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風のない
真夜中の静寂
僕は立ち止り
遠く遠く
広がる星空を見上げた
どこまでも続く日々の途中
いまここにいる自分
いつか
隣でほほ笑む誰かに
....
紙風船に ふうって
たましい吹き込んで
ぽんっ とあげる
あなたの心に届くころ
....
{引用=
夜に
もう成長しないどころか
ますます退化をする体を抱えて
たくさんの書物と一緒に
帰宅をすると道すがらの
運動場には
テニスの練習をする
少女の姿があった
テニスウェアで ....
「ゆびきりげんまん」
遠くから
子供たちの声が聞こえる
約束の時の決まり文句
笑い声混じりに
軽やかに歌って
また明日と
それぞれの家に帰る
「うそついたらはりせんぼんのます」 ....
目が腫れるまで
言葉をつぎはぎして
しんぞうとのうみそを
縫い合わせておきたかった
調和と統合と平和の
マルの中で
哲学から解放されたかった
天地がひっくり返って、
宇宙人が攻めて ....
十年? いいや
もう少しだけさかのぼって
私があたしだった頃に埋めたもの
放課後の校庭の隅
老いぼれ花壇のど真ん中
誰にも相手をされなければ
景色の一環とも見られない
....
「くろきたバカだからキライ」
「くろきたに友達いんの?」
「いるわけないじゃんかー」
「くろきた受験するの?」
「いくつ受けるの?5校?」
「ちょっと合格鉛筆かしてよ ....
私は立ち止まらない
この道を行くと決めた
匂いの蒸せる深森の内を
怪しげなけものみちであっても
感じるままに行方を選ぶ
暗がりを畏れて
夜は月を探す
闇の海原は私を奪ってゆく
私は ....
{引用=
ハルが鳴く
寂寞とした夜が明け
やわらかな陽射しが
小さな籠をみたす頃
デジタルのアラーム音に
携帯のモーニングコールに
沿って響く
心地よい声が
目覚めを誘う
....
僕の銀色の船は、雨の海を北上し、
目的地の虹の入り江にたどり着いたところだ
虹の入り江は、とても綺麗に湾曲している入り江だ。
ここは本当に美しい月の名所で
地球にいた頃から ....
{引用=
おまえの気まぐれさは 朝霧のようなもの
昼がくれば晴れて 夜がくれば澄み渡る
古代ローマの少年王ほど 傲慢ではないが
猫なんて 可愛いらしい無邪気さでもない
濡れた衣服を ....
バレンタインだから
することがなかったから
チョコレイトケーキを作ってみた
正直もうチョコは食べたくない
昨日からチョコしか食べてない気がする
食べても食べても減らない
友チョコって何 ....
雲のようにとはいうけれど
行方は風によって決められていて
けして自由ではない
風もまた何かに決められていて
けして自由ではない
気づいたとき、それでもただ
雲になれ ....
「星がちりばめられたスカートをはいて
スパンコールできらきらしている靴をはくの
三日月のネックレスを首からさげれば
それがどんな星にでもいけるチケットになるわ
こぼれることばは模様 ....
夫が言った。
「今年のバレンタインは、なしでよろしく。
おかえしが面倒だから」
とてもとても、落ち込んだ。
色恋とは無縁に生きてきた。
友チョコが流 ....
ちいさな孤独に
ぼくのこえ、届いていますか
木琴ほどのため息に
ぼくのおおげさ、届いていますか
喜怒哀楽のない宇宙に
きみが見えなくなる魔法、ありますか
ふゆの ....
雪の中を
雪ウサギは
穴から
飛び出し
走り回っている
鼻を
ぴくぴくさせながら
立ち止まっている
季節のにおいを
感じ取っているのかな
夜は
穴の中で
寄り添うように ....
突然
愛する人と別れ
明日が見えなくなったら
空港へ走れ
ホームの駅員に会え
....
うそか
ほんとか
ネズミは「根住み」なんだそうですよ
根の国
地中深く
その鳴く声もチュウ、チュウと
黄泉の国の住人
うそかほんとうか
どちらといえるようなことではないけど
....
みかんをむいて父に食べさせると
ぼくはみかんではないのに
お礼を言われた
咳をするしぐさが
父とぼくは良く似ていた
植物に無関心なところも
石鹸で洗う指先の先端の形も
他 ....
空に上がる
花火は
とても
きれいだ
まるで
ひとつの
絵のように
見える
またひとつ
空に上がった
空に
あがる
花火の火
「ドーン ドーン バーン バーン ....
秋が深まる季節
落ち葉の季節
秋が
深まってくる
ひらり
ひらりと
木から
落ちる
なんだか
とても
きれいに見える
落ち葉は
またひとつ
落ちていく
いろ ....
君の命を思うとき
自分の命を考える
この生きざまを
君がすべて見ているのなら
私は決して褒められた生き方なんて
できない人間で
これからもうまい生き方ができそうにありませんが
....
立ち食いそば屋で
夕飯を食った
客のほとんどは
お酒を飲んでいて
立てなくなると
ざるそばを食って
次々と去っていった
素数について
話している客がいた
立て ....
八重川にかかるその橋に
Sherryを聞きながら運転席
雲が朝には似合わない
暗さを作ってしまうから
『空は心の鏡だね』と
心の中で呟いた
長すぎる赤の信号を
....
あかちゃんとぬいぐるみが
丸い背中を並べて テレビを観ている写真
あなたのページに
詩と共に貼られている
今だってあざやかに
「どうしてだい?
どうして、あなたが。」
そんなふ ....
ぼくらは
うすっぺらな
辞書を一冊もっていて
辞書に書かれていないことは
あってはならないと
願ってしまうものだけれど
たとえばバスに乗るときなど
その行き先が
本当に帰る ....
「ほんとの自分は」っていう人が苦手です
そんなものはペルソナを知らないだけにすぎなくて
だからって知ってることはなにもそんなに偉くない
「あいしてる」って声高にいう人が苦手です
そう思 ....
「スカッとしたい!」
ただそれだけのこと
年上同僚と上司からの絶え間ない
ツートップなセクハラ発言
尻はなでくりまわされ
後輩はクレームばかり持ち帰るから
年々増えていくお ....
海の稜線が光ると僕は
それがある種類の
誘導光だと
感じる
あの光が誘導する物事は
とても難しいのだけれども
僕たちの大事な部分と結合している
そんな時間とはまた
違う別の時間に
....
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