曇天を 背にしてみている つめたい戸

後ろ手に 鍵盤鳴らす 午後の2時

なめらかな 白い手にさす 慾と情

氷水 とけきるまえに 果てる夢

汗ばんで 覚えた匂い 青畳

 ....
春の風草食動物月面へ


妹の悩みの種を埋めてきた


急に見えなくなる右靴左足


ハンサムな頬にフジツボ飼っている


傾いて傾いて傾いて平ら


肩のない祖父母の肩 ....
東 直子著『春風さんのリコーダー』(有)本阿弥書店
同『愛を想う』?ポプラ社
借りてきました。

『春風さんのリコーダー』は東 直子の第一歌集。この方、ファンも多いし、みなさんベタ褒めです。そ ....
ベッドの上に、君の腕を
ケースから出して一緒に眠る
腕を組んで、胸に抱いて
手を繋ぐのが一番しっくり
年中暑がりだったから
サーモグラフィ、君だけ赤色

翌朝起きたら、寝ぼけたままでも
 ....
西條 八十全集1、2、3(抒情詩)、4(時局詩・少年詩)と13(詩論・詩話)巻
?国書刊行会発行 
を、借りました。何も考えずに予約して、来たら一冊が辞書ほどの分厚さでびっくり。
西條八十と言え ....
後悔を/森の奥へと歴史学のような眼差しで引いていく人

スコップを置き去りにした砂場から カイワレの芽が伸びてきました。

透ける陽のメトロノームを記録して/耳鳴りの止まぬ夜を綴じ込む//
 ....
両瞼月の形の白い傷



露出した骨を矯正してる口



三日後に二足歩行で倒れます



初夏の朝 身体の中はまっくらけ



磨かれた床に無数の目玉落つ


 ....
冷蔵庫ゆっくり冷えていくものが光のような気がしてならない



やっと今一人で立てた足元にいろんなものが這いのぼってくる



ゴミ置き場月光に散る貝殻が泣いてるまぶたに見えなくもない ....
{引用=


冬になると、一枚板の壁の隙間からは風が、骨の芯に沁み入るようで、いつまで経っても、身体は温まることがない。だから足先から、這い上がる冷たい手の平にうなされる夜は、一向に眠る気配を見 ....
春色慕情


無関無色といえること
五月の夜に悟れり

本を買わず
本を失わず
酒食を節し
心の赴くさまに
生きて禍なし
完成はせず
技を磨かざるべからず
常に研さんして
 ....
雨後の庭朝日に青葉色さえて妻は明るく出勤しゆけり

遠くから近くから様々な楽しき音今朝の坂本陽ざしに映ゆる

後一年妻は最後の勤めなり読書をすると朗らかに言う
黒陽タイルの暗い部屋
六肢立体の影あり

その眼 涙亡く
畏怖恐怖され
暗い部屋に孤独あり

時折みえる
かえるとミシェル
言葉などない友情
音もなく歩く

ああ貴方は
影の ....
淡紅色の水水しい肌に結びつく成長ホルモン
その道すじを振り乱して泳ぐ姿は
それぞれ脂の乗った、見事な鮭
美しい女子高生の群れです

信号の向こう側に居る人々

仕立て上げられた
 ....
{引用=
のそり。枝垂れすぎた桜が、穴開きブロック塀の上を跨ぐようにして、地面に口づけをしている。ような格好で、あたしの方にお辞儀をしている。薄桃色の、明るい、花色。雨上がりの陽に触れてそれは、どこ ....
その国
国なのに王を持たず
恋人もいない

波打ちぎわが逃げ続けるので
海は憧れの的

         つぐみの子が口を開け
         「夢が叶った」
         と ....
 
人形の折れた手首を持ったまま母の帰りを一人待ってた
 
 
説明しようとして絶命してしまった僕のレジュメが空へと
 
 
深夜、ヒツジが僕を数えている、可愛そうにまだ眠れないのだ
 ....
初期設定を間違えたと嘆く喜劇
闇雲に走る競走馬は、悲劇…



真夜中に黙って座る部屋の中では
多角的な視点など偽りです
沈黙と同じくらい聞こえてくる喧騒の
どちらが本物かは分からな ....
 
 
僕の中で爆発する
バクとハツ
バクは奇蹄目バク科バク属に含まれる哺乳類の総称である
ハツは架空の人物、性別は女、推定年齢七十歳前後
幼少の頃、本家から分家に養女に出される
分家の ....
   5


みつばちやはなあぶがたわむれて、
そこに垣根があることも、
花が咲いていることも知る。
果実がなるのを待って、摘んで、
樽の中で、苦い酒にする。
酔って、今日を事実にして ....
*化石

ならない電話をのみこんで
渦まくコードの
耳から漏れる
おとのかたまりを見つめてた。


*氷菓

たて波の断面のように
歯こぼれしていた、
底冷えのあさ
薄切りの ....
僕は不思議に思うかもしれない。批評祭なんてもんをやって、どうして皆は詩についてウダウダ書くのか、そして批評なんていう難しそうなことをするのか。第一どうしてわざわざ批評なんかをしなければなんないのかって ....    3


ぼろ切れも、つづれ織りのように、
紙と紙のあわいから過ぎず、
あったことを示す。
日夜のめぐるたび、足し算を続けて、
よろこびなぞ、かなしみなぞ、
充分に受け止められる。 ....
 江國香織の詩集『すみれの花の砂糖づけ』(新潮文庫)は、理論社刊の詩集『すみれの花の砂糖づけ』に12篇を増補した、全部で70篇ほどの詩集だ。
 今回はこの詩集を、「つめたい」というひとつの言葉に着目 ....
{引用=
ぼくは、父親の名前に格別思い入れなどなかったが、ぼくが名付けたミドリガメの名前には少しだけ特別な感情が残った。
(一条「ミドリガメと父親」)



+++

 公園にはいつ ....


 言うまでもないことだが、道に迷うことは人の心に不安をもたらす。すべて不安というものは未知のものへの恐怖から来るものだが、道に迷うのはこの一点からあの一点へとある目的を持って移動するその途中 ....
以前、作家の佐藤亜紀さんが『ユリイカ』で、批評とは西瓜割りみたいなもんだよ、という趣旨のことをちらっと書いていて、なるほどうまいことを言うもんだなあ、と思わず膝をたたいたことがあります。引用してみ .... しりしりと頬に 君からはぐれた氷の埃
ざわめいていたフレーデルが口を噤む
その間を抜け 濃紺の蜜に深く溺れる

針葉樹が冷淡に 自らを槍と仕立てる
芳醇にもたげようとする果実が 授業が始まる ....
風が
静かになりました
背骨が曲がったまま
切り取られそうな
刃物を持った風が
止みました


世界では
他愛ないことですが
いまのうちに
背筋を伸ばして、
伸ばして
僕のこ ....
   1


ろばの肉は、骨をくるんで、
皮にくるまれていた。
もえがらにはならなかった。
一つ、星のおこるたび、
グレアに紙をかき消されるたび、
皮をまとって、骨にまとわされて、
 ....
制服の胸で何かを育ててる紺の靴下はいた娘ら


文庫本読んでる君の眼の中に寄せては返す海が見える日


昼下がりだらりと畳でねむってるわたしだんだん蛇になってく


そこだけが青 ....
古月さんのおすすめリスト(129)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
かさね- はるな川柳2+10-6-17
桃破壊する少女- ふるる川柳8*10-6-17
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マネキン- やや自由詩1*10-6-11
借りた詩集_西條_八十全集- ふるる散文(批評 ...10+*10-6-9
木漏れ日カメラ- ことこ短歌20*10-5-27
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さみしさで貧血- ふるる短歌26*10-5-21
散文詩-彼方に寄せて- 黒木みー ...自由詩3*10-5-18
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朝のしばし- 生田 稔短歌410-4-21
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浮泳ぎ- りこ自由詩7*10-4-17
春のまぼろし- 黒木みー ...自由詩1010-4-17
嘘の国- ふるる自由詩7*10-4-11
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夜深し(副題:コメトラ)- やや自由詩1*10-3-6
爆発- たもつ自由詩810-3-5
続々人間政府- クマクマ自由詩410-2-9
塩小路- ことこ自由詩10*10-1-15
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