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東京より来たる夫のたこ焼きを返す手つきもあざやかになり
年少の子の足下に犬伏せる晩飯時の特等席なり
形だけの詫びにと届くふた箱のいちごが黒くなってく野菜庫
さっき ....
手を結び子どもの顔して軽々と瓦礫の丘を越えるものらよ
君が見るわすれな草のみずいろが欠けたる空の隙間を埋める
散りさくらアスファルトの上なお走り側溝に飛び込みようよう息絶う
....
君と手をつないで見てる赤い空 春の毒皿どこまで喰らおか
満ちてゆく月を恨みつその日まで素知らぬふりで花摘む逢瀬
かの人を心で百度斬ったとて力なき手は髪を梳くだけ
つい ....
この部屋のおくにはいってこないでよ(あのひとだけは許されるけれど)
ただすこし、濁ったことばに背を向けてすべてを拒絶していただけで
そのあとは さんかくすわり、鍵をかけ 誰かを待ってい ....
先生 この前のテストは100点だったけどBでいいです先生私先生が好きです。
ラメ入りの少年 惚れさせてしまうのは男どもばかり 生理も来ない
触れてとは言わない言えないでも触れな ....
{ルビ陽=ひ}も見えぬ 木々の根元に 咲く花に 強さ覚えて 己を恥じる