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駅を降りると夕日がとても綺麗だった。東京の端っこにある駅の、橋からみえる夕日だ。
いつか忘れたけど
ある日の、君を思い出した。
君は目を潤ませて
『とても綺麗だね。』って後ろから抱きし ....
骨のおくに
しまっておいたのを
一瞬でうばわれた
根こそぎ
そのとき
愛って
おもったな
晴れわたるほど影は濃く
それにかくれて口づけた
陽のもとでなく
影の落ちる場所に恋はあったね
ながい柵があり
(たとえばそれは
夜だったり朝だったり
場所だったり人だったり
あるいは思想だったりするけれども)
ともかくながい柵があり
内側というのは
どちらですか
檻 ....
はたらく人の手
大きな手
油まみれの
重みのある手
その大きな
たなごころで
わたしは撫でられ
育まれ
はたらく人の手
素敵な手
物をうみだす
魔法の手
岩のよ ....
君が教えてくれた
僕はねじれていると
苦しそうに身をよじる
君の姿は
細いけど強いもじ
いっぽんのもじ
人はひとり苦しんで
ねじれてゆくうち
いっぽんのもじになり
想いを奏で ....
しびれるくらいみつめあうの
幸せだけじゃない少しの葛藤や不安を束ねながら
しびれるくらいみつめあうの
ママあたしはよくわからない
生きることもごはんを食べることもひとを愛することもひとに愛されることも
ものを大事にすることも手に入れるということも失うということも
夏があって冬があって春には花 ....
君の乳房のかんじ、
とっても好きだったよ
まあ
でも
君のならえぐれてても
良かったけど
あなたの濃いすね毛
暖かくて
心地良かったよ
毛深いひと
きらいだと思ってたんだけ ....
目に映る炎には
誰も自分では気づけないように
無意識の園に咲く薔薇の色を
想像することでしか描くことができなかった
もし誰かがその一本を取り
目の前に示してくれたのなら
私は人を愛する ....
かなしみを
かなしみ終えたら
ひとは
笑わねばならない
かなしみが居座って
笑いかたをわすれてしまうから
こころがばらばらにちぎれて
もう一つには戻らない
体じゅうの血が流 ....
休みたいので
コンビニの店員に
すいません
枕とベッド売ってませんか
って聞いたら
申し訳ありませんが品切れです
だと
ふんわりしたいので ....
フロントにギターケース。
寒さに凍えた午後9時。
中途半端な時間。
電車の音、ゴォゴォ鳴る。
山手線のアナウンスは時々何言ってんだか解んねぇ時があって。
駅名しか解らん。
黄色 ....
春がくると、みんないっせいに
春の詩を書き出す。
夏がくると、みんないっせいに
夏の詩を書き出す。
くるもの、こばまず。
過ぎてしまった季節のことなんて、
忘れて。
さむい間じゅ ....
「お花見がしたい」
君がそう言ったから、街へ出たんだ。
四月も半ばなのに風が冷たくて、
いつも薄着の君は、
淡い色のストールを身体に巻きつけて、
細い肩を何度か擦った。
かつか ....
生まれながらに海にして
私は誰も待っていない
浮かべて揺れる大きさを
舟も陸もが優しさと
讃えはするけど繋がれず
生まれながらに陸にして
私は誰にも出会えない
在り続けるこの風体 ....
それがまるでさいごだってみたいにせつないかおしてくれよ。
願うだけせつなくなることをなんでもして
*
いろいろな噛み心地のプラスチックを食んでいる感覚
自分自身をつみあげた先 ....
コップ一杯
ぼくは詩を差し出す
もの珍しげに覗きこむと
あなたは口をつけ
なにも言わずにぼくに返した
コップ一杯
あなたは想いを差し出す
....
長いうでに春風をからませて
すいすいとあるいていく
かび臭いまちを泳ぐように
恋はもう
ずいぶんまえに終わっているのに
曇天に胸が鳴る
彼がふりむいたら
また恋がはじまってしまう
....
どんなに嘆いてもかなしんでも
そのかなしみはどうやったっておいつかないさ
だって地面は割れたし津波は来て奪っていった
そのときわたしはドーナツ食べてコーヒーのんでた
わたしはそこにいなかった
....
ふいてもふいても
いっこうにひかない悲しみのなかで
笑わなければならない悲しみを
温めてなお笑っていることを
強さと呼ぼうか
明かりの絶えた街中で
星を見つめるまなざしを
つめた ....
行っておいで
と
彼女は言った
でていけば
また
帰ってこられるんだから
と
どや顔って言うより
したり顔って言う方がすきだ
僕の犬
鳥みて わん
猿みて わん
僕の嫌いな人みて
うー
いいぞ
僕の犬
いいんだ
目が見えなくなってきたね
....
おまえらの心が傾くところに
どんな花が咲くか見てやろう
それがこわいって言うのか
種も蒔いてないくせに
三千世界の一世界
ぼくと君との前世は
こっちの世界でいうとこの
天使と悪魔の二極化で 天使と悪魔に別れてた
神と魔王を頂点に ふたつの階級ピラミッド
ぼく ....
行かないで正解だったよ、とか
来て正解だったな、とか
終わってから言う
何かしてしまってから言う
生まれてきて正解でしたか
生きてきて良かったですか
失敗でも
生まれてきて良かっ ....
苦し紛れの着地点がどんどん正しい方向に流れて行く
みたいな感じで毎日を乗り切って
一ヶ月に一回くらいは中くらいの事故にあう
それが正しい事故か間違った事故かは知らない
そこから再び苦し紛れに飛 ....
薬局のカエルは
店先に置かれたその日から
休むことなく
この街を見守ってきた
少女が殺されたよるも
カエルはその目に
犯人の顔を焼き付けていた
なのにカエルは
警察にも、
遺族に ....
みんな思ってたのか
あは、そうかそうか。
みんな思っていたのか
自分ひとりだけかとおもってた
なんだ
みんなおもっていたのか
カナリアは憧れていた
眠りにつく前には決まって
とりかごを定規に
空を測っていた
カナリアはフルートに嫉妬した
自分よりきれいに泣く
フルートに嫉妬した
しかしそれこそが
自分が愛 ....
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