自分の為に
詩を書こう
可愛そうな
自分の為に
とか
思った事もあったけど
やっぱ俺
疲れてしまって
しんどそうな
そんな人達のことを
クスッと
小さく笑わせたい
それ ....
人差指の腹を噛む
ある痛みを他の痛みに置き換えるのは
人が持つ特技なのかもしれない
レモンをかじる
酸っぱくて涙がこぼれてくる
その涙は瞳から流れてきているのに
何となく軽 ....
眠気を感じながら
書き連ねる言葉は
ピントがずれている
のに心地よいのは
何故だろう
責任転嫁できるからか
だいたい何への責任か
そもそも誰に転嫁するのか
ぼんやりした頭で
意識が飛 ....
河に飛び込み死にきれず
首を縊って縄切れて
手首は切る部位無くなって、
やはりその日も死にきれず
昨日も一日長く生き
今日も一日長くイキ
明日も一日生きるのだ
死んで花実が咲 ....
どこまでも広がる色彩こたえなき色彩
闇さえも色彩のなかにある
彼の描く世界は、
本当はどこにあるのか
見る者はその答えを探しに
際限ない色彩の旅に出る
彼が描くすべての色彩の背中に ....
道路を丸めて食べる
どうしたら草の音みたいに
生きることができるのだろう
曲った色鉛筆
間違えないように覚えた言葉
値札の無い指の軌跡
並べることばかり
いつの間にか上 ....
同級生に出会えません
同じ教科書を広げ
同じ食パンを食べ
同じ制服を着ましたが
違う仕事に就きました
そういう決まりなんですね
知らずに席を立ちました
子供しかいなかったんですから
....
自転車は遠くには運んでくれない、近くにしか行けないものだ
自分の脚力と精神力が限界になればそこで終わる
好きな女にもそうだ、自分の限界を超えた女は自分の手に落ちない
自分が持ちたい物 ....
「なんでくやしかろ」
早朝の庭で蛙が聞く
「お前はのんきだ」
私が答える
ひとのもんじゃ
もともとじゃ
愛しただけでいいじゃあないか
蛙が言う
夢をみたのだ
ひさしぶりに
その ....
女すらいない盛り場で
意味もなく 黙りこくる
君は 誰だろう
何をしているのだろう
こんな 枯れ果てたような 街で
誰かに 何かを 言うわけでもなく
時だけが 流れていくようだった
....
なぜかしら
夕方になると
後頭部が重くなって
ひょっとしたらと
腕に巻いて
ちっぽけな
ボタンを押す
数値は設定値まで上がり
やがて少しずつ下がる
おお神よ
どうか上135下85ぐ ....
空虚な1月も終わる頃夜のことだ
さびしさは白すぎて重たくもなく
吹いていない風に新しくめくられていた
SL広場でだれかを待っていた
ほんとはだれも待ってはいないのに
たしかにだれかを待って立 ....
空を飛べたらいいのに
鳥のように器用じゃなくても
どんなに不器用でもいいから
空を飛べたらいいのに
小さな悩み事一つ越えるくらい
そんな僅かな浮力でもいいから
空を飛べたら ....
日々の感情の起伏を
記す
文学なら 直木賞
式部より 冬はつとめて
鎌倉時代 かな文字で
経を説いた 高僧
小説を書きたくて
画家と同居してしまう
宇野千代
一瞬で ....
じぶんが
やさしいのかつめたいのか
わからない
でも あたしは
ひと をののしる
ことばは もちあわせていない
なぜなら
それは
じぶんにもどってきて
けっきょく
じぶんを ....
ずっと昔、夜、天から水が……
……記の底に溢れている 憶
地名を襲う大洪水
聖穢なく
隆起しながら鼻筋を形成していく
雨の島
渇きながら灼熱を求めていた
亜種、獣
めくら ....
雨に流された街は、
洗礼を受け
軽妙なステップを踏む猫が
聞き覚えのある昔の歌を
口ずさんでいる
秋はもう病んでしまっていたのです
倒れたショウカセンは、
( どんな英語の綴り ....
静かなときに
身をまかせ
ひたすら
目をつぶる
見ないものは
清浄で
ないのとおなじ
森に囲まれた
この部屋で
エネルギーを
チャージするんだ
なつかしい匂い ....
何も考えないで
海底に落ちてゆく
癒される。
体が楽になる。
無為自然がいい
体に力が入っていると
対応が遅くなる。
無心がいい。
何かをしようとすると
失敗する。
運命を ....
生きてる
つもり
呼吸してる
はず
働いて
働いて
自分を切り売り
なりたいものになりたい
やりたいことをやりたい
毎日毎日
繰り返してたら
気がつくと
自由が ....
俺の背中にチャックがあればいいのに
背中にチャックがある奴は 夢を与える存在なんだ
ミッキーマウスとかサンタクロースとか
彼らは実在する 実在する嘘 いや嘘じゃない
夢を与えたいという ....
利口な訳を積み上げてここまで登って来れました。
出任せばっかの言葉が先立ち途方も無い世界を広げる。
自分で自分が分からぬままの足取りと、あやふやな自我の型を持て余して。
さあ、何処へ行こう。何処 ....
真っ昼間
駿河台から坂下りて
神田で飲んだその後で
鯛焼き片手にぶら歩き
仕事も無い
家族もない
まして、恋人もなければ
金も無い
おまけに今日も
予定が無い
だから酒 ....
沈黙の朝に雪が降る
花も鳥も凍ってしまって
吐息だけが揺らめく
窓ガラスを辿ってメッセージを遺してゆくから
どうか気付いてくれないか
(ねぇ。君はまだ眠ってるの?)
....
生まれる
ずっとまえから
さまざまの小さな
かけらたちがあつまって
この心身をかたち
つくってきていた
それらの小さないのちたちの集積で
ここにいるほどよい大きさのいのちがある
その後 ....
テレビのドラマで
「結婚しているんですか?」
「いやまだなんです。」
と言っていた
そこに流れる
複雑な思い
男ははにかんで
うつむいていた。
やけに子供の
あつかい方が
....
泥を喰え
一日を目一杯生きるお前の命を試せ
どんなに汚くとも
どんなに貧しくとも
お前の真実は変わらない
お前は家畜じゃない人間だ
底光りする生命の勝 ....
何をなくしてしまったのか わからないなら
それはわからないまま そっとしておけば良い
それはいつかきっと 自分から君をみつけるだろう
小さな痛みとして 君を傷つけることで
その血を流す ....
君は何を悲しむのか?
母の死
恋人との別れ
試験不合格
落第
解雇
君は何に期待をするのか?
滅入ったところで何になる。
それも来ては去る気分のひとつ
全ては来てはまた去 ....
ひかりの反射を免れて曇り空の跡
つめたい水を浴びて閉じてゆく肌と
つめたい川に隔てられた母子
幾度も破かれては繰り返す眠りのうちに
再生されてゆく喉
結末の骨より吹きすさぶ逃げる月の速度 ....
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