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風が吹いている
青く灰色のピンクの影のなか
夕暮れの香りが運ばれている
いちにちは
誰にかやさしい終わりを告げる
よるに棲息する
わたしは無生物になるでしょう
....
湯をもとめ
山林にはいる
猪か、獣の臭いがする
腐葉土を踏み
靴底を滑らせてゆく
真実は
湯をもとめてはいない
獣を撃つことのみ
思考している、否、体が ....
おどおどした目で
悲しみ選んでいる人々に
営みの地平から
白い抒情よ、立ち上がれ
響きあうこころと足音
蛍光灯でがらんとしている人々
悲しみは漂白されている
....
ぼくは腹を立てない
それはじぶんだからだ
じぶんを比喩して
それは目のまえにあるだけだからだ
ぼくを見つめた誰かの
その追憶をぼくは辿る
どこか遠くで
....
蛍光灯のひとけないフロア
コピー機の出力の音
そとの雨が窓をぶっている
指示されたことを
消し込んでいる部下たち
十月の夜が
ほとぼりのさめたような顔をして
....
空は夜空ではない
星でもない
宇宙そのものだ
宇宙そのものから
虫の音が
降るように聴こえている
哀しみ
孤独
裏切り
不実
それらは
....
わたしの思考と身体が
世界と和解していたという事実!
サングラスをはずすと
世界が懐かしい光のなかにあった
サングラスは
ゴルフのときにだけすると決めている
サングラスがわたし ....
生きている実感なんて
そんなものあるはずがない
なにかの中毒になる以外
そんなものあるはずがない
あるはずのないものを
目のまえにぶら下げて
ロックオンしなけれ ....
目には目を、歯には歯を、
このハンムラビ法典の言葉は
復讐法だとか拡大報復の戒めだとか
そんなふうに言われてはいるけれど
この言葉の連なりに
私はひとの悲しみを感じるのだ ....