すべてのおすすめ
粒の中に
粒、ずっと粒
惑星のように
ささやくと
平たくなる
蟹になる
蟹はハサミを見ている
ハサミの向こうに海
海からの風
でもハサミだけ見ている
ハサミに刻まれた
 ....
 
  
ノートの中で消えかけている
紫陽花の履歴
錆びた機器類は蓄電されることなく
表面積のすべてが風に接している
 
人の断面には形容詞が無い
優しさを語ることに対して
まだ臆病 ....
 
 
皮膚を持つ、
匿名の

 +

ひりひりした痛みを
登記するものとして


 +++


ひつじが忠実に
時計を分類している
広くて静かな
都会の一室、そして ....
 
風が椅子に座っています
姿も見えないし
形もわからないけれど
確かに風は
椅子に座っています
そして別の風が来ると
席を譲り
静々と、時には荒々しく
立ち去っていきます
次の新 ....
 
 
公園の風に
子どもたちが落書きをしている
落書きは異国の文字みたいに
すぐに形を崩し
消えてしまう

ぼくはすぐ近くで
地図にも載っていないような小さな紙を
呟きよりもさら ....
 
 
少年が電話の凹凸に触れているころ
少女はまだポストの中で
封筒から漏れてくる潮騒を聞いていた

  すべてが終わったら、
  横断歩道をきれいに塗りなおそう。
  町中いたると ....
 
  
 
これから結婚について書きます。
その前に男性側の視点であることを前提としなければなりません。
何故なら私が男だからです。
女性側からの視点で書くことも不可能ではありません。
 ....
 
 
会社の電話が鳴る
受話器を取ると
雨音だけが聞こえる
すぐに父親からだとわかる
何の前触れもなく
そして何も話さないから
電話の時は昔からそう
ずっとそう

受話器から漏 ....
 
 
メニューに自分の名前があった
注文すると
同姓同名の別人が出てきた
別人はテーブルに金属製の皿を載せ
上手にその上に座った
目の中を大小の生物が泳ぎ
両耳から波音が漏れてく ....
 
 
蛇口をひねると
小さな雲が出てきました
まだ水を作っている途中でした
水道管の中から
作業中の囁きが聞こえてきます
小さな雲は部屋の中を
ふわふわ移動すると
一滴の雨を降らせ ....
 
 
静かな時計の匂いが
降り積もる教室で
僕らは眠るための訓練をしています
皆、先生に買ってもらったばかりの
蓮根を大事に抱えて
明日の晴れる日を想像しています
教室の隅には
か ....
クジラの背中に
独裁者の豪邸が建った
どこよりも高く
民衆を見下ろせた
一匹のカマキリが飛んできて
両手の鎌でそれを壊した
拍手喝采のなか
クジラは大きな口を開けて
悠々と ....
 
 
シーソーの上に水羊羹
その意味の無い重さ
恋が終わる
 
+
 
ベランダから洗濯物が落ちていく
どうしようもないのに
シクラメンが咲いている
 
+
 
乾いた側 ....
 
 
かみひこうき とんだ
ゾウをのせて とんだ
キリンのくびに ひっかかり
かきひこうき おっこちた
ゾウはキリンの つののうえ
ノッポのしいくいんも とどきやしない
 
+
 ....
つきがこうばん たべました
けいかん ギャングをついせきちゅう
あとの あきちはタンポポの
しゅうかいじょうに なりました

+

かたちのない としょかんで
かたちのない ほんを ....
 
 
土曜日はいつも
草のことを考える
誰もいないのに
ハサミで紙を切ってしまう
 
 
+
 
 
青空を両手ですくう
指の間からさささらと零れ落ちる
さっきから公民館の ....
 
 
梅雨の湿った風に吹かれいると
いつの間にかぼくと妻は
古ぼけた感じがする列車の
最後尾の座席に並んで腰掛けている
列車はカタンカタンと
紙のイメージの中を
ゆっくりとしたリズム ....
 
 
時計の断面が落ちている
側に誰かの置いた花束がある
初夏の陽射しは影をつくり
わたしはわたしの影を
地面に埋めていく
勝者などいない
敗者だけの戦いが終わったのだ
イワシの缶 ....
 
 
わたしが金魚の頭を
撫でているころ
ぼんやりとした扇風機は
薄暗がりの中で首を振り
幼い子どもが一人
どこかで帰る家を探している
ここだよ、と言っても
それはきっと
ただの ....
 
 
ワイシャツにアイロンをかけているうちに
見知らぬところまで来てしまった
さっきまでいっしょにいた妻や娘の姿も見えない
どこか淋しい感じのするグラウンドで
赤勝て
白勝て
子ども ....
 
 
鉄棒のように目を覚まし
自分の肌と同系色のものを食べ
いつの間にか飛行機に乗らなければいけない
ということに気づき
慌てて二階にしかない部屋で
知っている限りの身支度をし
途中 ....
 
 
先生はもう液状になって
黒板の海を
白墨で汚している

本当は海の生き物たちが
みんな住んでいたはずなのに
僕の皮膚には朝から
いろいろなものが刺さって
痛くはないけど
 ....
 
 
世界の果てに
ベッドがひとつ
ぽつんとある
父が横になっている
わがままばかり言って困る、と
母から連絡を受けた僕が
その隣に立って
父を怒鳴りつけている

親に向かって ....
 
 
カニの甲羅に
雪が降り積もる

ブランコは揺れる
誰かの言葉の
力を借りて

食べ飽きてしまったね
紙の形は

自分の目を覗き込むと
動いている人の
背中が見える ....
 
 
習ったばかりのルートの記号を
少年はノートに書きました
丁寧に書いていたはずなのに
最後に記号は壊れてしまいました
わずかな隙間から覗き込むと
自分が幼少時を過ごした町の海が見え ....
 
 
桜の花びらに見えましたが
それはお墓でした
とても小さな墓石でした
とても小さな人が
入っているのだと思いました
ところどころ緑に苔むして
たしかにそれでも
桜の花びらに見え ....
 
 
線路を描く
薄暗がりの方から
ほのかな明かりを灯して
路面電車がやってくる
駅を描く
路面電車が停まる
後扉から乗る
チラシの安売りの服を着た女の人が
前扉から降りて行く
 ....
 
 
鳥かごの中で
小さなキリンを飼ってる
餌は野菜だけでよいので世話が楽だし
時々きれいな声で鳴いたりもする

夕焼けを見るのが好きで
晴れた日の夕方は
日が沈むまでずっと西の空 ....
 
人形の折れた手首を持ったまま母の帰りを一人待ってた
 
 
説明しようとして絶命してしまった僕のレジュメが空へと
 
 
深夜、ヒツジが僕を数えている、可愛そうにまだ眠れないのだ
 ....
 
 
軟らかな自転車に乗って階段を下りる
ハンドルが人の手みたいに生温かく汗ばんでいる
階段の下には民家と民家に挟まるような形で
小さくて細い劇場がある
切符売場で数枚の硬貨を出すと係の ....
salcoさんのたもつさんおすすめリスト(63)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
鮮魚コーナーにワタリガニが並んでいた- たもつ自由詩711-6-7
追憶、の- たもつ自由詩711-5-29
ひと- たもつ自由詩7*11-5-26
童話(着席)- たもつ自由詩611-5-14
公園の風- たもつ自由詩2+11-5-6
深呼吸- たもつ自由詩711-2-24
結婚について- たもつ自由詩2411-2-16
受話器の雨- たもつ自由詩1011-1-25
別人の波音- たもつ自由詩511-1-5
童話(雲)- たもつ自由詩610-12-24
合宿- たもつ自由詩310-11-25
クジラの話- たもつ自由詩610-11-8
明日の天気図- たもつ自由詩610-10-12
ファザー・グース(7)- たもつ自由詩310-9-18
ファザー・グース(6)- たもつ自由詩8*10-9-12
明日- たもつ自由詩610-7-22
嘘つき- たもつ自由詩810-7-12
花束- たもつ自由詩810-7-3
迷子- たもつ自由詩1310-6-29
温度- たもつ自由詩1010-5-23
わがまま- たもつ自由詩510-5-7
水を買う- たもつ自由詩1210-5-6
世界の果て- たもつ自由詩23+*10-4-30
降雪- たもつ自由詩610-4-11
童話(波音)- たもつ自由詩1210-4-10
童話(おやすみなさい)- たもつ自由詩1710-4-5
終点- たもつ自由詩610-4-2
鳥かごのキリン- たもつ自由詩2510-3-29
おままごと- たもつ短歌1610-3-26
劇場- たもつ自由詩1010-3-19

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する