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おしみなく愛をそそいで枯れさせてあたりいちめんプールの匂い
この先でアラームが鳴っていなくても立ち止まらないでください、と声
あかあかと尾びれ背びれが生えていき あとからあとから水 ....
乾いてる軒下暮らし梅雨の日もそれが定めとうな垂れて
ほんとうに美しい玉葱の芯どうしてもほら泣いてしまいます
玉葱の玉を採ったら葱だらけでもそれは夢{ルビ二兎=にと}を追うひと
玉葱の ....
図鑑から拾い出したらさみしさの集まりみたいホモ・サピエンス
鈴鹿でさ、熱気球がちりぢりに空に別れていくのをみようよ
ピアニカに人工呼吸を施してでたらめな人の怒りをみてた
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濃淡を、くりかえしながら先割れのスプーンに近づいている朝
演じるということ、やさしさということ、おろし金から飽和する雪
質量をもってしまった画家はもう手のひらを返すようにかなしい
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みとめよう 夏は終わってしまったし あなたをぜんぜん愛してなかった
溶けているアイスクリームの傍らで 吹けばとぶような恋をしていた
場所なんてかまわなかった 季節なんて名前なんてかまわなか ....
とおり雨」途切れた言葉のすきまからとおり抜けてく夏の体温
いままでも眠る夜だけ好きでした、きれいな呼吸だけ好きでした。
遜色のないヒトデみて切り花の手を取るように色をうしなう
ざんね ....
淡雪は炎のように降りつもりきみの素肌の灼熱を知る
凍蝶の滑り落ちゆく黒髪にかかる吐息は結晶化して
性愛の天を凌いで伸びる蔓 凌霄花は空にまみれ ....
ピラミッドみたいな形の倒立を 目を皿にして隈なくみてる
血まみれの夕焼けぜんぶ呑み込んで(みない、いわない、きかない、しらない)
帰ろうとしている影が剥がされて/いつまでも帰ろうとしている ....
ぼくはまだいちご泥棒と眠りたい置き忘れたものばかりの園で
衝動を積み上げていく指先に梶井のレモンわたしのオレンジ
気だるさはインクに滲み水底の青い散文髪に絡まる
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後悔を/森の奥へと歴史学のような眼差しで引いていく人
スコップを置き去りにした砂場から カイワレの芽が伸びてきました。
透ける陽のメトロノームを記録して/耳鳴りの止まぬ夜を綴じ込む//
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冷蔵庫ゆっくり冷えていくものが光のような気がしてならない
やっと今一人で立てた足元にいろんなものが這いのぼってくる
ゴミ置き場月光に散る貝殻が泣いてるまぶたに見えなくもない ....