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かすかな気体が母音をまねて
つつましく
遠くの空をながめる子
瞳に映る季節、また季節
繰り返される慈しみ
陽射し
向こう側へ手をふる
帰れないと知っても
魂は旅をするかしら
平行 ....
いそぎあしに みちをゆきすぎる
すべてのひとに はなたばをおくりたい
やまあいからこぼれでるあさひの
まっさらなきらめきを
くたびれてすわりこんだきみにも
あかく あかく
さしのべられるひ ....
空の頂に月のない夜
まなざしは
同じようにはやってこない
待ちぼうけの子どもたちが
眠ったふりをして
息をこらすように
取り巻いて包んで
進行する世界に
オクターブごとに反響する
数 ....
道端に 雪をかぶって
うち捨てられた人形は
さぞや寒かろ さみしかろ
あの日も
おなじくかがやいて
うなる風に 耳をすませたら
ぼくがぼくであるための
拍動の 確からしさが
....
よそ行きの気持ちを全部詰めたから
カバンがとても重たくなった
どこからかきれいな歌聞こえたから
旅の予定をそっちへ向ける
青地図に行程表を書きこんだ
知らない街をたどる点線
....
朝の訪れるたび
切り離されたからだを思う
昨日との交信が途絶えて
寄る辺ない
なまぬるい風に
輪郭を確かめる
季節がしみこんでくるのと
季節に染み出していくのが似ている ....