とぼとぼ歩く田舎の道
土の道見つめて ひとり 少女が 歩いていたら
何処からか 口笛が
陽気な歌が 聞こえるのです
ふっと顔を上げたら
自転車に乗ったおじさんが 口笛を吹きながら
通り過ぎ ....
けつえきとおんなじだと
でりこちゃんがもっともらしくいう
さらさらでなければ
なみだをながすたびちくちくするし
なにかをつたえたくても
のどがいたくてしょうがない
はんろんしたいのに
 ....
どうにもやるせない自転車です。雨水の玉つぶてなサドルの革を「そうでもなく茶色だ」と言って、拭き取ればままよ、と走りました。光、スロウ、アウェイ。そして溶解するするりとした残像を肴に、ウィスキーに言い訳 .... ―動物園のライオンが言った
この間 サバンナとかいう所の夢を見たんだ
ワシはここで生まれ育ったから
どんなところかは 実際知らないのだがね
それでも何だか心地好くて
高い空と草の匂いが 
 ....
6月の29日

今日から日記を付けてみることにする
何か言いたいことがあるはずなのに    言えないでいる
そんな弾みで


6月の30日

特に何も無い一日
雨の日のよう ....
朝、とても慌てていて
とにかく、慌てていて
うっかり捨てそびれていた
穴のあいたパンツをはいてきてしまった。

気がついた時には
私の体は宙に舞っていて
遠くで
誰かの叫ぶ声がして ....
 


 いい天気だった。これほど天気がよければ、女の乳首も見えそうだった。見えなかった。おれは駅前のロータリーのベンチで、バスを待っていた。
 隣に座ってる男の乳首は見えてしまった。 ....
男は物陰で
右目だけ出して
立っていた

男は物陰から
右半身だけ出して
立っていた

男は物陰から離れ
ようやく全身を見せた


そんな事にひと月も費した


まったく ....
誰かが扉を開け去っていった
レモンが置いてある部屋に
出し抜けに押し寄せる大量の泥
僕だけが
部屋にいないので
どうすることもできない
二頭の馬が夜の中を歩いている
病院の屋上で
君とあやとりをする
君が欠伸をして僕が瞬きをする

飛行機
カブト
ネクタイ
しっぽ

象のような鳴き声の強風が吹くと
君の髪がボレロ ....
何もすることがないから
土を掘っている

素手で掘っていると
爪の中に土が入って
指先が赤く腫れてきたので
彼女を呼んだ
小さなスコップを手に
彼女はやってきた

何が出てくるかな ....
飛行場だった廃墟に忍び込むと
僕は思わず
飛行機になってしまう
両手を広げ
雑草の生い茂った滑走路を
全力疾走
夜風は冷たくて気持ちがいいな
思わず顔が微笑んでしまう
いつの間にか「キ ....
(1)

僕は眩暈をおこし倒れゆく途中、眩暈の原因はこの部屋の絨毯の模様がどうにも見慣れない形に変わってしまったからだということに気づき、しばらく斜めになったまま考察を続けた。



(2 ....
      ぼくたちは肉体をなくして意志だけで生きている
         −吉本隆明詩集『転位のための十篇』収録
                 『絶望から過酷へ』より−

けさは
かる ....
愛してるをみじん切り
ドコ行ってたのをすりおろし
怒ってないけどを手でちぎって
フライパンで炒めます

5分後
聞こえにくい感じの眉間を小さじ1杯
閉じるか閉じないかの目蓋を大さじ2 ....
雲のない
ブルー・スクリーンを仰ぎ見ても
語るべきものなど何も残されていない
サイレント、ひとつ
崩れながら包み込まれる

ネイティブ・アメリカンに
インディアン・サマー ....
ワイパーを身体につけたんだよ
ネジでさ、おへその穴に固定してね
勤続十五周年だもの
いろいろな人が去っていったもの
自分へのせめてものご褒美だもの

憧れていたんだ、ワイパーのある ....
自由になりたい
自由になりたい

っていうのが
口癖だったわけ

そしたら朝起きたら
翼がついてたわけ

そりゃもう嬉しくてね
飛びましたよ

ぐるぐる
ぐーるぐる

で ....
サイレンが変なメロディつけて鳴っていて
校舎の窓にほおづえついていると
校庭ペンギンが
横目でこっちを見てる気配
すべりだいの隣のやつ


昨日ノリちゃんが
すべりだいの時にパ ....
エミリー
あなたと最初に出会ったのは羊水の中
あなたは何も言わず
私を蹴って押し出してくれました
あなたはそれっきりそのままで
難産だったと語る母にあなたのことを訊いてみたのです ....
イメージするということ

たとえば

ゴキブリいっぱいのプールに放り投げられるということ

眠っている間に鼻の穴から寄生虫を入れられるということ


イメージするとい ....
料金が足りませんからと
窓口の向こうの若い局員は不機嫌そうな顔で
茶筒みたいにふくれた封筒をつき返した
そりゃあ、足りないのは僕の落ち度ではあるし
深夜勤務の彼にはちょうど今頃が
一番眠たい ....
あなた、頑張って

隣で寝ている妻の寝言にびっくりした
寝ているのに何故わかったのだろう
わたしはちょうど42.195キロのフルマラソンの最中で
トップを走っているのだ
これからきつい ....
虫歯が痛んだので歯医者に行った
虫歯を治してください
口をあんがあと開けたのはいいけれど
白衣を着たおじさんに
ここは目医者ですと言われてしまった

仕方なく
僕は自動車の整備工であ ....
二十数年前
大量の醤油を飲んで自らの命を絶った科学者がいる
それが私の父だ
いったいどれくらいの醤油を飲んだのか
警官が説明しようとすると
母はそれを遮り
私の手を引いて長い廊下を歩き ....
街中ですっ転んだ
視界にあるのは人の脚

何事も無かったかのように通り過ぎる脚
立ち止まってこちらに視線を投げかけている脚

スーツの脚
ジーパンの脚
スカートの脚
ルーズソック ....
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