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硝子窓のうちそとに
冬が満ちてゆくとき
光の言葉と影の言葉が
中空であえかにもつれあう
君の翅を食べた
君がそうすることを望んだから
君の翅はよくできたお菓子のように
心地よい甘さで
もろくあわく溶けていった
最後に君の背に残る
翅のついていた痕をそっとなぞると
それも夢の ....
意識の界面に皮膜を張る詩を
時々引き剥がしながら
優雅な革命に憧れつづける
蒼ざめた情緒不安定
一度も私のものだったことがない君を
果てしなく喪いつづけている
その喪失が胸に生む波紋の美しさに
{ルビ彩=あや}なす言葉でうたわずにはいられない
私の中に
午前を飼っている
白い舟がいくつか
遠く漂う午前だ
華奢な草の葉がためらいがちに揺れ
吹く風のなかに
覚束なげな青さが
消えない午前だ

もう長いこと飼っている
だからも ....
はるなさんの塔野夏子さんおすすめリスト(5)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
静寂のエチュード- 塔野夏子自由詩8*21-11-25
君の翅- 塔野夏子自由詩13*21-10-5
症_例- 塔野夏子自由詩6*18-6-11
- 塔野夏子自由詩9*13-7-29
午前を飼う- 塔野夏子自由詩26*05-9-3

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