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梅雨入り前の風は
しっとりと
雨の色を含んで
部屋に吹きいる
私はひとり
読みかけの本をそっと置き
その匂いをかぐ
君と辿ったいくつもの夜
ふたり描いた夢のかけら
せつなく胸を締めつ ....
空の青が眩し過ぎて
つい瞳を閉じてしまう
そんな風にしていつも
小さな幸せを見逃してきた

あの日の君の心さえ
信じることが出来なくて
差し伸べられた手を振り払い
今ではもう届かない場 ....
真夜中のとばりに一人きり
風の音に目を覚ます
横に眠っているはずの君は
ここにはもういなかった

君は私の右腕に頭を預け
その髪の匂いに微睡んだ夏
あれからいくつもの季節が過ぎたけど
 ....
こうして私は
詩なんて書いてはいるけれど
本当のところ 
言葉なんてちっとも信じていないのです

全てを書いたと思ったその瞬間から
何も書けていないことに気付き始める
どんな言葉でノート ....
また朝が来て夜が来る
どんなに深い悲しみも
人はいつか受け入れる
それが出来ない者は容赦なく淘汰され

この世界にしがみつくために
私も悲しみを受け入れる
進化を義務付けられた私達は
 ....
寝酒をやめました
睡眠薬を飲むのもやめました
夜はやっぱり眠れません

煙草を吸うのはやめられません
やめる気もありません
緩やかなる自殺です

少し太ったようです
自堕落な生活のツ ....
レールの上に立ち尽くせば
ただ一人取り残されて
進む道さえ分からずに
もがくだけ体力は奪われていく

小さな幸せを夢見ていた
多くを望みはしなかった
けれどレールの上では誰もが
競うこ ....
年を重ねるごとに
また一つ新しい痛みを覚えて
段々と臆病になっていく
諦めることにも慣れた
この頃は

ただ抱きしめてくれる腕を探して
他愛もない嘘だけを積み上げる
砂で作った城のよう ....
もうすぐ一つの季節が終わり

また新しい季節がやってくる

終わりは始まり

出会いと別れを繰り返し

喜びの代償に

悲しみも多く知ったけど

私もまた新しい季節へと

 ....
公園の芝生に腰を下ろして
君と他愛も無い話をしていると
右手の甲にそうっと蟻が這い上がる
私は無表情にその蟻を一瞥し
左手の親指の腹で静かに潰す

目の前には無限のような緑
足下は歩き慣 ....
今日もまた欲望に負けました
自分の弱さをごまかして
見せかけの優しさにすがりました
自己嫌悪という快楽に
身を投げて

今日もまた失望に負けました
幸せそうな人を眺めては
この身を憂い ....
見飽きてしまった景色なら
ちょっと視点を変えてみればいい
忘れかけていたもの達が
二人の瞳に映るかも

去年と同じ季節 同じ場所
少し大人になった二つの影
そんな些細なことも奇跡のよう ....
夜中の三時に目を覚まし
仕方がないから何にもしない
グラスに氷を放り込み焼酎注ぐ
不純物は何も要らない

マルボロライトが切れたから
親父のマイルドセブンをちょいと拝借
計算して作られた ....
「産んだ私が馬鹿だった。」
母の声が鳴り響く
「お前なんて俺の子じゃない。」
父の声が反響してる

あの雨の日も両親は
私のことで喧嘩していた
私はそっと音を立てずに
部屋に隠れて息を ....
ゴミ箱の中にはピンク色のコンドーム
先端の方には濁った白い液体
朝起きて一番最初に目に付いた物が
そんな物であることに僕は小さく舌打ちをする
隣であどけない顔で無防備に寝ている女と
昨夜の彼 ....
あなたは流されて来たのだと言う
ただ水のように流されて来たのだと
このちっぽけな私の元に

私は湖のように静謐でもなければ
私は海のように寛大でもない
どうしてあなたを受け入れよう

 ....
今夜、夜の監視人は居眠りしている
こっそり君を連れ出して
街中で口づけを重ねよう
愛でこの街中を満たす位に

下手な誓いを交わすより
君のその薄い唇に口づけを
二人を今見つめているのは
 ....
今までにどれ位の人達が
私の前を通り過ぎて行っただろう
何かを与えてくれる者もいれば
何かを奪い去って行くだけの者もいた

でも今となってしまっては
そんなことはどうでもいいこと
さっさ ....
地下鉄の駅のホームで
私はずっと待っている
ただ立ち尽くす私の前を
もう何本もの電車が通り過ぎた
しかし自分の本当の行き先を
私は未だに見付けられないでいる

電車はホームに止まる度
 ....
あの人が死んだ時
私は不思議と
悲しくなかったのです
頭では死というものが理解出来ても
それが心までは伝わってこなかった
まだ

もう二度と話せないという現実
もう二度と笑えないという ....
君の化石を
掘り起こして
眺めてみる

化石が
語りかけてくる記憶は
良かった思い出だけ

悪い思い出は
時が洗い流してしまったのか
角が取れ
丸くなった化石

化石は
生 ....
PULL.さんの快晴さんおすすめリスト(21)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雨の色- 快晴自由詩12*05-6-5
眩し過ぎる青- 快晴自由詩7*05-6-3
私の横に今いない人- 快晴自由詩11*05-5-31
言葉- 快晴自由詩6*05-5-26
死者の言葉- 快晴自由詩4*05-5-26
口寂しい- 快晴自由詩5*05-3-30
地平線の彼方- 快晴自由詩5*05-2-2
ただ哀しくて- 快晴自由詩3*05-1-30
シーズンズ- 快晴自由詩3*04-9-18
- 快晴自由詩8*04-9-7
夜明け- 快晴自由詩11*04-8-19
新しい風- 快晴自由詩4*04-7-29
少年は青空が嫌い- 快晴自由詩4*04-7-17
存在悪- 快晴自由詩4*04-7-13
ピンク色のコンドーム- 快晴自由詩6*04-6-24
流れのままに(ソネット)- 快晴自由詩6*04-5-30
世界中に口づけを(ソネット)- 快晴自由詩4*04-5-11
時代遅れの漂流者- 快晴自由詩5*04-5-5
遅刻の理由- 快晴自由詩11*04-3-28
あの人の死- 快晴自由詩6*04-1-26
化石(ソネット)- 快晴自由詩4*04-1-23

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