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なぜ真っ黒な爪を残そうとするのか
なぜこんな真っ黒な棘をおれたちの
臥床{ルビ=ふしど}の下に残そうとするのか
おれが寝返りをうつたびきみが頬杖をつくたび
おれたちの手を胸をちくちく ....
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{引用=ぼくの中にふたりの人間がいる!そしてぼくは不幸にも、そのどっちがどっちを打ちのめすのか、見当がついてるんだ。
――エヴァリスト・ガロア}
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世界の隠された扉を開け放ちそ ....
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旅立とう言葉の彼方へ
開け言葉の前への扉
目を瞑り 口を閉じよ
堆{ルビ=うずたか}く積まれたぼくら
の時代の言葉 先祖たちの
言葉の渦を踏み越えて――
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言葉の煉瓦を積 ....
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流沙{ルビ=ルサ}の流れの畔{ルビ=ほとり}にて路と路とが出会う
壘壘{ルビ=るいるい}たる碌碌たる峨峨たる崟崟{ルビ=ぎんぎん}たる
地の波浪が固結したような岩頚の列なりと
地平にまで広がる ....
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雨が上がって雲になり
空が下がって池になる
森の侵入 まわるく埋め残されたかがみ
濡れた獣は不便だ 毛が固まって寒くなる
飛ばない鳥 窓から眺める雨脚のあわ
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縺れ ....
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こんな寒い夜は
星がぽっちゃんぽっちゃんふってくる
(星って 卵みたいにぐちゃぐちゃじゃないか)
星の殻が割れて 星のなかみが背に落ちる
きみの背中は銀色に光って ....
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濁った夕日のあとに
煤たなびく夜明けが来るとしても
真昼の青空を信じて歩き出そう
君が遠くで見ているのなら
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枯れ干からびた夏のあと
どしゃ降りの秋が続いても
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