できません
その代わりに
レコードで
ラブミーテンダーを聴きながら
君の過去を想っています
思い出は増やすものなのか
減らすものな ....
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